山田涼介がアイドルオーラ封印で挑んだ感動作『記憶屋 あなたを忘れない』【親子で観たい映画】

©2020「記憶屋」製作委員会

Hey! Say! JUMPの山田涼介主演!『記憶屋 あなたを忘れない』

織守きょうやの小説「記憶屋」を、今や人気アイドルとしてだけではなく、若手演技派スターとしても名を馳せるHey! Say! JUMPの山田涼介を主演に迎えて映画化した『記憶屋 あなたを忘れない』が、1月17日(金)より公開されます。

“記憶屋”とは、人の記憶を消せる能力を持つ人で、都市伝説のような存在のこと。山田さん演じる主人公・遼一は、結婚を誓ったはずの最愛の人、杏子(蓮佛美沙子)が、なぜか自分の記憶だけを突然失ったことに衝撃を受けます。遼一は、なぜ杏子がそうなったのか、原因を探ろうと、手がかりとなりそうな“記憶屋”を探して奔走していきます。

©2020「記憶屋」製作委員会

共演に芳根京子、佐々木蔵之介、蓮佛美沙子など。メガホンをとったのは、 感動作『ツナグ』や、ドラマ「天皇の料理番」や「義母と娘のブルース」など、数多くの感動作で涙をしぼり取ってきた平川雄一朗監督です。もちろん期待どおり、ハンカチ必携で臨む感涙映画に仕上がっています。

普通の大学生役だからこそ、俳優としての真価が問われる山田涼介

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端正な美貌と、意志の強い大きな眼差しを持つ山田涼介は、『鋼の錬金術師』や「暗殺教室」シリーズなどで演じた主人公など、漫画や小説でしか成立しないと思われる個性的な役柄も、見事に演じ切ってきました。

それは、作品に懸ける情熱だけではなく、並外れた身体能力の高さもあいまってのことです。ところが本作では、持ち前の輝くオーラを封印し、敢えてどこにでもいる普通の大学生になりきりました。

言うは易しですが、行うは難し。実はキャラ立ちした役柄よりも、こういうフラットな役柄の方が、俳優としてのスキルが問われます。今回は、予想外の現実に翻弄され、喜怒哀楽の感情をそのまま出しきっている山田さんの表情に注目していただきたいです。

辛い記憶でも残しておくべきか、それとも忘れるべきか!?

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「記憶屋」の正体はネタバレ厳禁なので避けますが、本作で描かれるのは、人生における辛い記憶を残しておくべきか、それとも忘れるべきか?という、答えの出せない問いかけです。

たとえば、死にたくなるくらい壮絶な体験や、愛する人との耐え難い別れなど、人生に影を落とす体験をした時、誰もがそのことを記憶から消去してしまいたいと思うはず。実際、そう望む人を責められない気もします。

また、本作では、そういう心の傷は、当事者しかわかりえない、という心の叫びも織り込んでいます。これは、過去の度重なる震災や、昨年の台風の被害などについても言えることで、いかに人に対して思いやりを持てるか、ということにもつながる気がしますね。

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本作のキャッチコピーは、「愛する人のため あなたは何ができますか?」ですが、映画を観終わったあと、このフレーズが心に刺さります。きっと親子で本作を観たら、映画を鑑賞後にいろんな話をしたくなるような映画になっているのではないかと。

壮絶ですが、とても優しく深い映画に仕上がっていますので、ぜひ劇場でご覧ください。

『記憶屋 あなたを忘れない』は1月17日(金)より全国公開
監督:平川雄一朗 脚本:鹿目けい子 原作:織守きょうや「記憶屋」(角川ホラー文庫刊)
出演:山田涼介 芳根京子 佐々木蔵之介 蓮佛美沙子 泉里香 田中泯 杉本哲太…ほか
公式HP:https://kiokuya-movie.jp/

文/山崎伸子

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