「みずがめ座η流星群」2024年の見ごろはいつ? 肉眼でも見える! その特徴と観察のコツを紹介

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「みずがめ座η(エータ)流星群」とは、ハレ―彗星を母天体とする流星群。毎年5月上旬頃に活動し、2024年5月にもピークを迎えて観察できます。そんなみずがめ座η流星群とはどんなものなのか、どんな特徴があり、いつ見ごろを迎えるのか、詳しくご紹介します。

みずがめ座η流星群とは?

「みずがめ座η(エータ)流星群」とは、毎年ゴールデンウィークを迎える頃、5月の上旬に地球から観察できる流星群です。ギリシャ文字の「η」が使われていて、「エータ」や「イータ」と呼ばれます。そんなみずがめ座η流星群とは、どんなものなのか見ていきましょう。

流星群ってどんなもの?

みずがめ座η流星群が何なのか知るためには、まずは「流星」と「流星群」がどんなものなのか理解することが大切です。

「流星」とは、私たちが普段「流れ星」と呼ぶ現象のこと。太陽系の空間には、地球や火星などの惑星と呼ばれる大きな天体のほかに、直径が1㎜から数㎝ほどのチリのような粒もたくさん存在します。そのような宇宙空間にあるチリが、地球の大気に飛び込こむことがあります。チリが大気に飛び込む速さは、新幹線の数百倍にもなるほどの猛スピード。そして大気と衝突して高温になったチリが気化するのです。このとき大気や気化したチリの成分が光を放ち、流星の通り道が光って見えます。この現象を「流星」といいます。

また流星の流れ出た方向をたどると、ある一点に集中していることがあります。まるで夜空にある一点を中心にして、そこから放射状に広がるように流星が出現します。これを「流星群」といいます。

流星のもととなるチリは、彗星によって放出されるため、彗星の軌道上に密集しています。そして彗星の軌道と地球の軌道が交差して、その位置に地球が差しかかると、彗星の軌道上にあるチリがまとめて地球の大気に飛び込んでくるのです。これが「流星群」が起きる理由です。彗星と地球の軌道が重なる時期はだいたい決まっているため、毎年見られる流星群が存在します。地球で毎年観察できる流星群は11ありますが、みずがめ座η流星群はそのひとつです。

流星群のイメージ

みずがめ座η流星群とは

みずがめ座η流星群は、毎年4月下旬から5月にかけて見られる流星群です。では、具体的にみずがめ座η流星群にはどんな特徴があるのか見ていきましょう。

みずがめ座η流星群の特徴

みずがめ座η流星群の発見者や、特徴を見てみましょう。

いつ誰が発見したの?

みずがめ座η流星群がいつ誰に発見されたかどうかは、はっきりわかっていません。1870年に見つかったという記録が残っています。

みずがめ座η流星群とハレー彗星との関係

みずがめ座η流星群はハレ―彗星を母天体(ぼてんたい)としています。母天体とは、その流星群のモトとなるチリを放出する天体のこと。つまりみずがめ座η流星群は、ハレ―彗星によって放出されたチリが地球の大気に衝突することで発生します。

ハレ―彗星は1758年に文学者のエドモンド・ハレ―によって発見された彗星で、もっともよく知られている彗星のひとつでしょう。彗星とは、大きさが数㎞から数十㎞程度の小さな天体を指します。彗星の成分はほとんどが氷の状態になった水で、それ以外には、二酸化炭素、一酸化炭素などのガスとチリで構成されています。ハレ―彗星は約76年の周期で地球に接近し、肉眼でもはっきりと観察できるのです。

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2024年5月、みずがめ座η流星群が見ごろ!

流星群
2024年にみずがめ座η流星群が見ごろを迎えるのはいつ?

みずがめ座η流星群は2024年5月に観察できます。いつ見ごろを迎えるのか、どこで見られるのか、詳しくチェックしましょう。

大接近!見える場所は?

