お菓子作り感覚で楽しい!子供といっしょに「塩ねんど」作りのすすめ

こんにちは!太田さちかです。私は「芸術教育士」として、10年以上に渡り、子供たちを対象にしたワークショップを開催してきました。得意分野のお菓子作りに始まり、アートの要素を取り入れたもの、ラッピングや編み物など、多種多様な教室を考え、子供たちの興味や不思議、好き、といった感性を引き出すことに喜びを感じています。

今日はそんな活動の中でも、最近気に入っている”FOODIE ART”(フーディー・アート)、食べるものとアートとを掛け合わせた、おうちでできる工作をご紹介します。

視点を変えることで生まれるおもしろさ

世の中は「算数」「国語」「理科」「美術」…と分かれていますが、裏側では全く同じことをしていると思ったことはありませんか? 例えば、お料理を作っていて「あれ、これって理科?」。そんなことに気づいた時の面白さといったら!『ぜんぶ一緒なの。見る視点が違うの。』というアプローチは、子どもの心も大人の心もぎゅっとつかみます。ジャンルをかけ合わせることで、面白いことが見えてくるのではないかと思うのです。

今回は、「フード(家庭科)」と「アート(美術)」をかけ合わせてみます。おいしそうなアート”FOODIE ART”(フーディー・アート)の世界です。

 

塩ねんどクラフト

 

塩という食材について、子供と一緒に考えてみよう

「最良の香りはパン。最良の風味は塩。最良の愛情は子どもへの愛情。」
スペインに、こんなことわざがあります。最も良い匂いはパンの匂いであり、最も良い味は塩の味、最も良い愛は子どもへの愛である。という意味です。

私たちが「塩」に出会ったのは、紀元前9000年頃と言われています。味わいをキュッと引き締めてくれたり、旨味を凝縮して引き出してくれたり、食べ物の腐敗を妨げてくれたり保存ができたりします。いまや身近にある食材ですが、もし「塩」がなかったら?家庭の食卓の味わいってどうなるでしょう。お魚やお肉、サラダに塩がない…ということを、想像してみてください。今晩の食卓で、子どもと一緒に実験をしてみるのもきっと楽しいですよ。

すると、気づくはず。塩がどれだけ大事な存在なのかということを。五大味覚である1つが欠けると、なんか変な感じがしますね。どうしてだろう?そんなふうに好奇心を抱いたら、ここから先は理科の世界。顕微鏡で塩をのぞいてみるだけでも、四角く重なりのある結晶に感動を覚えるはずです。

塩の色と肌触りを生かしたねんどって!?

そんな食材「塩」を使って、粘土が作れるのです。塩の色、形もそのままに。ざらざらっとした塩の感触もわかります。

そもそも食材なので子どもでも安心な上に腐敗がしにくいので、クラフトを作ったらいつでも飾っておけます。ちょっとしたギフトにも喜ばれる簡単「塩ねんど」。食べるためのレシピではないけれど、お菓子を作る感覚で楽しんでみてください。

塩ねんどのレシピ

<材料>
塩100g、(ぬるめの)お湯70cc、小麦粉100g

材料を混ぜてできた塩ねんど

<作り方>

1)塩とお湯をボウルに入れて、ある程度塩が溶けるまで混ぜておきます
2)小麦粉を加えてひとまとめにし、伸し棒で伸ばしたら型抜き
*ひとまとめにならないようなら、水分が多ければ小麦粉を、水分が少なければお湯を足して調整しましょう
3)100度のオーブンで1時間
4)ポスターカラーや水彩絵の具で色をぬったら、できあがり

伸し棒で5mm厚くらいに伸して
クッキー型など、好きな型でくり抜いて
スタンプを押しても

絵の具は、多くの子どもたちが大好きな道具。他にも、マジックでも色ぬりができます。あらかじめストローを使って穴を開けておけば、リボンを通すことだってできます。リボンがなければ、かわいいプリントの端切れやレースを使ってもいいですね。

水彩絵の具でデコレーションして作品に

私のお気に入りは、100円ショップでも購入できるゴールドのポスターカラー。塩ねんどのホワイトにゴールドを施すと、インテリアにもぴったり。絵も描きやすく、ギフトにも喜ばれそうです。

ポスターカラーでデコレーション

「塩」という食材を通じて、「塩」のことを知りながら観察をしながら、ひとつのアート作品を作ってみる。よく見ると、塩のつぶつぶ(粒子)も見えるんですよ!

ひとつのものごとを見る視点が増えて観察力が高まるということは、ボキャブラリー(表現)が豊かになることに繋がります。暮らしの中で、いろんな食べ物とアートのかけ合わせ”FOODIE ART”が楽しめる場面があるはずです。

POINT:この「塩ねんど」は、食べものではありません。

 

 

芸術教育士 太田さちか

パリ サンジェルマン・デ・プレで過ごし、慶應義塾大学、エコール・ド・リッツ・エスコフィエ、京都造形芸術大学大学院など日本とフランスで製菓、芸術を学ぶ。芸術教育士として、キッズクリエイティビティを軸にしたアトリエアプローチを実現し、10年以上に渡り子どもを対象にしたワークショップ「My little days」を主宰。子供たちの興味や不思議、好き!といった感性に寄り添いながら、独自の世界観あふれるワークショップ、レシピが好評を呼び、企業サイトや多数メディアで活躍。著書「メレンゲのお菓子 パブロバ」(立東舎)は国内外で好評を博し、台湾版も出版されている。

 

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