戸田恵子さんとトレンディエンジェルのお二人にインタビュー
映画&テレビ35周年、絵本『あんぱんまん』誕生50周年というメモリアルイヤーとなる今年。映画最新作では、なんでも作れるロボットたちが住む“ロボ彗星”で暮らす明るく元気いっぱいの女の子・ロボリィ(声/桐谷美玲)が、たった一つだけ作れない“大切なもの”を探すため、アンパンマンと一緒にワクワクの大冒険へと出かけます!
ゲスト声優のトレンディエンジェルのたかしさんは、ばいきんまんとロボ彗星で大暴れする“ロボ・カビルンルン”の声を、斎藤さんはロボ彗星の長老“ロボじい”の声を演じています。
さらに映画の冒頭では、おなじみのアンパンマンソングを聞きながら一緒に手拍子をして楽しめるパートもあるので、お子さんの初めての映画館デビューにもとってもオススメです!
____今作はアンパンマンにとって記念すべきメモリアル作品となりますが、戸田さんは感慨もひとしおだったのではないでしょうか。
戸田:年を重ねるごとに本当に毎年すごいなと思っていて、最初に始めた時は1年経って、2年…5年というのをずっと経てきて、どこまでやっていくのかなと(笑)。でもそのうちに、きっとずっとやっていくんだなっていう気持ちになり、ここに至ったという感じなんです。テレビのレギュラー放送でずっと新作を毎週作り続けてきて、毎年1本映画を作って、安定のローテーション。だって35年前に生まれた人は、もう35歳になっているわけですよね。あの時赤ちゃんだった人が、もう子どもができてて、順繰りにアンパンマンが巡っていっている。永久に皆さんの中に残っていく作品になるのかなと。
今年は特に周年作品となりますが、長い間にはやはり良いことばかりでもなくて、仲間や先生も亡くなったりと悲しいこともたくさんあって、そこを乗り越えてみんなでここまでやってきたので、そのぶん喜びも大きいです。
____トレンディエンジェルのお二人は、改めて今回ゲスト声優のお話を聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?
たかし:今年が35周年ですからね。僕が今37歳なので、ほぼアンパンマン(笑)!
斎藤:ほぼど真ん中のアンパンマン世代ですよね。
たかし:もうアンパンマンは、僕とともに人生を歩んできたといっても(笑)
斎藤:過言ではないよね。アンパンマンが始まった時、ちょうどたかしは2歳だったからね。
たかし:そんな作品に出れるという喜びは大きいですし、アンパンマンファミリーというか、もう戸田ファミリーに入ったような!
戸田:そこは、わりかし簡単にすぐ入れます(笑)。たくさんいますから(笑)
たかし:でも今日のイベントの前に、戸田さんの生のアフレコを初めて聞いたんですけど…。
斎藤:ちょっと震えましたね…!
たかし:本当に感動しました。『わっ、アンパンマンだ!』って思いましたもん。生で見れただけで、もう本当に幸せです!
____斎藤さんは実際に5歳と2歳のお子さんがいらっしゃる中での、アンパンマンファミリー入りとなりました。
斎藤:そうなんです。なので今回お話いただいた時には、ついに『マリトッツォマン、きたな』と思ったんですよね。頭にクリームを挟む感じで(笑)
たかし:クリームで埋めるために、頭の真ん中の隙間をあけてるんですよね(笑)
斎藤:そうそう、クリーム待ち(笑)。でも蓋を開けたら“ロボじい”役だと。おじいさんの方を買われたっていう(笑)。でも本当に、もう寅さんか戸田さんかというくらい、戸田さんはレジェンドですから。
たかし:伝説の人ですよ。
斎藤:ご一緒させていただけて本当に光栄ですし、嬉しいですね。やっぱり子どもに自慢できますし、子どもの「パパ通信簿」の5に近づいたというところでしょうかね。
たかし:10段階で…?
斎藤:10段階で(笑)。
戸田&たかし:(爆笑)
斎藤:ちなみにうちの娘はドキンちゃんが大好きなんです。僕は結構コキンちゃんの色が好きなんですけど、でも似ているのは“こむすびまん”の頭のところですかね(笑)。少なめの海苔がこうある感じの(笑)
本当に娘はアンパンマンと一緒に育ってきているので、今回すごく喜んでいます。グッズも結構いただいたり、持っているものもたくさんあったりして。ぬいぐるみも全部持っているんですけど、昔はただ持っていただけなのに、今は好きな歌に合わせて、特徴を言いながら僕に問題を出すんですよ。
戸田:かわいいー!!
斎藤:『なんとかかんとか♪これは誰ですか♪』みたいな。そういうこともできるようになって、アンパンマンたちと一緒に成長してきているのを感じますし、素晴らしいですね。
たかし:ちなみにグッズには、“ロボ・カビルンルン”もあるんですよね?
