ルワンダってどんな国?
アフリカ東部に位置する内陸国「ルワンダ」は、いったいどんな国なのでしょうか?その特徴や観光スポットなどについて、これからくわしく説明します。
ルワンダ基本情報
まずはルワンダの正式な国名や首都、場所などといった基本情報を見ていきましょう。
国名
正式な国名は、「ルワンダ共和国」といいます。
首都
首都はキガリです。
場所
ルワンダは、アフリカ大陸の中心に位置する国です。隣接する国には、西はコンゴ民主共和国、北はウガンダ、東はタンザニア、南はブルンジがあります。
日本との時差
日本とルワンダとの時差は7時間で、日本のほうが7時間進んでいます。日本が午前7時だとすると、ルワンダは午前0時となります。
面積
ルワンダの面積は、2.63万平方キロメートルです。これは日本の約7%の面積となります。
エリア
ルワンダは、5つの州に分けられます。

●キガリ州
キガリ州はルワンダの首都がある州で、政治、経済、文化の中心地です。ルワンダ国内でももっとも都市化されており、インフラが発展しています。観光スポットにはキガリ・ジェノサイド記念館、カント・ハウス自然史博物館などがあります。
●北部州
北部州は山岳地帯で、ルワンダの自然美が際立つ地域です。ここにはヴォルカン国立公園があり、ゴリラの生息地として世界的に知られています。
●西部州
西部州はキブ湖に面しており、美しい湖畔の風景が特徴のエリアです。コーヒーや紅茶の栽培地としても知られています。
●南部州
南部はルワンダの文化と歴史が色濃く残る地域です。ムランビ虐殺記念館や、ルワンダ国立大学があります。
●東部州
東部州には、ルワンダ最大の国立公園であるアカゲラ国立公園があるエリアです。サファリツアーが楽しめます。
人口
ルワンダの人口は1,378万人(2022年世界銀行データベース)です。これは、東京都の人口(約1,400万人)よりもやや少ない数となります。

言語・公用語
ルワンダで使われている言語は、ルワンダ語、英語、フランス語、スワヒリ語などです。
通貨
ルワンダの通貨単位はルワンダ・フランです。日本円にすると、1ルワンダ・フランは0.11円です(2024年10月3日現在)。
宗教
ルワンダの人々が信仰する宗教は、キリスト教(カトリック、プロテスタント)、イスラム教などとなっています。
歴史概略
ルワンダの歴史概略は次のとおりです。
15世紀頃 ルワンダ王国が建国
1890年 ドイツの保護領となる(ドイツ領東アフリカの一部となる)
1922年 ベルギーの委任統治領となる(ルアンダ・ウルンディの一部となる)
1946年 ベルギーの信託統治領となる(ルアンダ・ウルンディの一部となる)
1962年7月 ベルギーから独立する
1973年7月 クーデターによりハビヤリマナ大統領就任
1990年10月 ルワンダ愛国戦線(RPF)がウガンダから侵攻
1993年8月 アルーシャ和平合意成立
1994年4月 ハビヤリマナ大統領暗殺、「ルワンダ大虐殺」が始まる

1994年7月 RPFが全土を完全制圧、ビジムング大統領就任
2000年4月 カガメ大統領就任
2003年5月 国民投票による新憲法制定
2010年8月 大統領選挙でカガメ大統領再選
2015年12月 国民投票による憲法改正(カガメ大統領が2017年の大統領選挙に立候補することが可能となる)
2017年8月 大統領選挙でカガメ大統領再選
2024年7月 大統領選挙でカガメ大統領再選

天気・気候
ルワンダの気候は、3月中旬〜5月中旬と10月中旬〜12月中旬が雨季、5月中旬〜10月中旬と12月中旬〜3月中旬までが乾季となっています。雨季は一日中、雨が降り続くことは少なく、スコールのように降るのが特徴です。
首都のキガリは標高が高いため、年間を通じて気温は16℃〜30℃(平均気温22℃)、湿度も低く快適に過ごせます。日本の首都・東京とくらべると、キガリは最高気温が年間で一定しており、11月〜4月の降水量は日本よりも多いです。
ルワンダの治安・住みやすさ

