食育が大事なのはわかるけど…「理想と現実のギャップにモヤモヤ」「子どもに手伝わせるか否か」子育て家庭の〝食〟のリアルを調査【HugKum総研】

毎日の食卓は、家族の健康と笑顔を支える大切な時間。HugKumがおこなった「料理」に関するアンケートでは、親子で一緒に料理をする実態や、忙しい日々に感じるモヤモヤ、そして食卓を整えるための工夫が数多く寄せられました。今回の記事では、さまざまな声から「親子で料理を楽しむ姿」や「理想と現実のギャップ」に迫ります。

【調査概要:調査期間/2025年6月25日~7月13日 調査対象/HugKumメルマガ会員 0歳~12歳のお子さんがいる577人】

親子で料理するのは「ときどき」が多い! 家庭ごとの頻度と実態

まずアンケートでは、親子で一緒に料理をする頻度について聞いてみました。もっとも多かったのは「ときどきする(月1~2回)」で約40%が選択していました。

調査対象:577人(複数回答、無回答含む)

次いで「ほとんどしないが、たまにはしたい」が25%、「よくする(週1回以上)」を選んだのはわずか11%でした。親子での料理が毎週の習慣になっているケースは少なく、「なかなか時間がとれない」といった家庭の事情もうかがえます。

親子での料理、お手伝いの内容は?

では、実際に料理の際にはどのようなお手伝いが多いのでしょうか。具体的な内容では、「包丁などで食材を切る、材料をまぜる」が182人でトップに挙がりました。

調査対象:577人(複数回答、無回答含む)

次いで「卵を割るなど、手伝いやすい作業だけ」が109人、また「安全面からまだ何もしてもらっていない」と選択した方も72人いました。料理を手伝ってもらう際の、保護者の不安感がうかがえる結果です。

一方、自由回答を見ると、「基本的にレシピを読んで準備をする作業はすべて任せている」「子どもが好きな一品を作らせている」といったように、年齢や性格に合わせて、ある程度本人に任せている家庭もありました。

「モヤモヤ」を感じるのはどんなとき?

ここからは質問の趣旨をかえて、料理や食事全般にまつわる「モヤモヤ」や「理想と現実のギャップ」を感じることがあるかをたずねてみました。

その結果は「忙しくて手間のかかる料理はムリ」と答えた人が224人ともっとも多く、日常の時間的な制約の大きさが際立ちました。

調査対象:577人(複数回答、無回答含む)

ほかにも「栄養バランスを考えるのが負担」と感じる人も199人、「インスタやレシピサイトのようにうまくできない」と答えた人も132人にのぼりました。「特に悩みはない」と答えた人は全体の約15%(87人)にとどまり、大半の家庭で食事づくりに何らかの悩みがあることがうかがえます。

料理への工夫——「栄養バランス」「時短テク」「声かけのコツ」

では、各家庭でどのような工夫が行われているのでしょうか。アンケートには、栄養をどう整えるか、限られた時間でどうやって用意するか、そして子どもとどう関わるかといった、家庭ごとのリアルな工夫が数多く寄せられました。

栄養バランス

・毎日の食事づくりでは、栄養バランスを考えながらも無理なく続けられるように、旬の食材を使って、簡単でおいしいメニューを心がけています。(新潟県/男性)

・肉や魚などのタンパク質は日替わり、副菜2品、漬物、汁物が定番です。(東京都/女性)

旬の食材をたくさん使うようにしています。(茨城県/女性)

時短のコツ

・とにかく時短でおいしいものを、レンジを駆使して頑張っています 。(兵庫県/女性)

・「冷凍しておけば、あとで解凍して食べられるもの」を作るようにする。(千葉県/女性)

ワンプレートにして洗いものを減らしている 。(鳥取県/女性)

声かけや、ふれあいの工夫

・ちょっと苦手な野菜を少しずつ食べてくれるように、とにかくほめています。(青森県/女性)

・子どもが料理作りに興味が出てきたので、焼きそばやグラタンなど、工程が簡単なものから一緒に作っています。(宮城県/女性)

・食事の時間は携帯電話やテレビを消し、その日あった出来事を話し合う大切な時間にしています。(北海道/男性)

 ・娘と食事を作る過程から一緒にかかわります。(宮城県/女性)

「無理なく続けたい」「家族みんなが笑顔で食卓を囲みたい」——そんな願いが感じられる声がならびました。忙しさや負担を抱えつつも、それぞれの家庭が工夫を重ねている姿には、同じ子育て世代ならきっと共感できる部分があるはずです。

「親子で料理」から生まれる苦労と喜び

料理を一緒にする中では、楽しいことばかりではなく、ちょっとした苦労やドキドキの瞬間もあるようです。それでも同時に、子どもの成長を感じられる喜びや、印象的なエピソードもたくさん寄せられました。

苦労した経験

・片付けまでやってくれると助かりますが、適当さ、雑さが目立ってしまって大変です。(大阪府/女性)
包丁の使い方を見守るだけでもヒヤヒヤ。口の出し方も難しいなぁと毎回思ってしまいます。(岐阜県/女性)
・そのときの気分やノリで手伝ってくれることはあるけど、中途半端で終わることが多いので、逆に負担が増えることもよくあります。(兵庫県/女性)

成長を感じる瞬間

・嫌いな野菜も、自分で調理をすると不思議なことに食べてくれます。(東京都/女性)
・どんどん手伝えることが増えて、成長を感じることができる。(神奈川県/女性)
・一緒に作るのは大変だけど、食材を覚え、この料理にはこんなものが入っているというのを教えられてとてもいいと思う。(千葉県/女性)
・初めて卵が上手に割れたときの、うれしそうな表情が印象的だった。(大阪府/女性)

日々の食事への想い

・親子でキッチンに立つ時間は、料理を通じてコミュニケーションが深まる大切なひとときだと感じています。(新潟県/男性)
・家族みんなで同じテーブルを囲んで、一緒に食べることを大切にしていて、その中で「おいしいね」「これは何かな?」と声をかけながら、食べることの楽しさ安心感を伝えられたらと思っています。(福岡県/男性)
・一緒に作る時間がコミュニケーションの宝物になり、食事がもっと特別で楽しい時間に感じられます。(広島県/女性)

キッチンから生まれる、親子のかけがえのない時間

アンケートからは、親子で料理を楽しむ時間を大切にしたい、温かな気持ちが浮かびあがりました。忙しい日々の中でも、レンジや作り置きなどを工夫しながら、家族のために食事づくりを続ける保護者の声が印象的です。

また、子どもたちがお手伝いに挑戦することで、成長や喜びにつながり、家族の思い出が自然と残ります。理想どおりにはいかなくても、こうしたひとときが、きっと子どもたちの未来の「食の楽しさ」につながっていくのかもしれませんね。

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構成・文/牧野 未衣菜

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