10代は骨貯金の「黄金期」
骨量が多い年代は、女子は18歳頃。男子は、18~20歳頃と若干のズレがあります。ですが、男女共にカルシウムの吸収率が最も高いのは、“10代のころ”。つまり、10代の若いうちは、最も骨量が増やせる「黄金期」なんです。カルシウムをせっせと摂りながら、骨貯金を蓄えていくことが大切です。
40代以降は「骨粗鬆症」にも注意
男女問わず40代以降は、骨量は増えません。特に女性は、ホルモンの影響で閉経後に骨量が減り、骨がスカスカになる骨粗鬆症という症状になりやすいという弊害も。「もう40過ぎているからダメだわ…」と悩まずに、これから骨量を減らさないことも必要です。お子さんと共に、カルシウム量の多い食材を摂りながら骨強化していきましょう。
カルシウムとの吸収率を促すビタミンD・Kを、一緒に摂る
骨や歯の材料となるカルシウムは、食品からの吸収率が低いことでも知られています。そのため、カルシウムに合わせる食材選びが重要に。カルシウムには2つのビタミンを合わせるのがベストだと言われています。
1つは、カルシウムの吸収を促すビタミンD。2つめは、カルシウムが骨とくっつきやすくなる役割のあるビタミンKです。これらを一緒に摂ることで効率よく体にカルシウムをとり入れることができます。
ちなみにビタミンDは、きのこ類に多く、ビタミンKは、納豆や青菜に多いため積極的に献立へ活用するといいですね。次に、これらの食材を組み合わせたレシピをご紹介いたします。
ふりかけで骨強化
カルシウム豊富な食材を組み合わせて、簡単ふりかけを作ってみませんか? ここでぜひ、使って欲しいのは大根の葉です! 普段、見落としがちな部位かもしれませんが、実はカルシウム豊富な優秀食材。捨ててしまうには勿体ないです。
例えば、小松菜のカルシウムは、可食部100g当たり・170㎎ほど。一方で、大根の葉は可食部100g当たり・260㎎もあります。
今回のふりかけ食材では、きのこの中でもトップクラスのビタミンDを誇る舞茸を加え、丸ごと食べられるカルシウムの宝庫である小魚をプラスしました。カルシウム×ビタミンD×ビタミンKが一気に摂れる、題して「骨強化ふりかけ」です♪
甘じょっぱい味わいは、ご飯によく合います。
大根の葉のシャキシャキ感とちりめんじゃこ、舞茸の異なる食感も◎。
骨強化ふりかけ
材料(作りやすい分量)
大根の葉…100g程度 ※大根の葉の付き方は大根によって量にばらつきがあります
ちりめんじゃこ…13g
かつお節…1パック(2.5g)
舞茸…1パック(約100g)
いりごま(白)…大さじ1
しょうゆ、酒、みりん…各大さじ1 ※合わせ調味料にする
米油(好みの油)…適量
作り方
- 1.大根の葉と舞茸は、みじん切りにする。
2.フライパンに油を熱し、①とちりめんじゃこを加えて炒める。
3.②がしんなりしてきたら、合わせ調味料を加える。
4.ふつふつと湧いてきたら、かつお節とごまを加えて水分がなくなるまで煮詰める。
保存容器に入れ、冷蔵庫で10日ほど保存可。
日々の食卓に登場させて、意識的に骨強化していきましょう!
大豆製品のカルシウムに注目
カルシウムが多いものとして、一般的には牛乳が多く取り上げられます。ですが、大豆製品にもカルシウムがたっぷり含まれているんです。
たとえば、生の油揚げは可食部100g当たり・310㎎あります。また、生の油揚げを油抜きしてから焼いた場合は、可食部100g当たり・320㎎と10mgアップすることが知られています。ここでは、そのユニークな特徴に着目し、油抜きした油揚げに相性のいい食材をあれこれ詰めて焼くというレシピにしました。油揚げに納豆とチーズ、大葉をはさんで焼くだけです!
香ばしく焼き上げた油揚げに、納豆とチーズが絡み合って食欲をそそります。大葉の香りもアクセント! 食べ応えのある一皿になりますので、おかずやおつまみにもオススメです。
納豆とチーズのはさみ焼き
材料(2人分)
油揚げ(生・油抜きしたもの)…2枚
納豆…2パック
大葉(刻む)…4~5枚
チーズ(細かく刻んだもの)…大さじ2
飾り用の大葉、しょうゆ…各適宜
作り方
- 1.油揚げは横半分に切り、袋状に開ける。
- 2.納豆、大葉、チーズを合わせ、納豆の附属たれを加えて混ぜ合わせる。
3.①の油揚げに②の具を四等分にして詰め、楊枝で留める。
- 4.フライパンを熱し、③を並べたら中火で軽く焼き目がつく程度まで返しながら両面焼く。
5.楊枝を外し、器にのせる。好みで大葉を敷き、しょうゆをつけて食べてもよい。
※食べにくい場合は、カットして食べてください(写真手前)。
日々カルシウム強化を
骨強化レシピは、いかがでしたか? 実際に「骨量が増やせないことをもっと早く知りたかった!」と嘆く中高年の方が意外に多いのが現状です。今からでも遅くありません。日々の献立でカルシウム強化をしていきましょう。
参考資料/日本食品成分表2022八訂(医師薬出版 編)