「成長痛」はいつ起こる?予防法や治療、ストレッチについて解説【小児科医・金井正樹先生監修】

子どもが「脚が痛い…」と痛みを訴えることがある成長痛。対処法、予防法などを小児科医の金井正樹先生にお聞きしました。

Q:子どもがときどき、「脚が痛い」と言います。「成長痛」ではないかと思うのですが、病院へ行ったほうがいいですか?

A:一度は受診して、痛みの原因を確認しましょう

子どもの脚に起こる痛みは、「成長痛」と呼ばれることがあります。でも実は、「成長痛」は「成長期に見られる原因不明の脚の痛み」につけられた名称で、正式な病名ではありません。一般には「骨が成長するときに起こる痛み」などと言われていますが、健康な骨の成長が痛みの原因になることはありません。

成長痛はどんな症状?

「成長痛」とされる痛みは、3歳から5~6歳の子どもに多く見られます。いちばんの特徴は、夕方から夜にかけて起こり、短時間で治まること。痛む部位は膝~足のあたりであることが多く、痛みの強さには個人差があります。泣くほどの痛みを訴えることもありますが、痛みの程度にかかわらず、翌朝には治まっています。痛みは不定期に、繰り返し起こります。

 病院に行ったほうがいい?

痛みの原因がほかの病気でないことを確認するため、一度は病院へ行きましょう。痛みがあるタイミングで診察を受ける必要はないので、骨折が疑われる場合などを除き、通常の診療時間内に受診します。

病院では、いつ痛みが起こり、どれぐらい続いたかなどを確認したうえで、傷や腫れ、診察時の痛みの有無、関節の動きなどを調べます。さらに脚のX線撮影を行って骨などに異常がないことも確認します。「成長痛」とされる(正式な病名ではないので、はっきりと診断されないこともある)のは、特徴的な痛みはあるけれど、その原因となるけがや病気が見当たらない場合です。

 

 治療法はある?

「成長痛」の原因は、現時点ではまだはっきりわかっていません。骨などに異常があるわけではないので、特別な治療法もありません。ただし、患部をさすったり、親が抱っこしたりすることで痛みが治まることがあります。病院では、痛みをやわらげるための貼り薬が処方されることもあります。

痛みの原因がほかの病気やけがによるものでないことが確認できたら、その後は普通の生活をしながら様子を見ます。とくに治療をしなくても、小学校入学以降は痛みを訴える回数が減っていくことが多いようです。症状が治まった後、後遺症などが見られることはありません。

 

 ストレッチは効果がある?

海外の病院による報告には、脚のストレッチが「成長痛」の改善に有効、としているものもあります。痛みのないときに無理のない範囲で、足首やふくらはぎ、太ももなどのストレッチを行ってみてもよいでしょう。

 

 「成長痛」は思春期にも起こる?

3歳から5~6歳の子どもに多い原因不明の痛みのほか、骨端症などの病気も「成長痛」と呼ばれることがあります。骨端症(膝に発症したものはオスグッド病とも呼ばれる)は、ふくらはぎや太ももの筋肉によって骨の端(成長軟骨)が引っ張られるために痛みが起こる病気。スポーツなどが原因で起こります。小学校中学年ぐらいの時期にはかかと、小学校高学年~中学生ぐらいになると膝に多く見られます。幼児の「成長痛」との違いは、短時間で痛みが治まらないこと。骨端症の場合は、適切な治療が必要です。

 

記事監修

東京都八王子市・金井内科医院院長
金井 正樹

「国立小児病院」、米国の小児病院などで小児外科の臨床・研究を行い、2008 年より現職。診療科目は、内科、小児科、小児外科、外科。保育園の園医、小・中学校の校医も務める。

 

『めばえ』2020年3月号 イラスト/小泉直子 構成/野口久美子

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