観たあとも盛り上がる！ショートフィルムのオンライン鑑賞ワークショップ【親子で観たい映画】

徐々に緊急事態宣言が解除される地域が増えてきたとはいえ、子どもたちの休校・休園中であるママたちの気苦労は増えるばかり。毎日、子どもの勉強タイムを設けても、集中できる時間はわずかだし、定番のDVDや配信ドラマ、映画のネタもそろそろ尽きてきました。そこで今回は、頭を少し切り替えて、子どもと一緒に、ショートフィルム専門のオンライン映画館「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」(BSSTO)を訪れてみませんか？

このサイトは、米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル&アジアが手掛けていて、世界中からエントリーされたショートムービーの魅力を伝えています。毎週水曜日に1作品ずつ新しい作品を公開していて、各作品の視聴期間は公開から3か月間で、ユーザー登録をすれば、無料で視聴可能です。

今回注目したいのが、新型コロナウイルス予防対策で、自宅で過ごす子どもと家族を対象にした「親子で楽しむショートフィルム オンライン鑑賞ワークショップ」というコーナー。7月31 (金)まで期間限定で配信されているこのコンテンツが、かなり画期的です。

短編を観たあとは、ワークシートを見ながらコミュニケーション

自粛期間は、きっと誰もが好きな映画やドラマなどの映像を観まくってきたと思いますが、それはインプットするばかりでアウトプットできていないのが現状です。でも、このワークショップでは、その映像作品から何を得たのか、また、どこを楽しめたのかが、“成果”として目で確認することができるんです。

本企画は、BSSTOと、子ども向けの映画ワークショップを16年間実践してきた一般社団法人「こども映画教室」、および早稲田大学基幹理工学部表現工学科土田・是枝研究室のコラボレーションによって実現されたもの。親子で楽しめるショートフィルム4 本のいずれかを鑑賞後、その作品の内容をもとに、感想を書いたり、要点を話し合ったりできるオンラインのワークショップとなっています。

配信作品は下記の４本で、全作品が日本語字幕入り。いずれも短編なので、子どもも集中して観ることができそうです。

『ゴーストのおいしいレシピ／The Bake Shop Ghost』（アメリカ／約 15 分）

ゴーストが住みつくパン屋へ、ある決意を胸にやってきた女性。彼女は完璧なレシピを求めて、日夜ケーキを作り続けます。ベストセラーの児童文学「The Bake Shop Ghost」を原作にした心温まるファンタジー。3つのワークシートに、親子で楽しめるカップケーキのレシピ付き。

『スティーブの朝／Sleepy Steve』（アメリカ／約 4 分）

ロボットの力を借りて、生活のルーチン作業を自動化している主人公・スティーブの朝を描いた、コミカルな実写コマ撮りアニメーション。ワークシートでは、コマ撮りアニメーションについての解説や、代表的なコマ撮り作 品の紹介も行っていて、楽しみながら映画についての理解を深めることができます。

『不思議な雑貨屋さん／Something to do with love』（フランス／約 8 分）

夕暮れ時、１人の男性が古い雑貨屋に訪れ、店主に不思議なお願いごとをします。そのお店には様々な古道具が並んでいますが、男性が求めるものは、ある思い出らしい。果たして、２人は見つけることができるのでしょうか？ ワークシートでは映画を振り返りながら、記憶を五感で表現することを学びます。

『上を向いて／Heads Together』（オランダ／約 14 分）

ひょんなことから頭が入れ替わってしまった仲良し3人組。そのまま1 日、生活をしてみることにしましたが……!?ワークシートでは入れ替わりから生まれるオリジナルストーリーを考えます。また、映画の背景になるオランダの移民事情や入れ替わりをテーマにした作品の解説も興味深いです。

うれしいことに、本企画に関連した作品の視聴およびワークシートのダウンロードは、登録不要で、もちろん無料です。用意されているのは、鑑賞シート、体験コンテンツシート、保護者向けガイドで、クリックすればPDFファイルとしてダウンロードできます。それをあらかじめプリントアウトしておき、観終わったあと、子どもたちに書き込んでもらえばOKです。

ワークシート内の漢字にはルビが振られています。感想を書くことで、子どもたちの創造性が養われるし、なによりも親子のコミュニケーションを深めるツールとなってくれるのもありがたいかぎり。ぜひ、この週末に、ワークショップを親子で体験してみませんか？

文／山崎伸子