【教えて!】冬はモコモコ服しか勝たん・・・の?
冬のお洋服はセーターも羽毛ジャケットもみんなモコモコ。動きづらくて遊べないと、リカちゃんはプンプンしています。薄い服がいいと駄々をこねますが、薄い服は寒いからとママに叱られます。でもテレビで薄くても暖かいってやってたとリカちゃん。
薄くても暖かい服って今までのモコモコ服と何が違うんでしょうか?
【ゆーまん博士が説明】暖かさの正体を見きわめて、賢く防寒!
冬服がモコモコしてるのは、空気の層を作るため。繊維の間の空気が温まるとそれだけ熱が逃げにくい……これはわかると思います。空気が熱が伝わりにくい反面、冷えにくいので、空気の層があれば外の寒さを伝えにくく、体の熱を逃がしにくいからです。羽毛や化学繊維のジャケットがモコモコしている理由ですね。
冬服、特にセーターのように肌着の上に着る服には毛糸がよく使われますが、理由をご存じでしょうか。羊毛もモコモコしているので空気を含んでいます。それも理由ですがもうひとつの理由があります。
羊毛やレーヨンなど繊維の中には湿気を吸うと発熱する種類があり、体から蒸発する汗で繊維自体が暖かくなるのです。
体から立ちのぼる「湿気むんむん」がミソ
火があるわけでもなく、むしろ湿気で濡れてしまうのに服が暖かくなるなんて不思議ですね。これには物理的な理由があります。
蒸気は水の分子がすごく活発に動いている状態です。こうした繊維は表面に蒸気が付くと、逃がさずに捕まえる機能があります。吸着と言います。
猛スピードで走っている車が急ブレーキをかけたら、タイヤが熱くなりますよね? 同じように蒸気となっている水分子が繊維に吸着され、急に運動できなくなると運動していたエネルギーが熱に変わります。これが繊維の吸湿発熱反応で、セーターを着ると暖かいもうひとつの理由なのです。
吸湿発熱反応で発生する熱は、恐らくみなさんが想像した以上です。衣料品メーカーの調査で、衣服内の湿度が40パーセントから90パーセントに上がると、ウールの場合、衣服内の温度は30度から36度まで、さらにより発熱しやすいように加工されたウールでは約38度まで上昇します。
ウールのセーターが温かいわけですね。
着た直後は暖かく感じない
薄くても暖かいことで有名なヒートテッ〇も発熱機能を持っています。ヒートテッ〇にはレーヨンが使われていますが、レーヨンも吸湿発熱反応を起こします。またレーヨンとともに編み込まれたアクリル繊維は、繊維と繊維の間に微細なすき間があり、空気が入り込む構造になってます。ヒートテッ〇は下着と同じような薄さながら、セーターと同様の構造と機能を持つため、暖かいのです。
また最近は光電子素材という新素材が使われた防寒下着も販売されています。繊維の中にセラミックが埋め込まれ、体の発する遠赤外線を反射して外に逃がしません。アルミホイルで体を包むようなものですね。
吸湿発熱繊維は、湿気がないと暖かくならないため、暖かくなるまでには着てしばらく時間が必要ですが、光量子素材は着てすぐに暖かい特性があります。ただし現在はまだ価格は少々高いのがネックです。
薄くても暖かい新素材は次々に発明されています。上手に取り入れて、おしゃれで暖かい冬を過ごしましょう。
ゆーまん博士のワンポイント
●モコモコの理由は空気の層を作り、熱を逃がさないため
●湿気で発熱する繊維を使えば、薄くても暖かい服ができる
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構成・文/川口友万 漫画/まめこ
参考:ウール博士のウールブログ https://wool-blog.com/wool/20220402/