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ロングセラー “袋のラップ”「アイラップ」とは?
「アイラップ」が誕生したのは1976年です。日本で初めての箱に入った家庭用ポリ袋として、「袋のラップ」をコンセプトに発売されました。

「発売当時、ポリ袋は家庭用品としてまだ一般的ではなく、見かけるのは八百屋さんの軒先に吊るされたもの、といった時代です。ティッシュのように箱から取り出せて、食品の保存や湯せんでの加熱に使えるようにと考えられました。
マチ付きなことや、約120度〜-30度まで耐熱・耐冷すること、取り出しやすいようにと考案された三角形の箱など、その姿も機能性も当時から変わらないんですよ」(『岩谷マテリアル』坂本 英明さん)

坂本さんによると、一時は安価な類似品に押されて売り上げが低迷したものの、「アイラップ」を支持する山形県のスーパーと、そこを拠点にする営業担当の努力が実り、日本海エリアで普及。今や山形県と新潟県などの日本海側では、ポリ袋=「アイラップ」と認知されることもあるほど親しまれているそうです。
そして2018年からはSNSアカウントも開設。利便性に火がつき、売り上げはなんと約5倍に! 現在では関連商品も含め、「アイラップ」は毎日の料理や家事をラクにしてくれると、多くの家庭で愛されています。

湯せんや電子レンジ加熱には耐熱皿が必要! 「アイラップ」の正しい使い方
ロングセラーの「アイラップ」ですが、実は正しい使い方を知らないという方もいらっしゃるかもしれません。基本的には箱に記載してあることが全てですが、改めて教えていただきました。

(1)湯せんをするときは「耐熱皿」をしく
「アイラップ」は耐熱温度が約120度のため、安心して湯せんできます。ただし火元に触れている鍋底は耐熱温度を超えるため、耐熱皿をしき、鍋底に触れないようにします。
「耐熱皿がない場合は、金ざるやアルミホイル、ふきんでも代用できます。要は、袋が鍋底に触れなければ大丈夫です」
(2)湯せんをするときは「袋の中の空気を抜いて口を縛る」
使ったことがある方の中には、袋が浮いてしまってうまく加熱できないという経験をお持ちの方もいるかもしれませんね。
「湯せんするときは、袋の中の空気をできるだけ抜いて、上の方で口を縛ってください。空気が入ったままだと袋が浮いてしまい、湯に浸からずうまく加熱できないのです。加熱ムラの原因も、袋に空気が入っているせいかもしれません」
(3)電子レンジで加熱する場合は「密閉しない」
「アイラップ」は電子レンジでも使えますが、絶対に口を結ばずに加熱します。
「口を結んでいると、加熱したときに中の蒸気で膨らみ、破裂する危険性があります。蒸気が逃げるよう、『アイラップ』の口はたたむか、ねじり、結ばないようにしましょう」
(4)電子レンジでの加熱も「耐熱皿」をしく
電子レンジで加熱する場合も、耐熱皿をしきます。
「加熱すると袋が熱くなり、取り出すときにやけどをしたり、加熱により袋が破れて中身が漏れたりする場合があります。耐熱皿をしくことで、やけどや庫内が汚れることを予防できます」
(5)電子レンジで加熱する場合は「油分を含む食品」を入れない
油や油分は加熱すると「アイラップ」の耐熱温度を越え、「アイラップ」が溶けてしまいます。
「油はもちろん、お肉、お魚、チョコレート、カレーなど、油分の含まれた食品を入れて電子レンジで加熱しないでください。油分の含まれた食品を温め直すのなら湯せんしましょう」
(6)「二次利用」は避ける
調理や食材の保存に使った「アイラップ」を再利用することは、衛生上控えましょう。
「もったいないというお気持ちは分かりますが、二次利用で体調を崩すなどといったことが起こるほうが危険です。おすすめは、調理や食材の保存に使ったものはごみ入れに活用すること。『アイラップ』は燃やしても二酸化炭素と水しか発生せず、有害なガスも出ません。もえるごみで一緒に捨ててください」
【レシピ】もしものときに役立つ「アイラップ」炊飯
「『アイラップ』は“ポリ袋で料理をする”という概念がない時代から変わらないので、基本的に調理は想定していないんですよ。SNSで個人のユーザーさんが発信してくださっている料理の中には、使い方によっては爆発するなどといった危険性も……。ただし問題なく活用できる方法だった場合は『アイラップ』のSNSでもシェアしているので、見ていただけるとうれしいです」
一方で、メーカーとして唯一、公認しているのは炊飯です。
「日本赤十字社なども実践している方法で、もしものときにも温かいごはんが食べられます。お米の種類によっては微妙に水分量や炊きあがりまでの時間が異なるので、おうちで試してみてください」
準備するもの
材料:
米 1合(180ml)
水 1.2合(210〜220ml)
道具:
アイラップ 1袋
鍋(ふた付き) 1つ
鍋底にしく耐熱皿 1枚
「お米と水は、1:1.2と覚えておきましょう。耐熱皿は、金ざる、アルミホイル、ふきんなどで代用してもOKです。このほか防災対策に、紙コップ(200ml)、カセットコンロ、カセットガスも備えて、使い慣れておくと安心です」

