Q:繊細でプレッシャーに弱い息子。声かけの秘訣は?
息子は運動会や発表会など大勢の前に立つことや、かけっこなど友だちと競争したりすることが苦手なようです。家でも行事の前などには「嫌だなー」と言っています。期待されたりするとプレッシャーに感じるのかもしれません。
また、友だちに「邪魔だよ」と言われたことをいつまでも気にしてしまい、僕は人気がないと言ったりします。落ち込んだり、ネガティブなことを言ったりする息子にどのような声かけをすればいいのか、いつも考えてしまいます。 (R・E さん)
A:「それでいいんだよ」と、わが子の全てを認め、気持ちの寄り添いましょう。
子どもの個性はひとりひとり全く違います。授業中に手を挙げて発表するのが好きな子もいれば、この子のように人前に立つことが苦手な子もいます。けれど、それでいいのです。
私も、学校でそういう子がいても「早く言いなさい」と発言を急かしたり、「みんなの前でがんばって発表しよう」などと促したりはしません。「恥ずかしいよね」と、まずはその子の気持ちに共感します。すると「この先生はわかってくれるんだ」と、心を少しずつ開いてくれるようになるんですよ。
ご家庭でも同じように、わが子が落ち込んでいたり、自信をなくしていたりしたら、ありのままのわが子を受け止め、気持ちに寄り添いましょう。言葉が出てこなければ、「嫌なんだね」「難しいよね」などと、親御さんが子どもの気持ちを言葉にして伝えてください。
ネガティブな思考に陥りがちな子は、自分に自信を持てていないことが多いようです。ネガティブな考え方も含めて「そのままでいいんだよ」と、わが子の全てを受け入れて、「僕はこのままでいいんだ」と思えるようにしてあげてください。
また、大勢では無口だけど、2、3人なら楽しく話したりできるといったように、場面によって様子が変わる場合もあります。どんな場面で楽しく過ごせているのかな、といったことを観察してみるのもいいと思います。
誰にでも得意分野は必ずあります。この子の好きなことはなんだろう。表情が明るいときはどんなことをしているだろう、というのがわかるといいですね。「サッカー選手のこと詳しいよね。お母さんにも教えてくれるかな?」などと、子どもが好きなことに目を向けさせてもいいと思います。「私はあなたが大好き。なにがあっても守るからね」と言える。それだけで子どもは救われると思います。
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イラスト/かまたいくよ
構成/天辰陽子
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。