妻の死から2年後、シングルファーザーにできた恋人。当時5歳だった娘はどう思っていた? 今、父に語る意外な本音とは

HugKumの好評連載【シングルファーザー奮闘記】のライターが紡ぐ、父と子のひだまり日常エッセイ。今回はシングルファーザーである筆者の恋愛について、娘はどう感じていたのか、対談形式で綴ります。
(執筆/ひまわりひであき)

娘が3歳のときに妻が癌で他界。突然のことで、戸惑いと不安で先が見えない毎日でしたが、多くの方が支えてくれたおかげで、娘は順調に成長することができました。ここまで僕たち家族に関わってくれた、すべての方々に心から感謝しています。

その中でも、僕の恋愛を通じて娘に関わってくれた女性たちの存在は、笑顔の多い現在の娘へ成長するうえで、欠かせないものだったと思います。今回は、そんな娘へインタビューをしながら、当時どんな気持ちでいたのか、本音を聞いてみました。

「親の恋愛を、子どもはどう感じているのだろう?」

きっと、同じようなことを考えたことのある方もたくさんいらっしゃると思います。ぜひ最後までお楽しみください。

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「お母さんや兄弟ができたみたいでうれしかった」

筆者:パパに彼女がいるって、初めて知ったときのこと、覚えてる?

娘:うん。Tちゃん!

筆者:そうだね。そのとき何歳くらいのときだったっけ?

娘:5歳くらいかな。

筆者:そうだよね。そのとき、どんな気持ちだったか覚えてる?

娘:うれしかった。

筆者:え、うれしかったんだ。なんでうれしかった?

娘:それは…仲良くなってからの話もあるけど、ママが生きているときに、ママと出かけたりとか、髪の毛のセットをしてもらったりとか、そういう思い出があんまりなかったし…だから、お母さんができたみたいでうれしかった。あと、Tちゃんはシングルマザーで私より年下の男の子、Oくんがいたし、兄弟ができたみたいでうれしかった。

筆者:パパと2人でいることが多かった時間に、他の人が入ってきて、不安とかなかった?

娘:それは全くなかったよ。

筆者:パパを取られるかもしれないとか、警戒しなかった?

娘:思ったことない。Tちゃんに限らず、思ったことはないよ。パパが連れてくる人は、みんな大丈夫で安心だった。

筆者:TちゃんにはOくんもいたから、自分が主役じゃなくなるかも…とか考えなかった?

娘:そこまで考えたことはなかったかな。特にTちゃんとOくんとは、一緒に住むようにもなって、これから“みんなで1つの家族になる”みたいな感じだったし。

別れの寂しさと、新しい出会い

娘:だから、パパたちが別れてTちゃんたちが家からいなくなったときは本当に寂しかった。理由も分からなかったし…学校帰りに、Tちゃんと同じ車見かけたら、うちに帰ってきたのかもと思って追いかけていっていたし、その頃はその車種の車をよく探してた(笑)。

筆者:それは辛かったよね。パパが不甲斐ないばかりで、本当にごめんね…。

※その恋愛に関しての記事はこちら>>からご覧ください。

娘:その後に、パパの新しい彼女のKちゃんと一緒に遊ぶようになったけど、Kちゃんは子どもがいないし、はじめのうちはKちゃんがパパの友達なのか、彼女なのかよく分からなかった。パパの彼女は子どもがいる人がなるものだと思っていたのかな…(笑)。だから、私が大きくなってから、パパに「Kちゃんとは、付き合っているの?」って聞いたよね。

筆者:あ、それ覚えてる。結構かしこまった表情で聞いてきたから、照れながら「そうだよ」って答えたの…(笑)。

娘:しかもKちゃんは物静かに見えたし、Tちゃんと違って子どもと遊んでいるところを見たことがなかったから、最初どう接したらいいか分からなかった。遊びに誘ってもいいのかとか、ちょっと考えたなぁ…。

でもパパが、「遊びたかったら遠慮せずに声かけてみるといいよ」って言ってくれて、そこから気にせずに遊んだり、話せたりするようになった。

筆者:どんな遊びしていたか覚えてる?

娘:シルバニア・ファミリーで遊んだり、変なダンス見せたりとか(笑)。

「お母さん」って呼ぶべきか、いつも迷った…

筆者:今でも笑える思い出があるっていいね。逆になんか嫌だったことはある?