斎藤:ないわ!ロボ・カビルンルンなんか、ほとんどかびるんるんだから(笑)
戸田:出てないですね、出る予定もないです(笑)。かびるんるんに、自分で描くしかない(笑)
たかし:自分で作ります…(笑)!
____実際に本編をご覧になって、感想はいかがでしたか?
戸田:“人のために何かをすることが喜びである”というのが、映画アンパンマンの毎回の大々的なテーマになっていて、それによって自分の気持ちが温かくなったりする。そういったことが今回は“プレゼント”という形で、ロボットのロボリィちゃんが実際に成長して、それを持っていくということが前面に出ているので、周年作品にふさわしいと思いますね。子どもをあやしたりといったリアルな優しさみたいなものを表現するシーンがたくさんでてきますし、あとやなせ先生が歌や音楽が大好きなので、やなせ作品には本当に歌がよく出てくるんですけど、今回も「歌」が大きなテーマの一つ。子守唄という形でロボリィ役の(桐谷)美玲ちゃんが劇中で歌ってくれていて、そういったことも人を温かくする要素の一つかなと。歌って、やっぱりものすごい力がありますよね!それも含めて、周年にふさわしい素敵な作品になっていると感じます。
さらに、たかしさんと斎藤さんのお二人が、とってもいい味を出してキャラクターを演じてくださっていて、キュッと詰まった良い作品になっているんじゃないかなと思いますね。
たかし:僕は今回「サンサンたいそう」も踊ったんですけど、子どもの頃に聞いていた曲なので、やっぱり体が覚えてるというか…。
斎藤:いやいや、めちゃくちゃ練習してたでしょ(笑)!
戸田:(爆笑)
たかし:正直、今聞いたとしても踊ってしまう。それくらいやっぱり幼稚園や小学校の時に踊ってたんだなと。体が覚えているんですよ。
斎藤:いや、覚えてないよ(笑)。踊り若干、違いましたからね。間違って覚えてたんですよ(笑)
たかし:やっぱりアンパンマンは、俺のからだに染みついてるなって感じましたね!どの曲を聞いても、知ってる曲しかないというか。『あーこれね!』ってなる。もう体が勝手に動き出しちゃうんで、僕、アンパンマンでしたね(笑)
斎藤:本当に今回の映画は、アンパンマンのベストアルバムみたいに、たくさんの曲が出てくるのも見どころです!そしてロボリィの温かさもとても印象的で、最初は無機質だったロボリィがどんどん本当の赤ちゃんのように一つ一つを学んで成長していく。そういう意味では本当に心が温まる、子どもの根底に刺さるような、そういう作品なのかなと思います。なので本当にこんなこと言ったらあれですけどね…、みんなに観てほしいですね。
戸田:はははっ(笑)
たかし:いや、別に『観てほしい』って言っていいじゃん(笑)。ダメなの?(笑)
____ロボ・カビルンルンとロボじいのキャラクターは、演じられてどうでしたか?
たかし:戸田さんもアンパンマンの声は普段喋っているのとは全然違う声ですけど、やっぱり普段の僕ではない声を出すために、一応わざとテキーラとかを飲んで声をつぶして、挑んだんですよね。
斎藤:いける?いまちょっと。
たかし:(実演して)カビ!カビ!
戸田&斎藤:(苦笑)
たかし:もう結構潰して、無理やりテキーラを飲んで。
戸田:すごいですね。そんな人、役作りでも今までいなかったですね。
たかし:僕の中では結構、普通なんですけどね。
斎藤:いやダメだろ(笑)。
僕のロボじいは、一番最初に登場した時は55歳くらいの声なんですけど、終わったあと85歳くらいになってるんですよね(笑)。最後のセリフとか。
戸田:えっ、そんな感じしなかったですけどね?
斎藤:いや戸田さん、改めてご覧になっていただきたいんですけど、これ失格じゃないかなって思うくらい声の安定感がちょっと…。そこがちょっと皆さん気になられないかなというのが、僕は不安ですけどね。
戸田:本当にそうだとしたら、それはディレクターの責任ですよ(笑)
たかし&斎藤:(爆笑)
たかし:あまりにも違いすぎたらね(笑)
戸田:だから大丈夫なんですよ!
斎藤:まぁ最悪当日劇場へ行って、自分で生でかぶせます(笑)!
____今作では、ロボリィがアンパンマンたちとの交流を通して胸がぽかぽかとしてきます。みなさんは思わず笑顔になれた瞬間など生活の中でありますか?
斎藤:もう街で子どもが歩いているのを見るだけで、笑顔をもらっちゃうレベルではあるんですけど。ご飯を食べている時に、ふと携帯をチラッと見たりすると、自分の子どもに『ご飯食べてる時は、携帯見ちゃいけないんだよ』ってさらっと注意されたりするんです。あぁブーメランだなと感じますし、普段自分が怒っていることを僕自身がやってしまっている時があったりして…。そういうのはニコッとしながらも、ちょっと律されるような気持ちになりますね。
たかし:この前、歯医者へ行った時に歯医者さんがすごく綺麗な方で、でもマスクをしているので『マスクとってください』って言ったんです。そしたらとってくれて、可愛くってすごいほっこりポカポカしたんです!
