ワキ毛や口元の毛をまったく気にせず無頓着な子にはどうしたらいい?
娘はムダ毛に対して無頓着で、脚やわきの下など、脱毛をしません。ひげもうっすら生えていて、私のほうが気になってしまう……。(中1、小4女子のママ)
最近、息子がムダ毛を気にするようになりました。男の子で脚の脱毛をするのは、私も夫も少し抵抗があるのですが、やらせたほうがいいのでしょうか? (小6男子ママ)
ムダ毛は本人が納得するようにすればOK! 親から処理方法を提案して
にじいろさん(以下、にじいろ) ムダ毛を処理するかしないかは、基本的には本人の自由なので、好きにさせてあげればいいと思います。昔は脱毛=女子というイメージがありましたが、今は性別を問わず脱毛をしていますよね。「男だから脱毛するのはおかしい」「女だから脱毛しなければならない」というイメージを持つ必要はありません。
しかし、脱毛に対して無関心だったとしても、わき毛や口元の毛などは周りの人が気になっていることがあります。
——陰口を言われているのでは? と不安になります。
にじいろ そうですよね。だからと言って「脱毛しないと変だよ」「みんな剃ってるんだからあなたもやりなさい」などと否定や強要はせずに、「お母さんはこんなの使っているけど、あなたもどう?」と提案してみるといいでしょう。子どもが特に興味を示さなければ、そのままでもいいと思います。
——わき毛は洋服によってお友達にも見えてしまうので、どうしても剃ってほしいと思うのですが……。
にじいろ 子どもは「毛が生えていることによって、どんなデメリットがあるのか」ということを理解できていないことがあります。脱毛のメリットについて、具体的に教えてあげるのがいいですね。
【子どもが聞き入れやすい伝え方】
◎脱毛の具体的なメリットやデメリットを教える
「脱毛するとこういう洋服も着やすいよ」
「口元に毛がないほうが、清潔感がアップするんじゃないかな」
◎客観的な可能性についてだけを伝える
「あなたは気にならないかもしれないけど、中には『わき毛が生えているのはちょっと……』と感じる人もいるよ」
◎脱毛することを命令ではなく提案(おすすめ)する
「お母さんは口元の毛が気になるから剃っているんだけど、あなたもやってみるのはどう?」
——なるほど。どのような方法で脱毛をするのがいいですか?

にじいろ いちばん手軽で試しやすいのは、T字やI字のカミソリを使う方法です。使い方や注意点を教えておくと安心ですね。他にも、除毛クリームや電気シェーバー、家庭用脱毛器などもありますが、子どもが使用できないこともあるので、確認したほうがいいですね。
どんな方法であっても、脱毛することで皮膚が乾燥したりトラブルを起こしたりすることがありますので、注意点を知っておくとよいでしょう。脱毛をすすめても「私はやらなくていい」という場合は、無理にやらせる必要はありません。
最近、子どもが臭い……。ダイレクトに伝えるとキレられます

娘からワキガのようなにおいがします。お友達も気になるのでは? と思い、注意しますが「そんなことない」と言って逆ギレされて話を聞いてもらえません。(中2女子、小3男子のママ)
汗なのか足なのか、とにかく息子が臭い! 本人が無頓着過ぎてヒヤヒヤします。でも、なんのにおいか分からないから、指摘しづらくて悩んでます。(小6男子のママ)
親だからこそ“におい”はマナーとして指摘してあげたい
にじいろ ホルモンの影響で小学校の高学年くらいから体臭が強くなってきて、子どものにおいが気になることがあると思います。スポーツをしていたり、暑い時期だったりすると足のにおいも強くなります。ムダ毛は処理するかしないかをある程度子どもに託していいとお話ししましたが、においはまた別の話。親が気づかせてあげたほうがよいでしょう。
——「におうよ」とストレートに伝えていいのでしょうか?
にじいろ 自分が言われて傷つく言い方はやめましょう。あとは、子ども自身は自分のにおいに気づいていなくても、周りが気づいていることもありますよね。そして、それを「イヤだ」と感じている子もいるかもしれません。気になるときは、以下のような伝え方で子どもと話をしてみましょう。
【子どもが聞き入れやすくなる伝え方】
◎自分のエピソードとして伝える
「お母さんはわきのにおいが気になるから、こういうのを使っているんだけどどうかな?」
「長時間靴を履いていると足が臭くなるから、このスプレーを使ったらよかったよ」
「中学生のときってにおいが気になっていたなぁ」
◎子どもが気づいていない場合の声かけ
「わきの下のにおいが少し気になるけど、自分では気づいていた?」
「自分のにおいって意外と気づかないものだよね。でも隣にいると気になるときがあるから、こういうグッズを使うのもいいんじゃないかな」
——「別にいい」などと取り合ってくれない場合は?

にじいろ そうは言っても、においを指摘されて気にしない子はほとんどいないと思うので、子どもの目につくところに対策グッズを置いて、気が向いたときに使えるようにしてあげるといいかもしれません。
においについては、周りの子が「臭くて困っている」という場合もあるので、親だからこそ言ってあげる必要があります。子どもも友達から言われるよりも親から言われたほうがマシだと思うので、根気強く伝えてあげるようにしましょう。
にじいろさんの「性の赤裸々相談室」の他の記事はこちら
お話を聞いたのは
元保健室の先生であるにじいろさんが性教育を行う対象は子どもだけではなく、保護者や教員など様々。現場の声と知識を活かして、多岐にわたる活動をしている。昨年出版した著書「10代の妊娠」(合同出版)では、10代の子どもの妊娠や出産、中絶など、リアルな性の悩みを紹介し話題となっている。
取材/本間綾

