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英語学習で大事なのは「日本語で自分の意見が言えること」
佐藤ママこと、佐藤亮子さんが特に力を入れて提案しているのが幼児期から大学受験までの期間の英語の勉強法です。実は佐藤さんは大学の英文科を卒業した後、高校で英語科の教諭を務めていました。
「勤務したのは2年間だけでしたが、オリジナルのプリントを作成したり、英語が苦手な生徒に個別指導するなど、あの手この手で生徒の英語力を上げようとしました。この時代の経験が、4人の子どもたちの勉強を見る上で役立ちました。」
どの教科も同じですが保護者が直接、勉強を教えられるのは小学校3~4年生ぐらいまで。それ以降は、内容が難しくなりなかなか教えることはできません。しかし、「英語だけは子どもたちの東大合格まで、英作文や長文読解などサポートできた」と語る佐藤さんに、英語の勉強法を3回に分けて教えていただきました。
実は本音では「幼少期からの英語学習は実は不必要」と佐藤ママ。それは日本語で話すことができない段階で外国語を学んでも、本当の意味で外国語を習得するのは難しいから。日本語で聞いたり話したりが不充分な時期に英語を学んでも英語力はつかないと考えています。
外国語を習得する前にまず、日本語で自分の意見を明確に述べる力をつけるのが先。それができれば、外国語もたやすく獲得でき、英語力が育つと佐藤さんは言います。
「そのためには日本語の絵本を読み聞かせたり、童謡を聞かせたり、歌ってあげたりして美しい日本語の表現やリズムを身につけることが大事ですね」
いきなり小学校で英語に触れ、自分だけできないとなると英語嫌いになってしまう危険性が
「外国語よりまず母語」という信念は変わらない佐藤さんですが、最近の小学校での英語学習の拡大で、少し考え方が変化したそう。
小学校で英語がカリキュラムに組み込まれ、2020年度からは小学校3~4年英語の授業が行われ、5年生からは週に2時間英語の授業が行われ、成績がつくようになりました。
これは英語は不必要とだけ言っていられない状況になったと感じた佐藤さん、現実に合わせて英語とつきあっていかないといけないと思うようになりました。
「何も英語を知らないで、いきなり小学校で英語に触れて自分だけできないとなると、英語嫌いになってしまう危険性があります。勉強はどの教科でもそうですが、まずは嫌いにならないことが大前提なのは間違いありません」
3歳からの幼児期は、英語嫌いにならないための単語学習
そのためには、ある程度、基本的な英単語の読み方と意味とを知っておいて小学校の英語の授業に臨むのがいい、と佐藤ママ。おすすめの方法を教えていただきました。
小学校で習う英単語を書きだす
小学校で習う英単語は600~700と言われています。
多いように思えますが、この中には「a」や「the」なども入っているので“意味を持つ単語”はそう多くはありません。勉強はまず全体の量を把握するのが大事なので、小学校の教科書でも、市販の教材でもいいので小学校で習う英単語のリストを手に入れます。
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覚えやすい英単語をカードに
この中から、わかりやすそうな英単語を選んで、子どもが見やすい大きさのカードを作ります。
たとえば、「りんご」なら、そばに「apple」または「アップル」「あっぷる」と書いて壁に貼っておきます。「くるま」なら「car」「カー」や「かー」と書いて壁に貼っておきます。絵を添えるとわかりやすいですね。市販の英語カードを使ってもいいでしょう。
ここで大事なのは、りんごが英語ではアップルだということがわかることで、書く必要はないし、発音も正しい発音ではなくてもカタカナ英語の「アップル」でいいのだそう。
子どもの機嫌がよくて元気そうなタイミングを見計らって、「これ何?」とカードを見せて、「アップル」と言わせ、「どういう意味?」「りんご」と答える感じで聞いていきます。
同じように、
ママ/これ何? 子ども/カー ママ/どういう意味? 子ども/くるま
というように語彙を増やしていきましょう。
でも、無理強いは禁物です!