斎藤:そんなエピソード載るわけないじゃん(笑)。「HugKum」(ハグクム)だよ、これ。「歯治す」(ハナオス)じゃないんだよ(笑)
たかし:でもすごく嬉しくてポカポカしましたね。歯を治すだけではなくて、気持ちも治してくれました!
____戸田さんは、ぽかぽかエピソードはありますか?
戸田:ちょっとありきたりなんですけど、私は普段舞台でお芝居をすることがすごく多くて、この何年かはコロナで観客を入れないところからスタートしたりと、こんなこと人生であるだろうかと。でも今はもうフルキャパになって、劇場ではまだマスクを推奨してますけど、みんな声を出して笑ってもらったり拍手したりとか、そういうことができるようになったので、改めてありがたいというか本当にこちらがポカポカな気持ちになりますね。ずっと当たり前のようにそれを受けてきましたけど、改めてみんなが『ワーッ!』てスタンディングオベーションしてくれたり、そういうことがありがたいなって心から感じます。
斎藤:本当にそうですよね。この間もルミネでカラオケライブみたいなイベントをやったんですけど、RGさんが客席に降りていったんですよ!その時に、『コロナ終わった』と思いましたね(笑)
戸田:確かにそうですよね。ケータリングも今まで厳しかったけど、食べられるようになったり、そんなことが些細なことだけど、ポカポカな笑顔になりますよね!
____小さいお子さまを連れての映画館デビューに不安を覚えるお母さんお父さんも多いと思います。これから今作をお子さんとご覧になりたいなと思っているお母さんお父さん方への、メッセージはありますか?
戸田:少し明るめの劇場になっているので、そんなに怖がることもなく、いつもテレビで見ているアニメーションが映画になってちょっと大きくなって前にドーンと出てきて、音もいい音で聞こえてくる。それに自分が知らないたくさんのお友達も一緒に観てるという感覚を、みんなで楽しんでもらえたらいいなと思います。出かける楽しさじゃないですけど、外でこれから映画を見たり、いろんなイベントを見たりとか、そういうことを大人たちが誘ってどんどん外に出ていってもらいたいなと思いますね。アンパンマンに限らず、いろんなことに。
たかし:不安な方も多いかもしれないですけど、もしアンパンマンの映画行くぞってなった時には、僕が一緒についていくので。
斎藤さん:いいよもう(笑)
たかし:怖くないよって、君の耳元でずっとささやきますから。
戸田:逆に怖いけどね(笑)
斎藤:最近うちの子もそうなんですけど、やっぱり幼稚園とかでも風邪をひく子がめちゃくちゃ多いんです。それってなんでかなと思ったら、みんなマスク生活を3年間コロナ禍でしていて、免疫がめちゃくちゃ落ちてるんじゃないかなと思うんです。
だからこの3年間できなかった経験みたいなことを、もう根っこから取り戻すように子どもたちにはしてほしい。そういう意味では映画館て、大人も非日常を感じられる場所。あの神聖な気持ちというのは、ぜひ子どもにも体験していただきたいですし、こんなことちょっと言っていいのかわかんないですけど…、ぜひ電車でお出かけしてほしいですね!
たかし:えっ、車ダメなの(笑)?なんで(笑)?
____最後にこれから映画をご覧になる方々へメッセージをお願いします!
戸田:美玲ちゃんが演じるロボリィが成長していく物語であり、ひいては皆さんに温かい気持ちになる時はどんな時なのかなって問いかけてくれる作品です。やっぱり誰かが喜んでくれることをやっていきたいというのが、アンパンマンのメンバーなんですよね。人が喜んでくれることを喜びとしている、今回はそういった物語の集大成。“ぽかぽかプレゼント”というタイトル通り、この作品を観てみんなで温かい気持ちになってもらいたいなと思います!
たかし:みんなを笑顔にして、喜びを与えるのがアンパンマン。それって芸人も同じで、みんなを喜ばせて笑顔にするという面では一緒。やっぱり僕は、ずっとアンパンマンだったのかなって今も思いますね!年も近いので。アンパンマンは僕の2個後輩です(笑)
斎藤:『あの時に観たのがロボリィの作品だった』とか、アンパンマンの映画ってみんなそれぞれ大人になっていく段階で一つの節目としてあるんですよね。なのでこの作品が、子どもたちの心に長く刻みつけられればいいなと思っています!
脚本:米村正二音楽:いずみたく、近藤浩章
声の出演:アンパンマン/戸田恵子 ばいきんまん/中尾隆聖 ほか
声のゲスト出演:ロボリィ/桐谷美玲 ロボ・カビルンルン&ロボじい/トレンディエンジェル
配給:東京テアトル
映画公式ホームページ:https://anpan-movie.com/2023/