娘:嫌だったというより、いつも困ったのが、パパの彼女と一緒にいるところを友達が見かけて、「あの人、誰?」って質問がきたとき。「お母さん」って言うのも変やし、なんて言えばいいか分からんかったなぁ。いろいろ考えるのが面倒くさくて「お母さん」って言ったこともあるし、Oくんのことは弟って言ったこともあった…(笑)。正直、いつもメチャクチャ困った。

筆者:そっか。いろいろと苦労かけましたね…(笑)。

娘:でも、うれしい思い出の方が断然多いよ。髪の毛をセットしてもらえたり、服を選んでもらえたりなんかのおしゃれに関してはもちろんだし、銭湯でパパとは入れない女湯に入れたし。料理もうれしかったな。特にバレンタインチョコを一緒に作ってもらえたのは。あと、パパにできない話をたくさん聞いてもらえた。

筆者:なにその話って?

娘:恋バナとか(笑)。

筆者:そうなんだ…(笑)。そういえば初めての生理がきたときも、あなたはパパじゃなくKに連絡して助けてもらったね。

※そのときのエピソード記事はこちら>>からご覧ください。

「笑っとった方がいいことがいっぱいある」

筆者:そんなお世話になった彼女たちに、もっとこうしてほしかったなって思うことはある?

娘:ある。TちゃんもKちゃんも、優しいからだろうと思うけど、私がダメなところを、もっとダメって言ってほしかったかな。お母さんって思っていたからさ。

筆者:そっか。もし、彼女たちと過ごした時間がなかったら、今の自分は違うと思う?

娘:思う。絶対違う! もし、その時間がなかったら、もっと男の子っぽくなっているはず。彼女たちと関われたから、おしゃれとか、女子ならではのことに気を遣うようになった。もし彼女たちがいなかったら、メチャクチャやんちゃな女子になっていたと思う(笑)。それはそれでいいけどね。

TちゃんやKちゃんは、本当にすごいなって思う

娘:あと、今もずっと思っていることを言ってもいい?

筆者:もちろん。なに?

娘:なんで、TちゃんやKちゃんって、私にここまで優しくしてくれたのだろうって思う。だって、自分の子どもじゃないのに。しかも、パパにはママとの思い出がずっとあるし。それでもパパと一緒にいられて、私にも優しくできるって、本当にすごいなって思う。

私は、自分が恋愛するようになって分かったけど、過去とか本当に気にするタイプだから、もし自分が彼女たちの立場だったら、絶対無理かなって…だから本当にすごいなって思う。

筆者:そっか。今日はこれまであまり聞いたことのなかった話ができて楽しかった。最後に、A(娘)と同じようにシングルマザー/ファーザーの家庭の子どもへ、ひとこと声かけるとしたら、どんなことを伝えたい?

娘:とにかく、今現在を存分に楽しんでね、って言う。寂しいことや辛いこともあるかもしれないけど、笑っとった方がいいことがいっぱいある。お母さん/お父さんがいないことで何か言われても、笑って流したらいい。

親が恋愛したときは、親の恋人と無理して仲良くしなくてもいいと思う。私はたまたまいい人たちがきてくれたから、仲良くなれただけ。自分が仲良くなりたいと思ったときにそうなればいいと思う。そしてなによりも、自分自身が笑顔で明るくいることを大事にしてほしい。

筆者:たしかに。笑顔で明るく育ってくれて、ありがとね。

娘:はい。こちらこそ。ありがとう! これからもよろしくです。

***

いかがだったでしょうか?

僕も初めて聞く話ばかりで楽しみながらのインタビューでしたが、娘がいろいろなことを考えながら、僕の恋愛に関わってくれていたことに、まずは感謝したいと思いました。特に彼女たちの優しさを、僕の想像以上に強く感じながら過ごしていたことに驚きましたし、本当にうれしかったです。

きっと娘は、僕の恋愛そのものを見ていたというより、「自分が大切にされているか?」をちゃんと感じ取っていたのでしょうね。そして同時に、娘に関わってくれた彼女たちは、改めて本当に素敵な人たちなのだと思いました。

「笑っとった方がいいことがいっぱいある」

そんな言葉を、照れることなく自然にしっかりと言える人に育ってくれたこと。そして、そんな娘になる過程で、優しく関わってくれた彼女たちに心から「ありがとう」を言いたいです。

ワンオペのシングルマザー/ファーザーにとって恋愛は、時間的なハードルもありますし、子どもの反応が心配で、躊躇してしまうことも多いと思います。でもその一方で、人との温かい出会いや、誰かと笑い合える時間が、子どもの人生を豊かにしてくれることもあるのだと、娘へのインタビューを通して改めて感じました。

皆さんも機会がありましたら、ぜひお子さんにご自身の恋愛がどう見えていたかをインタビューしてみてくださいね。きっと何かよい気づきがあると思います。

僕自身も今回のインタビューで娘が言った「笑っとった方がいいことがいっぱいある」という言葉を大切にして、毎日過ごしていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。すべての親子が笑顔でありますように。

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文・構成/ひまわりひであき

※写真はイメージです。                                                            

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