きゅうりは、6月〜8月に旬を迎えます。手頃な値段で買えるのが嬉しいですよね。でも、気づいたら傷んでいた!なんてことも。きゅうりは生食のイメージが強いですが、実は加熱して食べても美味しい野菜。水分が多いため、あまり日持ちはしないからこそ、正しい保存方法をマスターしましょう。
きゅうりの『常温保存』は緊急事態のみ
水分の多いきゅうりは傷みやすく、常温保存には不向きです。しかし、すぐに冷蔵庫に入れることができない緊急事態のときには、次の方法で保存してください。
常温保存のポイント
① 一本ずつキッチンペーパー(新聞紙でも可)に包みます。
② ①のきゅうりのヘタを上にして置きましょう。このヘタを上にするのがポイント!
きゅうりを縦に入れる容器がない場合は、ペットボトルを再利用すれば簡易的なきゅうり収納容器が作れます。
常温の保存期間
常温保存は、1~2日程度です。
『冷蔵保存』ならビニール袋に入れて
常温時と同様に、きゅうりを1本ずつ包んだら、ビニール袋にきゅうりをまとめます(乾燥を防ぐため、冷蔵庫では袋に入れてあげることが必要)。そして、冷蔵庫の野菜室にきゅうりのヘタを上にして保存すると、保存期間がぐっと延長。
冷蔵保存のポイント
きゅうりを入れたビニール袋は密封しないように! 水分の多いきゅうりは密封すると、きゅうりから放出された水分で腐り始めてしまいます。
冷蔵の保存期間
1週間前後、保存可能。
『冷凍保存』で保存期間が延びる!
きゅうりを冷凍して不味くならないの? と、不安に思うかもしれませんが、ひと工夫で問題ナシ。それは、「塩もみ」なんです!
冷凍保存のポイント
水分の多いきゅうりは、「塩もみ」で水分を抜くことができます。この浸透圧の作用を利用すれば、冷凍してもビシャビシャにならずに保存できます。
①きゅうりを薄切りにして、塩もみします。
②水気を絞って、さらにキッチンペーパーなどでしっかり拭きます。
③ジッパー式ビニール袋にキッチンペーパーを敷き、水気を拭いたきゅうりを平らに並べ、しっかり空気を抜いたら、冷凍庫へ。
冷凍保存の期間
上記の通り保存した場合、2~3週間。
『漬物』として保存するなら熱湯消毒を!
生食で食べることが多いきゅうりですが、実は「雑菌」が多いことで知られています。ポテトサラダに入っているきゅうりで食中毒を起こすこともあるんですよ。
漬物保存のポイント
漬物などで長期保存したい場合は意外と思われるかもしれませんが、下処理として「熱湯消毒」をしてから。
漬物保存の期間
通常の漬物の保存期間は、冷蔵庫で2~3日です。きゅうりをさらに長期保存したい場合は、「干しきゅうり」にしてから「漬物」にすると、冷蔵庫で約2週間保存できます!
撮影・文/川越光笑(たべものライター・発酵食スペシャリスト)
保存したきゅうりで作るアレンジレシピ
【1】ツナと刻み卵、トマトのさっぱりそうめん
忙しいときにはゆで時間の短いそうめんと、トマトやきゅうりの生野菜、うま味のあるツナを合わせれば、簡単でおいしいサラダ風に。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
そうめん(乾) 300g
トマト 2個
ツナ(オイル漬け・缶詰) 小2缶
酢 大さじ1/2
卵 3個
きゅうり 1本
麺つゆ(ストレート) 2~2と1/2カップ
◆作り方
【1】トマトは1cm角に切り、軽く缶汁をきったツナと酢と混ぜ合わせる。きゅうりは薄い輪切りにする。
【2】卵は水から中火~強火でゆでて、沸騰したら弱火にして約9分ゆでて水で冷やし、殻をむく(やや固ゆで)。 粗みじん切りにする。
【3】沸騰した湯でそうめんをゆでて冷水で冷やす。器に盛り、【1】と【2】をのせ、麺つゆをかける。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
料理研究家、栄養士。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バラ ンスのいいレシピが人 気。二人の女の子のママ。
『ベビーブック』2016年8月号
【2】野菜のヨーグルトみそ漬け
みそとヨーグルトを混ぜて、和洋ミックスの新風味。子どもウケも抜群です♪ 漬け込む野菜もいろいろと挑戦してみて。
◆材料
(作りやすい量)
【A】
プレーンヨーグルト 大さじ2
みそ 大さじ2
にんじん、きゅうり、セロリ 各1/2本
◆作り方
【1】にんじんは7~8mm厚さの輪切りに、きゅうり、セロリは7~8mm幅の斜め切りにする。
【2】【A】と【1】を混ぜて2~3時間置く。
【3】みそをぬぐい取り、水気を絞る。
◆ポイント
子供たちの元気な成長に、カルシウムは不可欠!毎日の食事でしっかりとらせることが大人の使命です。
ヨーグルトは、100gに120mgのCaを含有。
みそは、100gに100mgのCaを含有。良質なたんぱく質も摂取できる。
余った材料をドレッシングに♪
■作り方
野菜をとり出して残った【A】におろし玉ねぎ小さじ1、オリーブオイル大さじ2を混ぜるだけで、ドレッシングのできあがり。
教えてくれたのは
藤井 恵さん
ふじいめぐみ/料理研究家、管理栄養士。女子栄養大学在学中から料理アシスタントを務め、料理家の道へ。25~30歳の5年間育児休業するも、復帰後、メディア各種、イベント、講演会など、幅広く活躍。「キユーピー3分クッキング」(日本テレビ系)の講師としても人気。
『めばえ』2017年1月号
構成/HugKum編集部