小学校入学前後にこれだけをやっていれば、小学校で英単語が出てきたときに意味がわかるので英語嫌いにならずに楽しく英語の授業に参加できます。
「決して強制してはいけませんよ。嫌がる子どもをむりやり勉強させようとするから子どもは勉強嫌いになるのです。これはどの教科でも同じです。勉強は子どもの生活の中に、じわじわ~っと沁み込ませていってください。」
と佐藤ママは保護者に釘を刺します。
中学受験しないなら、大学受験に備えて小学校から英語を先取り学習しましょう
小学校に入学したら、英語の授業で英語に親しむことができます。ネイティブの先生や友だち同士で会話したり、動画を見て理解するなどさまざまな工夫がされているのが小学校の英語の授業です。
小学校中学年から高学年になると、中学受験する子どもは受験勉強に時間が取られます。佐藤ママは中学受験をしない子どもに、この時期、英語の先取り学習を勧めています。
「地元の公立中学に進学する場合、受験する子どもに比べて時間の余裕があると思います。この時間を利用して中学の内容まで先取学習してみてはどうでしょう。」
英語が先取り学習に向いている4つのワケ
英語が先取り学習に向いているワケとして、佐藤ママは次の4つを挙げています。
① 英語は自学自習に向いている
英語は数学などを比べて、積み重ねて力を伸ばすことができる科目で、自学自習しやすいのも特徴です。つまり、学校間の指導力の差を埋めやすい科目と言っていいので差をつけるなら英語が適当です。
②英語は学校間格差を縮めやすい
数学の力を中高一貫校に進学した生徒と、公立中学高校に進学した生徒で比べると、中高一貫校では数学の先取学習をしているためどうしても、前者の方が力がつきがちです。
しかし、中高一貫校でも英語はそれほど先取学習を進めているわけではないので、。大学受験で公立中学高校の生徒が点数を取るなら、英語で取るのが得策です。
③ 先取り学習の効果が出やすい
英語は勉強すればするだけ実力がつく科目なので、小学校高学年で勉強した内容は高校入試にも大学入試にも役立ちます。
④英語は時間がかかる教科。だから早めに着手!
英語は単語、文法を習得して長文を読んで…と時間がかかる科目です。合格に必要な点数を獲得するには早めに始めるのが効果的です。どの科目でも先行逃げ切りが合格への近道です。
小学校高学年は受験しなくても学習塾やお稽古事で忙しいのですが、もし余力があるなら市販の参考書や問題集を利用して英語学習を進めてみてはどうでしょう。
必ずやってくる大学受験。英語が合格を左右します
「今後、多少のシステムの変化はあるかと思いますが、現時点では必ず18歳で大学受験はやってきます。そして英語が受験科目にない大学はありません。英語が合格を左右するのは間違いないので、保護者の方も早い段階からお子さんの英語の勉強を準備してください」
今後、総合選抜型入試や推薦入試など入試の形は変わる傾向にあります。しかし、難関と言われる大学の入試科目から英語がなくなることはないですし、受験しなくても英語の必要性は変わりません。
少しずつ時間をかけて実力をつけていくのが英語力をつける王道にして近道と言えそうです。
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教えてくれたのは
大分県生まれ。津田塾大学英文科卒業後、高校で英語教師に。結婚後、3男1女を育て、全員が東京大学理科Ⅲ類から医学部医学科を卒業する。母親ならではのきめ細かい学習サポート法が注目されている。進学塾「浜学園」でアドバイザーとして活動するほか、様々なメディアで発信し、著書も多数。最新刊に『3男1女全員東大卒医師に!一点集中ムダ取り勉強法』(幻冬舎)がある。
3男1女 全員東大卒医師に! 一点集中 ムダ取り勉強法
4人の子どもたちを東京大学理科三類に合格させた著者が教える効果的な勉強法がこの1冊に
構成/今津朋子 写真/岡本尚樹(佐藤亮子さん)繁延あづさ(家族写真)