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カカオ豆はどうやって板チョコになる?
チョコレートの原料が、カカオの木の実の中にある「カカオ豆」であることは、知っている方も多いと思います。では、カカオ豆はどうやってチョコレートになるのでしょう? この本では写真つきで詳しく説明されています。


日頃から親しみのある板チョコは、こうして作られているんだ! と大人もおもしろく読み込めます。さらに、「チョコレートの種類」や「おいしさの秘密」なども知ることができます。
カカオと人類の奇跡的な出会いから始まる壮大な物語
第4章では、チョコレートの原料であるカカオが約1000万年前に熱帯雨林で誕生し、氷河期を生き延びた壮大な歴史も紹介されています。

カカオはおよそ1000万年前に熱帯雨林で誕生しました。地球には氷河期が何度もあり、そのたびに寒さなどでいろいろな生き物や植物が絶滅しました。約7万年前の地球最後の氷河期には、熱帯雨林が消失して、たくさんのカカオが死にました。しかし南米のアマゾン川流域では、高いアンデス山脈が壁のような役割をしたおかげで寒さが届かず、熱帯雨林が保たれてカカオは数万年の間、ここで生き残りました。(76ページ)
人類とカカオの出会いも奇跡的でした。アフリカで誕生した人類がベーリング海峡を渡り、約1万2000年から1万5000年前に中南米に到着したとき、そこで氷河期を生き延びたカカオと出会ったのです。

飲み物から食べ物へ変わったチョコレートの歴史
昔の人々は、カカオを「飲み物」として楽しんでいました。
昔のメソアメリカの人たちは、カカオを飲み物にしていました。それは、カカオ豆を炒ったものとゆでたとうもろこしをメタテとマノという石器を使ってすりつぶし、がやとうがらしを加えたものでした。(77ページ)
現代のような食べられるチョコレートが誕生したのは19世紀のことです。

1847年にイギリスの菓子職人ジョセフ・フライは、カカオマスにさらにココアバターを混ぜることで、たくさんの砂糖の粒を包むことができることができ、冷やして固めると口どけのいいチョコレートになることを発見しました。こうして、これまで飲むことしかできなかったチョコレートは、甘くて口どけのいい、食べられるチョコレート=「イーティングチョコレート」になったのです。(103ページ)
チョコレートと健康の意外な関係
ちなみに、チョコレートは単なるおいしいお菓子ではありません。健康への良い影響も科学的に証明されているんです! その秘密は、カカオの中にある“カカオポリフェノール”という成分です。
血管がボロボロになると、血の流れが悪くなったり、つまったりして、体によくないことがどんどん起こります。血管がボロボロになる原因は「活性酸素」です。カカオポリフェノールには、こうした活性酸素の悪い働きを止める「抗酸化作用」という働きがあるのです。

家庭でもできる! カカオ豆からチョコレート作り
この本では、実際にカカオ豆からチョコレートを作る方法も紹介されています。カカオ豆と砂糖だけを使った素朴なチョコレートです。作り方のポイントも丁寧に解説されています。

実験みたいで楽しそう! 火を使うので、ぜひ親子で挑戦してみてくださいね。
子どもの好奇心を育てる食育の入り口に
チョコレートを通じて、歴史、科学、健康、料理など多岐にわたる知識が身につきます。甘いお菓子の向こう側にある深い世界を知ることで、子どもたちの好奇心は大きく広がるでしょう。もちろん、チョコレート好きの大人が読んでも、とても楽しめます。

まずは『ドラえもん』のまんがから読むのでもOK! 子どもの「食」に関する好奇心を育むきっかけになる1冊です。
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この本は、ドラえもんのまんがを楽しみながら、チョコレートのひみつを学べる本です。人類がチョコレートの原料であるカカオと出会ってから1万5000年以上。古代から人々はカカオを「神様の食べ物」と呼び、大切にしてきました。そして、長い時間をかけて、カカオ豆から今、私たちが食べているようなおいしいチョコレートが作られるようになりました。
この本を読むと、原料のカカオの不思議から、カカオと人類の歴史、長い間「飲みもの」だったチョコレートが今のような「食べるチョコレート」へと進化した知恵と技術、おいしいチョコレートづくりに欠かせないサイエンスの視点など、そのおいしさのひみつをたっぷり知ることができます。知れば知るほどおいしく感じて、もっとチョコレートが好きになる一冊です。
文・構成/HugKum編集部