茶碗に口をつけて食べる息子。どう直していけばいい? はしの正しい使い方や食事マナーの指導法を専門医が回答

学習雑誌『小学一年生』(小学館発行)では、日常の子育てや発達・健康上の心配など、読者のママ・パパのお悩みを募集しています。今回は、食事のNGマナーがクセづいてしまったお子さんについてのお悩みです。そんな時の対応を日本小児科医会「子どもの心相談医」川上一恵先生にアドバイスしてもらいました。

Q:茶碗に口をつけ、はしでかき込んで食べるくせが直りません。どのように指導すればよいでしょう。

息子は幼児期に、茶碗に口をつけて、はしでごはんをかき込むような食べ方をしていました。はしを使い始めたばかりだったので、特に注意はしませんでした。ところが、その食べ方が定着してしまい、小学生になった今もかき込んで食べています。食事のたびに注意していますが、なかなか直りません。

どのように指導すればよいでしょうか。このような食べ方は、消化にも悪いのではないかと心配です。 (F・I さん)

A:はしを正しく持てていますか? 食卓で使い方の練習をしましょう。

食器に口をつけてかき込むような食べ方でも、モグモグと口を動かして、しっかりと咀嚼できていれば、健康面での問題はありません。ただ、このような食べ方は、日本の食事のマナーとしてはNG です。

「かき込むようにして食べるのは、お行儀が悪い食べ方だから、してはいけないよ」と、まずはお子さんにはっきりと伝えましょう。

とはいえ、はしを上手に使えないと、食べ物をはしでつまんで口に運ぶのは難しくなりますね。お茶碗に少しだけ残ったごはん粒を寄せ集めて、かき込んでしまうことになるのだと思います。

ご相談の文面では触れられていないので断定できませんが、かき込んでしまう理由がはしの持ち方にあるとしたら、正しく使えるように練習させることが有効ではないかと思います。

はしの練習といえば、大豆などを一粒ずつはしでつまむ動作を思い浮かべるでしょう。けれども、豆は小さいうえに表面がツルツルしているため、はしでつまむのは、子どもには難しいものです。

そこでおすすめしたいのは、さつまいもやじゃがいもなどの煮物です。いもの煮物はすべりにくくつかみやすいので、はしの練習にはうってつけです。さらに、はしで持ちやすいように、具材を1cm大の角形にカットしてから食卓に出すのがポイントです。

お子さんがはしでつかめたら、「すごい! 上手につかめたね」とほめましょう。はしを上手に使えるようになれば、おのずと茶碗に口をつけてかき込むこともなくなっていくでしょう。

ただ、練習してもすぐに上達するとは限りません。親御さんが注意や小言を言いたくなることもあるでしょう。でも、食事は家族で楽しく過ごしたい時間です。小言はグッとこらえて「はしでおかずを持ち上げて口に運ぶと、もっとおいしく食べられるよ」など、ポジティブな言葉で伝えられるといいですね。

汁気の多い料理や、豆腐など柔らかい食材は、はしを使って食べにくいことも。その場合は、スプーンやフォークを使っても構いません。状況に応じてお子さんが選べるように、食卓にあらかじめ準備しておくのもいいですね。マナーを守って食べることを目的にするのであれば、それでいいのかなと思います。スプーンやはしを上手に使い分けながら、最終的には、はしで上手に食べられることをめざしましょう。

【進級おめでとう!川上先生からのメッセージ】「手は出さず、目は離さない」ように心がけましょう。

この時期の子どもは、健康面で心配なことはほぼありません。また、自分のことはひと通りできるようになっているので「もう大丈夫」と思いがちです。けれども、目だけはまだまだ離さないことが重要です。子どもが困っていたら、さりげなく助け舟を出せるようにしておく。小さな失敗は、親の目が届くうちにさせておくのも、自立を促すうえでとても大切です。あとは十分な睡眠と規則正しい生活を心がけ、お子さんが関心のあることに、どんどん挑戦できるようにしておきましょう。

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私がお答えしました

川上一恵先生 かずえキッズクリニック院長・ 医学博士

診療の傍ら、地域の小学校、幼稚園、保育園の校医、園医も務める。日本小児科学会認定専門医。日本小児科医会「子どもの心相談医」。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心がけています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

『小学一年生』2026年2-3月号別冊『HugKum』
イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子

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