Q:間違えることが許せず、いつも怒っています。
息子は間違えることが嫌いです。例えば、漢字の書き取りや計算問題など、少し間違えただけで「ああ、間違えた!」と叫んで機嫌が悪くなります。
「間違えても、やり直せばいいんだよ」となだめますが、機嫌はなかなか直りません。もちろん、「ここ違うんじゃない?」などと私が指摘するようなことはありません。できたときは、「すごいね、よくがんばったね」と褒めると、とても嬉しそうにしています。
息子に「間違えてもいいんだよ」ということを伝えるにはどうすればよいでしょう。(R・H さん)
A:言うとスッキリする言葉を決めて、親子で共有しましょう。
間違えたことを許せず怒ってしまうような子は、低学年に一定数見られます。このような子は、ゲームなどの勝負に負けることも嫌がったりします。
対策は2つ。ひとつは、子どもが怒る前に予防すること。つまり怒りの原因になることをやらせないようにするのです。この方法はゲームなどの遊びなら、勝敗を決めるものをやらなければいいので簡単です。
けれど、この子のように、宿題をする過程で怒ってしまう場合、予防するのは難しいでしょう。それならばふたつめの策として、起きてしまってからの対処が有効です。
怒っている間は、大人がいくらなだめても収まらないでしょう。そこで、お子さんが落ち着くまで、そっとしておくのです。落ち着いた頃合いを見計らって、「宿題終わったの? 見せてほしいな」などと声をかけましょう。
終わった宿題を確認しながら、ここでお子さんと話すのは、怒りを収めるよい方法についてです。「さっき、怒りながら宿題やっていたけど、間違えると嫌だよね。悔しいよね」と、まずはお子さんの気持ちに寄り添いましょう。そして、「悔しい気持ちを言葉にするとスッキリする言葉って、何だろうね」と、怒りが湧いたときに言うと楽になる言葉を子どもに考えさせるのです。「まぁ、いっか!」「そんなの関係ない!」「悔しい」など、言葉は何でも構いません。お子さんがこれを言ったら落ち着くなと思う言葉を親子で共有しましょう。
ただ、言葉を決めても、子どもがすぐに対処できるわけではありません。感情が爆発してしまうと忘れてしまうので、落ち着いてから「“まぁ、いっか!”と言うと楽になるよ」と、根気よく伝えてくださいね。心配なことは、いつでも学校に相談しましょう。
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私がお答えしました
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2022年11月号別冊『HugKum』
構成/天辰陽子