人の話を「聞く」小学生になるメソッドは?【隂山英男の「家で伸ばす! 子どもの学力】

陰山先生3

「百ます計算」などの「隂山メソッド」が多くの学校・家庭で成果をあげている隂山英男先生が、子どもの学力を家で伸ばす方法について教えてくださるコーナーです。今回のテーマは、「聞く能力」の育みかたについてです。

 

人の話を聞けるかどうかは、態度ではなく能力の問題

今月は子供の「人の話を聞く能力」についてお話ししましょう。言い替えれば、相手の話を理解する能力ということです。

「聞く能力」については、一般的に子供の態度の問題だと捉えられがちです。「先生の話をきちんと聞いていないから、宿題を忘れるのよ」「お母さんの話をちゃんと聞いていないから、何度も同じことで叱られるのよ」などと注意した経験がありませんか。

これらは「子供の聞く態度がなっていない」ことを問題視しているわけです。そして、こうした注意を何度重ねても「ああ、また話を聞いていない…」とうんざりすることになるのです。

しかし、一年生にとって「人の話を理解する」ことは、大人が思っている以上に難しいことなのです。読み聞かせや読書で「読む能力」を育んできたように、「聞く能力」もこつこつと鍛錬を重ねる必要があります。つまり、態度の問題ではなく能力の問題と捉えるべきなのです。

「聞く能力」を育むポイントは3つ

では「聞く能力」を家庭でどう育んでいけばいいのでしょうか?

たとえば子供に注意をするとき、いきなり話しかけるのではなく、まず「聞く姿勢」を整えさせるといいでしょう。「今から大切な話をひとつだけするよ」と指を1本立て、子供の目を見ながら伝えます。子供にも、指を1本立てさせます。ここで少し間をおいてから「いい? 話すよ」と告げれば、聞く準備はOK。「学校から帰ったらまず手を洗う。これは約束よ」と、おだやかな口調で告げます。

そして「お母さんが言ったことを、あなたも言ってみて」と告げ、指を1本立てたまま復唱させます。すらすら復唱できるまで、何度も「学校から帰ったらまず手を洗う。これは約束」と伝えましょう。復唱できたら、子どもの指をやさしく手で包み、にっこりほほえんで「約束だからね」と伝えて、ここでおしまい。注意は勉強時間と同様、短いほどいいのです。

翌日、帰宅後の手洗いを忘れても「あれ? きのうのお約束は?」と言うだけで、子どもは「あっ」と気づきます。やがて「帰ったら手洗いしなきゃ」という自覚が芽生えます。子供の「聞く能力」を育むには、このレベルから始めなくてはいけないということです。

ポイントは

(1)聞く姿勢を整えさせる

(2)話すことを整理して指で数えさせる

(3)復唱させる

の3点です。3か月続ければ、必ず「人の話が聞けるようになってきたな」と実感することができるでしょう。

 

記事監修

陰山英男|教育者

1958年兵庫県生まれ。1980年、岡山大学法学部卒業後、教職の道へ。百ます計算をはじめ、「読み書き計算」の徹底した反復学習と生活習慣の改善に取り組み、子ども達の学力を驚異的に向上させた。その指導法である「陰山メソッド」は、教育者、保護者から注目を集め、「陰山メソッド」を教材かした『徹底反復シリーズ』は、総計770万部の大ベストセラーとなっている。現在、YouTube『陰山英男公式チャンネル』で授業や講演を公開して注目を集めている。


編集協力/小倉宏一(ブックマーク)  撮影/奥田珠貴

(初出:『小学一年生』2014年7月号)

 

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隂山英男の家で伸ばす! 子どもの学力

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