子供も水虫になります!
日本の水虫患者は約2500万人、つまり5人に1人は水虫患者と言われています。おじさんの病気というイメージの強い水虫ですが、最近では若い男性・女性にも、水虫患者が増えてきています。条件がそろえば、大人だけでなく子供にも起こる可能性があります
水虫とは?
水虫とは、白癬菌という真菌(カビ)が原因で起こる皮膚感染症のことを言います。白癬菌は高温多湿の環境になると活動が活発になり、症状を悪化させます。
子供の水虫の特徴・見分け方
子供の水虫も、大人の水虫同様に、足の指の間の皮がむけたり、白くふやけジュクジュクします。水虫はかゆみを伴うことが多いため、子供の場合は掻いてしまい、傷になることも多いです。また、小さな水ぶくれ(水疱)ができるので、手足口病など水疱の見られる病気と見間違えるパパママもいるようです。
プールや銭湯に注意!子供の水虫の原因と予防法
子供の水虫になってしまう原因は何でしょうか。また、どのように感染しないためには、予防すればよいのでしょうか。
水虫の原因は白癬菌
水虫は、白癬菌が皮膚の角質層に寄生することで起こる皮膚の病気です。白癬菌は、ヒトの髪や爪、角質、動物の毛や鱗などに含まれるケラチンというタンパク質を好んで栄養源とするカビです。白癬菌にとって好ましい“高温多湿”という環境が整った時に、菌が増殖をし始め、水疱ができるなど、水虫の症状が現れます。
水虫がうつる場所・感染経路
菌が付着しただけで、すぐに水虫になるわけではありません。感染するのは、洗い流されずに残った菌が、傷ついた角質から入り込み、なおかつ高温多湿など繁殖しやすい環境にあった場合です。
白癬菌はいろいろな場所にいますが、不特定多数の人が使うプールや保育園、銭湯には必ずいると思ってよいでしょう。また、水虫は、家庭内での感染が多く見られます。水虫にかかった家族が家の中を歩き回ることによって、感染してしまう場合もありますので注意が必要です。
水虫の予防法
水虫は高温多湿な環境を好みます。一日中履いた靴の中のムレは、水虫のリスクもかなり高まります。水虫を予防するには、まず足をよく洗って清潔にすること。そして、乾燥させることが何よりの予防です。
子どもの水虫に関するママパパの体験談
HugKumでは、3~12歳のお子さんがいるママパパに子どもの水虫についてアンケート調査し、体験談を教えてもらいました。
子供の水虫の症状と出る箇所
子供の水虫は、どのような症状が出るのでしょうか。また、水虫の出やすい箇所はあるのでしょうか。
かゆい・かゆみ
水虫には、趾間型・小水疱型・角質増殖型の3種と、爪に感染するものもあります。
小水疱型は、大人同様に水疱ができ強いかゆみを感じることがあります。
痒くない
角質増殖型は、足の裏全体が硬くなり、ひび割れを起こしてしまいますが、かゆみはほとんどありません。かゆくないからと言って、放置せずに皮膚科を受診しましょう。
臭い
水虫そのものは臭いませんが、長時間靴を履くことで足がムレたりする水虫になりやすい状況では、足自体が臭いを発しやすくなります。
皮がむける
指の間の皮がふやけてジクジクしたり、皮がむける趾間型は、患部に雑菌が増殖してしまうと、強いニオイを発生させることがあります。
足や足裏だけではなく、手のひらや爪にも
水虫は足や足の裏だけに症状がみられるわけではありません。手のひらや爪にも水虫を見ることができます。特に爪は、厚い爪におおわれてぬり薬が効きにくいだけでなく、白癬菌が好む栄養が豊富にある場所なので、なかなか菌が消えません。
治る?完治する?子供の水虫の治療法・再発防止策
子供の水虫は、どうすれば治るのでしょうか。子供の水虫の治療法、再発防止策を紹介します。
外用薬による治療
水虫の治療には、外用薬を塗ることが多いです。クリームや軟膏、液剤などの種類があり、症状に合わせて使い分けます。
軟膏は刺激が少ないので、びらん(ただれ)やジュクジュクした状態でも用いられています。かかとがカサカサになるなどの症状が出る乾燥性の水虫には、一般的にクリームが使用されますが、液剤を処方される場合もあります。
内服薬による治療
外用薬が深部まで届きにくい爪の水虫の場合には、内服薬が使用され、体の内部から治療をします。
再発防止策
水虫は、治ったように見えても、皮膚の中に菌が潜んでいる場合もあります。治ったと自己判断せず、医師の診断の元、根気強く治療を続けましょう。普段から清潔を心がけ、足が蒸れないように気を付けましょう家族に水虫をうつさないように、バスマットは共用せずに分けて使用し、素足ではなくスリッパを履きましょう。
子供の水虫は、皮膚科ではなくまずは小児科へ
子供の水虫の診察は、手足口病など他の病気との違いや、症状をよく理解しているお医者さんにかかる必要があります。子供の水虫は、皮膚科ではなくまずは小児科で診療してもらいましょう。
記事監修
神奈川県川崎市・北浜こどもクリニック院長。
1976年生まれ、埼玉県出身。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。2006年からは山王病院の新生児科医長務める。2010年に北浜こどもクリニックを開院。2012年医療法人社団ペルセウス設立。The Japan Times誌の「アジアのリーダー100人」に、2015年から3年連続選出されている
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文・構成/HugKum編集部