【医師監修】公園の遊具や食材の空箱も!子供が触れるもので金属・食物アレルギーが発症?原因と予防対策法

PR

公園の遊具や、食材の空箱を使って工作するおもちゃには、アレルギーの子供が触れることで症状を発症するものもあります。ブランコや鉄棒、砂場などの遊具遊びで発症する子供の金属アレルギーの症状や、食物アレルギーの子供がアレルゲン食材のパックや空箱で遊ぶときの注意点について、和歌山駅前つじもと内科・呼吸器内科アレルギー科の辻本直貴先生に教えていただきました。

また、子供の金属アレルギーの原因と症状、予防対策、金属アレルギーになった場合の対処法などもレクチャーいただきましょう。さらに、編集部がセレクトした、アレルギーの子供でも安心して遊ばせられるおもちゃもご紹介します。

子供が手でさわるものでもアレルギーが発症する?

子供、アレルギー、遊具
公園の遊具で発症することもある子供のアレルギー

子供が公園に出かけてたくさん遊んだあとや、自宅でおもちゃを使って遊んだあとに、皮膚が赤くなったりかゆみが生じたら…。もし子供にそんな症状が出たら、それは金属アレルギーが起きているのかもしれません。

金属アレルギーというと、ネックレスやピアスなどを身につけると肌が赤くなるなど、大人に多く発症するものと思われるかもしれません。しかし、幼い子供でも金属アレルギーになることもあるのです。

公園の遊具や砂場、おもちゃなどによる金属アレルギー

意外に感じるかもしれませんが、公園には金属が使われているものが多く、子供が大好きな砂場にも微量の金属が含まれています。また、ブランコ、鉄棒、懸垂棒、ジャングルジムなど、鉄製の遊具はたくさんあります。それらに手で触れて夢中で遊んでいるうちに、赤みやかゆみが出てくることもあるかもしれません。

特に幼いうちは、砂場で遊んでいるうちに砂が顔にかかったり、砂がついたおもちゃをなめてしまったりすることもあるため、アレルギー症状が出るきっかけになりやすいとも考えられます。

アレルゲン食材のパックや空箱による食物アレルギー

屋内で遊ぶおもちゃにも、アレルギー反応を起こすことがあります。子供の工作では、牛乳パックやヨーグルトが入っていたプラスチックカップなどが使われることが多いでしょう。それらの空き箱には、中に入っていた食べ物が染み込んでいるもの。そのため、アレルゲン食材の空箱を使って子供が遊び、その手で目や鼻などの粘膜に触れると、アレルギー症状が出るきっかけとなる可能性があります。

子供の金属アレルギーの原因と症状

そもそも、金属アレルギーはどんな仕組みで起きるものなのでしょうか? 金属アレルギーの原因と症状を見てみましょう。

原因

金属アレルギーが起こるのは、金属から溶け出した金属イオンが原因と考えられています。金属は、汗などの人の体液に触れると、微量ですが金属が溶けだして金属イオンとなります。この金属イオンが、ケラチンなどの人のタンパク質と結合し、「金属タンパク複合体」と呼ばれる物質を作り出します。これがアレルゲンとなり、目や口の粘膜や傷口などから体内に入ったときに、体が異物として認識し、過剰に免疫反応を示してしまうのです。

症状

金属アレルギーの症状は、子供によってそれぞれ違いますが、皮膚に赤みが生じたりかゆみが出たり、湿疹のようなボツボツができたりします。場合により、皮膚の一部が熱を持っているように感じたり、痛みを感じたりすることもあります。

子供の金属アレルギーの予防対策

今はアレルギー症状が見られなくても、ある日突然アレルギーになることも考えられます。子供が公園の遊具で遊ぶときなど、金属アレルギーの発症を防ぐためには、どんな予防策を取るといいでしょうか?

アレルギーを引き起こす金属について知る

金属を使っているものすべてが金属アレルギーを起こすわけではなく、金属の種類によってアレルギーが起こりやすいものとそうでないものがあると考えられています。特に、金属アレルギーの三大原因と言われるのは、「ニッケル」「コバルト」「クロム」。これらの金属が使われている遊具やおもちゃは、なるべく控えたほうが無難かもしれません。

また、ママが身につけているネックレスや指輪、ピアスなどに子供が触れて、アレルギーを発症する可能性も考えられます。ママが使うアクセサリーの素材についても、気を配ってみるのもいいでしょう。なお、プラチナ製のアクセサリーは、金属アレルギーが起こりにくいと言われています。

汗をかくときは金属に注意する

金属アレルギーが起きるメカニズムは、汗などの体液が金属に触れることがきっかけとなるとご紹介しました。そのため、子供が汗をかくシーンは要注意。子供が汗をかくと想定できるときは、金属性の遊具やおもちゃになるべく触れさせないように注意したり、汗をこまめに拭き取ったりするようにしましょう。