みずがめ座η流星群がよく観察できるのは、南半球です。流星群は、夜空のある一点から放射状に流星が流れているように見えるとご紹介しました。この一点のことを「放射点」と呼びます。そしてみずがめ座η流星群の放射点が、南半球では高い位置になるため観察しやすいのです。

一方、日本がある北半球では、放射点が低いうちに夜が明けてしまうことから、南半球と比べると多くの流星を見ることは難しいでしょう。ただし数は少なくなりますが、日本でも観察できます。

観測に適した日時は?

2024年にみずがめ座η流星群が出現するのは、4月19日から5月28日までの期間。このうち「極大」といって流星群の活動がもっとも活発になるのは、5月6日の午前6時頃です。この時期の日の出時刻は午前5時前ですから、すでに空が明るくなっている時間です。ただ2024年のこの時期は月明かりの影響を受けないため、流星を観察しやすい環境といえます。

国立天文台がおすすめするのは、5月5日と6日の午前2時から3時30分頃の間です。また5月3日から8日頃の期間は、ピークに比べると数は減るものの流星が観察できる可能性があります。

ピーク時にはどれくらい流星が見える?

ピーク時に見える流星の数は、1時間で5個から10個ほどと予想されます。他の流星群に比べると数は決して多くないため、ぜひピーク時にあわせて観察するといいでしょう。

みずがめ座η流星群、観察のコツと準備

みずがめ座η流星群を観察するときに、どんなものを準備して、どんな風に観察すればいいでしょうか?

流星群観察に必要なもの

みずがめ座η流星群は、望遠鏡や双眼鏡を使わずに肉眼で見ることができます。望遠鏡や双眼鏡を使うと、観察できる空の範囲が狭くなるため、かえって観察しにくくなります。あとは星座早見盤があると、星座を見たり放射点の位置を確認したりすることもできます。

また5月といっても、夜中に星空を観察するのはとても冷えこみます。しかもじっと空を見上げているだけですから、体があたたまりません。観察の際には、ぜひ十分な防寒対策をしていきましょう。

さらに、立ったまま夜空を見上げ続けるのは首が疲れてしまいますから、横になるためのレジャーシートや、背もたれが調節できる椅子を用意すると、快適な姿勢で観察をできます。

家の近くから流星群を楽しむ方法

できるだけ街の明かりが邪魔しないような場所を見つけて、そこで観察するのがおすすめです。目が暗闇に慣れるまで時間がかかるため、観察をスタートして最低でも15分ほどは、あきらめずに観察を続けてみてください。

みずがめ座η流星群を観測するときにあると便利なアイテム

みずがめ座η流星群の観測に便利な、おすすめアイテムをご紹介します。

星を楽しむ 天体観測のきほん

流星群はもちろん、月食、日食、彗星などの観測のポイントをまとめた一冊です。道具は不要で肉眼でできる観測から、それぞれの天体や事象に最適なグッズも紹介しています。

リクライニングチェア

ふだんはチェアとオットマンに分かれて使えるのはもちろん、流星観察時には背もたれを倒してゆっくりと寝転がれるリクライニングチェアです。蒸れないメッシュ素材で、折りたたんで持ち運びも簡単にできます。

充電式カイロ

USBで充電して繰り返し使えるカイロ。電源を入れると数秒で高速加熱します。温度モードの切り替えで調節できます。手でにぎってちょうどいいサイズで、普段使いにも◎。

ワクワクの天文ショー!みずがめ座η流星群を観測しよう

しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群の3つは、ピークだと1時間に数十個もの流星を見られる流星群で、三大流星群と呼ばれています。それに比べると、みずがめ座η流星群は決してメジャーな流星群ではないかもしれません。しかし毎年地球で観察できる、人気の流星群のひとつです。

観察できる時間帯は限られますが、ちょうどゴールデンウィークの期間にあたります。星空愛好家にとっては見逃せないチャンスですので、観察を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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文・編集/HugKum編集部

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