炊き方
①袋に米と水を入れる。

②袋の中の空気をできるだけ抜き、上の方で口を結ぶ。そのまま20分置き、浸水させる。


③鍋に耐熱皿をしき、水を入れ、湯を沸かした後で②を入れる。水の量は、米全体が浸かるようにする(鍋の7分目程度)。

④鍋のふたをして炊く。沸騰したら、湯がぽこぽこ沸いている状態で25分ほど加熱する。

⑤25分経ったら火を止め、鍋から袋を取り出し、そのまま10分ほど蒸らす。

⑥ごはんをほぐしたら出来上がり。


炊き上がりまでにかかった時間はおよそ1時間。火元から目を離さない、タイマーをセットするなどといった手間はかかりますが、時間としては炊飯器で炊いているときと変わりません。
しかし肝心なのはお味!
まずはそのままで。ぬかのにおいが気になるか?と言われたら、筆者の場合はそんなことはありませんでした。炊き上がりにムラもなく、お米の芯もありません。うんうん、いい感じでは?

湯せん調理や温めなくても食べられるレトルトカレーをかけたら立派な一品に。これはマスターしておくべき防災対策だと感じました。

料理だけじゃない! 子育て世代に便利な「もっと活用」アイデア
「アイラップ」に使われている素材は、高密度ポリエチレンという丈夫なもの。水分やにおいが漏れたりしづらいので、料理はもちろん日常のさまざまなシーンに役立ちます。
とくに子育て世代におすすめのアイデアはこちら!
料理の下ごしらえや、離乳食のストックに
野菜をゆでる・潰す、お肉やお魚に下味をつけるなどといった料理の下ごしらえは、「アイラップ」にお任せあれ。ボウルや菜箸がいらないので洗い物が出ず、湯せんや電子レンジ調理、口を結んでそのまま冷蔵・冷凍保存もできます。
「この方法を活用して、離乳食に役立てている方もいらっしゃいますよ」
わが子は7歳と、離乳食からは卒業した筆者ですが、やってみたらとっても簡単! 方法は、野菜を加熱し終わったら、そのまま袋の上から揉むように潰します。そして袋の中で薄く伸ばし、使いやすい分量に小分けして冷凍するというもの。今回は菜箸で筋をつけ、凍ったらほしい分だけパキッと割れるようにしてみました。

驚いたのは、レンジアップしたかぼちゃがしっとりとしていて、ほくほく! 加熱ムラもなかったこと。また、潰すのも手で揉むだけなので、子どものお手伝いにもよさそうです。
このまま冷凍ストックしておけば、離乳食はもちろん、スープやサラダなどにアレンジできるので便利ですね。
洗い物が少なくて済む「ポテトサラダ」
お子さんも大人も大好き! ちょっとした一品として、あると助かるポテトサラダは、野菜の下ごしらえの延長で作れます。しかも、「アイラップ」を使えば洗い物が少ないのです。
「切ったじゃがいもを袋に入れ、口を閉じずに電子レンジで加熱して、袋の中で揉むように潰して調味料を加えればできあがりです」
筆者もさっそくトライしてみました。加熱時間が短くてすむよう、洗ったじゃがいもはひと口サイズにカット。加熱した時間は600Wで3分ですが、電子レンジによって加熱時間は様子を見てください。また、電子レンジから取り出した袋はあつあつなので、ふきんなどで包みながら潰すとやけど防止になりますよ。

筆者だけでしょうか? ポテトサラダって、少量作るのがどうも面倒で、多めに作ったら食べないぶんはタッパーなどに保存していました。しかし「アイラップ」を使えば調理も保存も「アイラップ」にお任せ。袋だから冷蔵庫で保存スペースを取らないというメリットもありました。
しっとり「卵サラダ」も
ポテトサラダの要領で、「卵サラダ」も作ることができます。美味しく作るコツは2つ。一つは、割り入れた卵に爪楊枝などで穴を数個開けてからレンジアップすること。もう一つは、なるべく低出力で加熱することです。
「電子レンジによりますが、200Wなどの低出力で加熱すると、ボソボソ感や水っぽさがなくなると思います」

濡れたものや汚れもの入れ
ごみ、おむつ、汚れ物、食べかけのおやつに使いかけの粘土入れ、拾ったどんぐり入れなど……。子育て中は、何かと「ビニール袋」が登場する機会は多いですよね。
「『アイラップ』は食品用というイメージが強いですが、丈夫でにおいも水分もモレづらいので、いわゆる“ビニール袋”としてもどんどんご活用いただけたらうれしいです。1枚数円なのでコスパもいいですよ」
子どもとの暮らしがぐーんと楽しくなる!
決して大袈裟ではなく、「アイラップ」は使いこなせばぐーんと生活がラクになるアイテム。そして、子どもとの暮らしが楽しくなるアイテムです。『アイラップ』のSNSには、このほかにも防災に役立つヒントや、お子さんと一緒に楽しめそうなレシピなども載っています。
全国のスーパーやホームセンターなどで手に入るので、気になった方はどうぞチェックしてみてくださいね。

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この記事を書いたのは
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。
取材・写真/ニイミユカ