虫歯を作らない

金属アレルギーを引き起こすケースで多いのが、金属を使った虫歯治療です。虫歯の治療では、詰めものやかぶせものに金属が使われることが多くあります。しかし、これが原因で金属アレルギーを発症することも考えられます。それを防ぐためには、子供が虫歯にならないことがいちばん。毎日の歯磨き習慣をしっかり身につけるようにしましょう。

子供が金属アレルギーになってしまったら…

子供が金属アレルギーになってしまったら…
子供が金属アレルギーになってしまったら…

もしも、子供が金属アレルギーになってしまったら、アレルゲンとなるものを避けることが基本です。公園では金属製の遊具や砂場を避けるほか、金属が使われたおもちゃの使用も控えて、子供が金属に触れないように気を付けてあげてください。そして、皮膚科やアレルギー科などの専門医に診てもらい、適切な治療を受けましょう。

食物アレルギーの子供がアレルゲン食材のパックや空箱で遊ぶときの注意点

牛乳パックなどの食べ物の空き箱は、子供が遊ぶときや工作によく使われるアイテム。しかし、子供に食物アレルギーがある場合は、次のようなことに注意しましょう。

牛乳パック・ヨーグルトの容器は使わない

牛乳で食物アレルギーが起きる子供の場合、牛乳パックやヨーグルトの容器を使うことは避けましょう。たとえ水洗いしていても、アレルゲンとなるタンパク質は染み込んでいると考えられるため、子供がアレルギーを起こす可能性があります。

卵のパックは比較的安心

卵アレルギーがあっても、卵がパックに入った状態で割れていない限り、パックにアレルゲンは付着していないと考えられます。そのため、卵のパックの使用については比較的安心と言えるでしょう。

幼稚園・保育園・小学校にアレルギーのことを伝える

自宅で注意していても、幼稚園や保育園、小学校で子供がアレルゲンに触れることもあります。子供にアレルギーがあるなら、必ず先生にも報告することをお忘れなく。

記事監修

和歌山駅前つじもと内科・呼吸器内科アレルギー科 院長
辻本 直貴

杏林大学医学部卒業。日本アレルギー学会専門医、日本呼吸器学会専門医、日本感染症学会専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医。
大学病院や総合病院、総合クリニックで臨床経験を積み、令和元年に和歌山市にてクリニックを開業。幼少期にアトピー性皮膚炎や気管支喘息、卵アレルギー、ホコリアレルギー、花粉症等様々なアレルギーを持っていた経験から患者様の苦しさを理解でき、患者様に寄り添った親切で丁寧な診察をしている。
和歌山駅前つじもと内科・呼吸器内科アレルギー科

編集部が選んだ、アレルギーの子供用おもちゃのおすすめ

アレルギーがある子供でも元気に楽しく遊べる、おすすめのおもちゃを編集部がセレクトしました。子供のおもちゃ選びの参考にしてみてください。

「木製 知育玩具」

8種類のブロックを組み合わせてピー玉転がしを楽しめるおもちゃ。木製で金属は不使用なので、金属アレルギーの子供でも安心して遊べます。


「現役ママが考えたジャングルジム」

室内に置いてもなじむ木製の子供用ジャングルジムは、パイン材を使用しているため、ぐらつきにくくなっています。第三者機関の試験もクリアしており、有害物質の溶け出しがなく、子供がなめても安全です。


「シヤチハタ かんてんねんど 5色セット」

寒天と食用色素を使って作られた粘土です。乾燥しにくく、ぷるるんとした独特の弾力を楽しめます。赤、黄色、青、黒、白の5色セット。


「ヴュリ社 キリンのソフィー ソーピュア・カラフルリング」

赤ちゃんがガラガラのように手に持って振ったり、噛んだりしても大丈夫。天然ゴム100%で作られ、ペイントには食用塗料が使われています。


「HOPPL コロコロチェア」

椅子として座ったり、机代わりになったり、物を置いたり、子供がさまざまな使い方をできます。低ホルムアルデヒドの素材を使用。2012年度キッズデザイン賞も受賞しているオシャレなインテリア雑貨です。

アレルギーの子供には、遊具やおもちゃにも配慮を

公演の遊具で体を動かしたり、食材の空パックを使って工作を楽しんだり、子供には思いっきりのびのびと遊んでほしいものです。あまり神経質になり過ぎるのも問題ですが、大切な子供のためにも、なるべくアレルギーに配慮してあげたいものですね。

文・構成/HugKum編集部

子供のアレルギー特集TOPに戻る

編集部おすすめ

関連記事