12人出産! YouTube登録者数60万人超えの助産師HISAKOさんと、令和のママたちの座談会レポ。高齢出産、子どもが食べない…悩みの声にどう答えた?

12人のお子さんのいる助産師HISAKOさんによるママさん座談会が都内で開催されました。ざっくばらんな語り口で、共感する人も多く、講演会では引っ張りだこの大人気のHISAKOさん。普段は数100人の観客の前で話をすることが多いとのことですが、なんと今回は、数人のママとメディア関係者だけのこじんまりとした座談会。あまりの近さに参加した筆者もびっくりな、アットホームな雰囲気で聞いたHISAKOさんの目から鱗の子育てアドバイスをご紹介します。

軽妙な夫婦の漫才!? から始まる楽しい座談会

都内の座談会に登壇した助産師のHISAKOさん(左)と夫のMARKさん。

今回の座談会はHISAKOさんの夫であり、株式会社ばぶばぶの代表のMARK(マーク)さんも参加。まずは、座談会の前に、夫婦での漫才のような掛け合いを披露してくれました。

はじめに、コミュニケーションが取れずケンカが絶えなかった頃のお二人の関係を演じてくれました。夫のMARKさんが、スマホを見ているときに、HISAKOさんが話しかけても上の空。HISAKOさんの相談に答えたつもりでも、次々に質問を畳み掛けられ、話もかみ合いません。

その後、うまく行き始めたときの様子を再現。すぐにMARKさんはスマホを置いて、うなずき、真剣に話を聞くモードになって、会話が通じるようになります。

男性と女性の思考の違いを受け入れるのが大切

座談会で夫婦のコミュニケーションについて話すHISAKOさん(左)とMARKさん。

女性が何かを相談するときは「目先の解決策よりも、共感を求めていることが多い」とのこと。しかしMARKさんいわく、「男性は問題を相談されると、すぐに解決策を考える。だが、女性に脈略もなくさまざまなことを相談されるとパニックになってしまい、黙ってしまう傾向にある」と話します。

話を聞いてもらいたいだけの女性と、ともかく理論的に問題を解決したい男性で話がかみ合わなくなってしまい、夫婦関係の悪化の原因に。

お互いの思考回路を理解しつつ、男性が「うん、うん」とうなずき、聞いてくれるだけでも女性は気が落ち着く…など、「子育ての問題解決には、夫婦間の関係が大切」と話してくれました。

目から鱗の座談会の質問タイム!

楽しい漫才で会場の雰囲気がほぐれたところで、参加者が事前に送った質問に答える形で、座談会が始まりました。事前質問だけではなく、その場でさまざまな質問にも軽快に答えるHISAKOさん。その姿に、普段なら聞きづらい質問も気軽に聞くことができ、HISAKOマジックを感じました。

座談会で参加者からの質問に答えるHISAKOさん(左)とMARKさん。

Q. 30代後半の高齢出産、子育ては大変でしょうか?

HISAKOさんは、35歳以降で4人のお子さんを産んでいます。12番目のお子さんを産んだのは、なんと46歳のとき! 確かに、40歳を超えるとさまざまなリスクは増えるので、出産は早い方に越したことはないと前置きをした上で、30代後半であれば、年齢というよりも夫婦関係や自分の健康状態次第になるとHISAKOさんは話してくれました。

「健康できちんと体に向き合っていれば、30代は年齢を理由に子どもを持たないという選択肢は考えなくてよいと思う。人生経験を積んでいて、精神的にも安定しているから。むしろ、30代後半での出産を応援したい。第2子頑張って」と質問者にエールを送ってくれました。

Q. 来年小学生の娘が落ち着かない。食事に1時間以上かかりイライラする。どうすれば?

この質問には、HISAKOさんは、小学校低学年ぐらいまでの集中力は、「年齢プラス1分程度」しか持たないと認識するとよいと話してくれました。3年生くらいになれば落ち着いてくるので、低学年で心配することはないとのことでした。

筆者の家も食事の時間がドタバタで、イライラすることも多々あります。ですが、子どもは好きなことであれば比較的集中できるので、HISAKOさんの言うとおり、あまり心配せず長い目で見守っていければと思いました。

Q. 朝食を食べてくれない。野菜を食べない!

「今日はブラックサンダーしか食べないで保育園行きましたが大丈夫でしょうか?」という筆者の質問に、「大丈夫! 私も『手、出して』って言って、5本指にとんがりコーンかぶせて保育園に送り出したから!」とガハハっと軽快に笑って答えていただきました。

HISAKOさんも、偏食や小食の子どもの朝食に悩んだことがあったそうです。1年生くらいだと朝食は食べられない子も割といるそうで、朝にお菓子でも菓子パンでもよいので、せめて、エネルギーだけでも補充して、給食までもてば御の字とのこと。

この一言で、肩の荷が下りたと感じた参加者も多かったと思います。

ちなみに、筆者の娘は低学年のとき、朝食をほとんど食べませんでした。それがある日、学校で朝食の大切さを教わってきて、「お菓子ではなくちゃんと作って」と言い、今ではおにぎりや卵、温野菜など、しっかり食べるようになりました。一方、下の子は「じゃがりこを食べたから今日は野菜食べた」と言い張ります。まだ道のりは長いようです…。

HISAKOさんからの令和の子育て世代にメッセージ

最後に参加者の方にハグとエールを送るHISAKOさん。

20年以上の助産師の経験から、HISAKOさんが痛感するのは、令和のママはとにかく頑張り過ぎとのこと。昔と比べれば、男女差別も少なくなり、制度も整い、テクノロジーも進化し、家事の苦労も減ったはずなのに、なぜか楽にならない母親業。

令和のママは上手に力を抜くことができず、苦しんでいる人が多い。それは、これまでになかったSNSの影響が大きいとのこと。大量の情報に翻弄され、精神的なダメージが多く、うつに悩むママが急増しているとHISAKOさんは感じているそうです。

SNSの情報に惑わされず、正しい情報にアクセスし、上手に力を抜いた子育てができるよう、子育て世代の方をサポートしていきたいと話してくれました。

自身のプロデュースする商品を手に、ポーズをとるHISAKOさん(左)とMARKさん。

プロフィール

HISAKOさん 助産師

1974年生まれ。看護師・助産師資格取得後、総合病院、産婦人科クリニック勤務を経て2006年「助産院ばぶばぶ」開設。同院での母乳育児支援・育児相談を中心に、大阪市育児支援訪問・妊婦教室を15年にわたり担当。
政府や自治体依頼による講演活動や、全国の保育園・幼稚園・小中高校で「いのちの授業(性教育授業)」を展開。

毎日更新のブログは1日10万人以上のママが愛読。プライベートでは1998年から2016年の間に11児を出産。
2020年春、沖縄うるま市に移転。同年秋、12人目を出産。YouTube『12人産んだ 助産師HISAKOの子育てチャンネル』を配信中。


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取材・撮影/ Rina Ota

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