Q:息子が噓を つくように なりました。
息子は最近、「宿題やったの?」と尋ねると、やっていないのに「やったよ」と噓をつきます。何度か尋ねると、ようやく「やっぱりまだやってない」と本当のことを言うのです。
先日も、ベランダのプランターの水やりをやっていないのに「やったよ」と言って遊びに出かけてしまいました。どれもすぐにバレるような噓です。
私はどんなに些細な噓でもついてほしくないし、噓をついても平気な大人になってほしくないと思っています。
噓がバレたときには叱りますが、あまり響いていません。噓はいけないと教えるにはどうすればよいでしょう。(M・W さん)
A:聞きたいことと反対のことを尋ねましょう。
子どもって、「やった?」と聞かれると、おうむ返しのように「やった」などと言ってしまったりするものです。ベテランの教師は、子どもが本当のことを伝えやすいよう、尋ね方を工夫しています。
例えば、授業終わりで「今日の学習わかった?」と聞くと、わかっていない子も「わかった」と答えてしまいます。反対に、「わからないところはある?」と聞くと、わからない子は素直に「○○がわかりません」と答えてくれるのです。
つまり、「聞きたいことと反対のことを聞く」というのがポイントです。このお母さんも「やったの?」と、子どもが宿題をやり終えた前提で話していますよね。ですから、「やり終えた」の反対、「これからやる」前提で尋ねればよいのです。
「何時からやるの?」「わからないところがあれば、一緒にやろうか?」などと、これからやる前提で尋ねれば、子どもも本当のことを話しやすいのではないでしょうか。
一方で、友だちを叩いてしまったのに、「叩いていない」と言い張るなど、決してついてはいけない噓もありますよね。今の学校では噓を暴くことはせずに、「こういうことをされたら相手は嫌だよね」などと、子ども自身が「いけないことをしたな」と気づける話し方で伝えるようにしています。
水やりを「やった」と言って出かけてしまうのは、すぐに遊びたかったということでしょう。「一緒にやろう」と声をかけたり、育てている植物について話したりするなど、興味や関心を持たせるようにするとよいのかなと思います。
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私がお答えしました
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2022年12月号別冊『HugKum』
構成/天辰陽子