気をつけて!食物アレルギーっ子の年末年始。帰省先で起きたママたちのヒヤリハット体験

年末年始。実家にアレルギーっ子と帰省する方も多いのではないでしょうか?自分の両親の家、義理の両親の家、もしくは外食など、普段とは違う環境でご飯を食べる機会が増えますね。

 食物アレルギーがある家庭では、非常に注意が必要な時期です。実際に食物アレルギーがあるお子さんと帰省した時に起きた「ヒヤリハット事例」を紹介します。

楽しいはずの年末年始が台無しにならないためにも、是非参考にしてください!

【事例1】 初めて食べる食材にはご用心!

原因は、ドレッシングに入っていたクルミ

~クルミアレルギーの息子を持つママの体験

息子が5歳の時、主人の両親の家に私と主人と息子3人で帰省しました。そこで義兄自慢の「手作りドレッシング」を作ってくれました。ところが、ドレッシングがかかったサラダを一口食べたところ、息子がすぐ「気持ち悪い」と言い出しました。

普段そういったことがないので、あわててしまいましたが、もしやと思い、「何が入っていたか」と義兄に聞くと、ゴマとくるみという回答が。

ゴマは保育園で食べていたので問題ないことは知っていましたが、実はくるみは初体験。

結果として、息子はくるみアレルギーということが判明しました。

その体験から「手作り」と言われたら何が入っているのか、しっかり聞くようになりました。

食べたことのない食材は極力避けて!

これは、よく聞く事例です。特に、始めてのものが入っていた場合はなおさらです。

また、ドレッシングや味噌だれに、コクや旨味を出すのに、ナッツ類を使用するケースは非常に多くあります。ナッツ類や落花生は、非常に重篤な症状を引き起こすケースもありますので、特に注意が必要ですね。

食物アレルギーの自覚がなくても、お子さんが、ナッツ類・落花生を食べたことがない場合は、極力避けるようにしましょう。

【事例2】実家の習慣で作った鶏の唐揚げでアナフィラキシーに!

原因は、漬け汁に使ったヨーグルト。いつもの習慣でうっかり

~卵乳製品アレルギーの娘をもつママの体験

私の実家に帰省中、母が娘の好きな料理を、卵乳製品を抜いていろいろ作ってくれました。ところが食事後、突然アナフィラキシー発症してしまいました。実家からかかりつけ医の場所まで1時間以上。連絡をしたところ、そちらの市の病院にかかる方が早いでしょう、と言われ、最寄りの急病センターへ搬送されました。院内で何度も嘔吐、咳も出て、全身痒がり、これを受付で訴えても「順番ですから」と、結局2時間以上待つはめに…。

命に別状がなかったのは幸運でした。

さて、そもそもの原因はなんと唐揚げ!

実は私の母は肉柔らかくするため、いつもお肉をヨーグルトにつけていました。

今回も、いつもの習慣で無意識にやってしまっていたとのこと。アレルギーに対し理解を示し、協力をしてくれる母でも、普段は何気なく使っているものをその時だけ抜くというのは難しいのだと気づかされました。

揚げ物の漬け込み汁には、気をつけて!

この漬け込み液の事例。これも非常によく聞きます。

私も親戚宅に、卵アレルギーの息子とお邪魔した時、卵アレルギーがあるとは伝えていたのですが、から揚げの漬け込みに、「卵白」を入れたと言われ、結果食べられない、となったことがあります。作った人の周囲には食物アレルギーの人がおらず、漬け込む液体にまで注意がいると知らなかったとのことでした。

 普段食物アレルギーに慣れていないと、自分がずっと行っている、ちょっとした料理の工夫にまで意識が回らないことはよくあります。決して「誰かが悪い!」というのではなく、日常の中無意識な習慣にも、互いに注意が必要なのです。

【事例3】「これは食べられるの?」と商品名を言う母に困惑

原材料を見て買い物をする習慣が中々身についてくれない

~小麦卵アレルギーの息子をもつママの体験

母がよく、息子の食べられるものは何かを聞いてきます。聞いてくれること自体は嬉しいのですが、商品名を言われて困ってしまいます。聞いたことがない商品の名前を言われても私もわかりません。「原材料をみて!」と何度も言っているのですが、普段原材料をみて買い物をしない人たちに、原材料を見るのを意識してもらうのが、こんなにも難しいのかと10年たっても悩みます。

商品名でなく、原材料を見る習慣をつけてもらいましょう

孫のためにできることをしてあげたい!というおばあちゃん心。とても優しいのですが、これも難しい問題。知っている商品なら確かに判断できるのですが。地方にいくと、その土地だけで売っている商品もたくさんあります。

見たことない商品の名前を言われても、確かに困っちゃいますね。

食物アレルギーがあるお子さんの家庭は、商品の原材料を見ることが習慣となっています。しかし、そうでない家庭の人は、まず原材料など見ません。原材料を見れば、何が入っているかは把握できます。一度ぜひ、意識して原材料を見てみて下さいね!

年末年始は、医療機関も一斉に休みにはいっていまいます。

おばあちゃんも、おじいちゃんも、孫かわいさにいろいろしたいと思っています。決して悪意があるわけではありません。当事者も、日常していない対応を強いていることに理解を示さなければいけませんね。

取材・構成/村田愛(アレルギーっ子の旅するサイト Child × Allergy×Trip代表)

長男が小麦・卵アレルギー、次男がキウイアレルギーという二男の母。大の海外旅行好き。子連れのおでかけサイトは数多くあるが、アレルギーっ子に特化したサイトがないことに発奮し、2015年2月にCATの活動をスタート。アレルギーっ子の旅情報を多く発信している。

 

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