ルワンダの治安や住みやすさを解説していきましょう。
治安は安定している
ルワンダの近年の治安は比較的安定しています。ただし外務省の危険情報では、ルワンダ全土に「レベル1:十分注意してください」が発令されています(2024年10月現在)。各地で襲撃事件や窃盗事件、銃撃戦などが発生しているため注意が必要です。
比較的 住みやすい
ルワンダは近年「アフリカで最も清潔な国」として評価されており、街や公園が清潔に保たれているのが特徴的です。また首都・キガリでは道路や電気、水道などのインフラが比較的整備されていて、住みやすいと評価する声があります。
ルワンダの見どころ・観光
ルワンダにはたくさんの見どころや観光スポットがあります。代表的なものを紹介していきましょう。
ヴォルカン国立公園

ルワンダ北部に位置するヴォルカン国立公園は、マウンテンゴリラの生息地として世界的に有名です。
ゴリラトレッキングが観光の目玉で、自然の中に暮らす野生のゴリラを間近で観ることができます。また、ハイキングや火山探検も楽しめます。
アカゲラ国立公園

アカゲラ国立公園は、ルワンダ東部に位置するサファリ体験ができる国立公園。サバンナや湿地帯、森林などの多様な生態系が広がり、アフリカの「ビッグ5」と呼ばれるライオン、象、バッファロー、ヒョウ、サイを見ることができます。
キガリ・ジェノサイド記念館

ルワンダでは、ツチ族とフツ族との間に民族紛争から、1994年に大虐殺(ジェノサイド)が発生、80万人もの市民が命を落としました。その犠牲者の追悼と歴史を伝えるために建てられた記念館が、キガリ・ジェノサイド記念館です。
ルワンダの歴史・虐殺に関するパネル展示により悲劇的な過去を学び、ルワンダがどのようにして再建を果たしたかを知ることができます。
キブ湖

コンゴ民主共和国南キヴ州とルワンダ西部州にまたがる湖です。アフリカ大陸にある湖のなかで、トップ10に入るほどの大きさがあります。
緑豊かな渓谷が広がり、美しい淡水湖ではボートツアー、カヤック、釣りなどのアクティビティを楽しめるのも魅力です。
ルワンダの特徴・有名なもの
観光スポット以外の、ルワンダで特徴的なものや有名なものを紹介していきましょう。
国名の由来と国旗の意味
「ルワンダ」という国名には「人々の土地」という意味があります。

ルワンダの国旗には水色、黄色、緑の3つの色が使われており、水色は青空と希望を、黄色は平和と協調を、緑色は資源の豊かさと繁栄を表しています。また右上に配された黄色の太陽は、国民の団結と未来への明るい展望を象徴しているのだそうです。
国会議員に占める女性の割合は世界一
ルワンダは、女性の社会進出が進んでいる国です。それを示すのが国会議員に占める女性の割合で、ルワンダでは6割超と世界一を誇ります。そもそも議席の30%以上を女性に割り当てるという法律があるのも特徴です。

コーヒーの産地
ルワンダでは、北東部の乾燥地帯や南西部の森林地帯などを除いたほぼ全域でコーヒーが栽培されています。
ルワンダのコーヒーは、フローラルな香りとさわやかな酸味があり、フルーティな味わいが特徴です。高品質であることから、世界中で高く評価されています。
ICT立国

ルワンダでは、ICTの活用を国が進めています。アフリカのICT拠点となることを目指しており、国内のインターネット網は国土の95%をカバー、2024年までに生徒1人にパソコン1台を配付する計画で進められました。
自然と歴史が織り交ざった国「ルワンダ」
ルワンダは、自然の美しさと歴史的背景が融合した国です。国立公園では貴重なマウンテンゴリラや「ビッグ5」などの野生動物を間近で観察でき、豊かな自然を楽しめます。
またジェノサイドの歴史を学び、その再建の歩みを感じることができるキガリ・ジェノサイド記念館も重要な観光地です。
ルワンダの発展にはICTを活用した国家戦略があり、未来志向の国として成長を続けています。観光、歴史、経済などさまざまな面で、ルワンダはアフリカを深く知るために欠かせない国のひとつといえるでしょう。
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文・構成/HugKum編集部