コロナでパパ・ママがリモートワークとなったり、外出をひかえて家庭ですごす時間が増えたりと、家族シーンに変化が生じた2020年。それによって家庭運営はどう変わったのでしょうか。楽になった部分はあるのか、はたまたかえってツラくなったのか、あるいは「結局何も変わらない」のか……。
そこで、働くママの応援サイト「ぎゅってWeb」に潜入。その現状と実態を考察してみました。
目次
「ぎゅって」とは?
育児のノウハウやお悩みなど、ママ発信の子育て情報満載のフリーマガジンで、主に幼稚園に配布されている「あんふぁん」。いっぽう保育園を中心に配布されていて、働くママを応援する姉妹媒体フリーマガジンが「ぎゅって」です。
下記の公式サイトからも、あんふぁん・ぎゅっての記事を見ることができますので、ぜひチェックしてみて!
今回は「ぎゅってWeb」からの気になる記事・ブログを参考に、withコロナにおける家事シェア事情をさぐってみました。
もう戻れない! リモート賛成派はパパの家事力がカギ
自宅リモートワーク賛成派の好例がこちら。大人が2人、家にいれば家事のマンパワーも2人分。
家事力のあるパートナーであれば、理屈としてはこうなるはずです。
続きは「ぎゅってWeb」のこちら↓
夫がテレワークに切り替わって数カ月。もう元の生活になんて戻れない…!
お互いの家事労働力を提供しあう機会に
本来、家事は自分もふくめた家族全員のためにするもの。家庭の構成員である以上、子どもも含めて負担しあうのが理想的ですよね。共働きならなおのこと。いつのまにか「これは〇〇の仕事」と決めつけていたことを、「今できる人がやる」というスキームにあらためる好機となったご家庭もある様子。
どの家庭もそうだとよいのですが、さて実態は……?
家にいる人が増えただけ? 「家事負担はママ」の変わらぬ現実
コロナ禍によるステイホームのさなか、2020年5~6月に、「ぎゅって」では読者アンケートを実施していました。調査内容は「ママの家事負担は全体の何割ですか」というもの。
その結果をグラフにしたものが以下です。
リモートワークが導入されたといっても、働くパパが家にいるのは業務のため。決して家事を折半するためではない、との言い分もあるかもしれません。でも自身も仕事をもって働くママ向け「ぎゅって」の読者家庭として見ると、上のアンケート結果はずいぶん不公平な結果ですね。
「ぎゅってWeb」では、パパと家事をじょうずにシェアするコツを、佐光紀子さんが4点に絞って提案しています。中でも目を引いたアドバイスを2つご紹介しましょう。
家事シェアのコツ1)やり方は任せる
熟知しているからこそ、効率よい方法を先回りして教えてあげたくなるものですが、「そうじゃないでしょ~」と正解をおしつけるやり方よりも、目的と最終形態をしっかり確認して、やり方は相手に任す。
これ、できそうでできないですよね。もしかすると、ハラハラしつつ相手に任せたことで「そういうやり方もあったか!」と、こちらも新しい発見をするかもしれません。
家事シェアのコツ2)尻ぬぐいをしない
これもついやってしまうことです。あとからその仕事ぶりを点検して、「ほらやっぱりできてない…」とやり直してしまうことってありますよね。そんなときの佐光さんのアドバイスは「怒らない。でも尻ぬぐいもしない」。相手が学ぶ機会を奪わないことが大事、とのこと。
上のふたつのコツは、「やる気」と「学習」というポイントを押さえている点で、パートナーだけでなく、子どもに家事を手伝わせるときにも応用できそうです。
詳しくは「ぎゅってWeb」のこちら↓
令和時代の家事シェア術!パパとうまく家事シェアするコツ4つ
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パパと家事の完全分業! 成功例は便利なサービスやアイテムを使い倒す
いっぽう、コロナ禍のイレギュラーな状況だけでなく、ふだんからパパ・ママの完全家事分業に成功しているご家庭は、どのようにしているのでしょうか。
「ぎゅって」ファミリーの後藤さんご夫妻のお宅から学んでみましょう。
使える「人」「モノ」総動員で、押しつけあわない分業
後藤さんファミリーの一日を追った記事からは、「何をどっちがやるか」と膝つきあわせての直談判ばかりではなく、パパ・ママが同じ立場で、自分たちの負担を少しでも楽にしてくれるサービスやモノをフル動員している様子がうかがえます。
ロボット掃除機や自動調理鍋、ミールキットの宅配サービスなど、使えるものはすべて使って家事の効率化をはかる。「たいへんなんだから、アナタやってみなさいよ!」という押し付けでなく、「たいへんだから、何か便利なサービスないかな?」とふたりで立ち止まって考えることは大事ですね。
詳しくは「ぎゅってWeb」のこちら↓
33歳、大手企業の総合職で働くママのタイムスケジュール。パパとの分業で仕事も趣味も諦めない
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コロナが「家事はママ」を変える……のか?
コロナ禍のステイホームであらためて浮き彫りとなった家事分担の問題ですが、「コロナの前と後とでは世界が変わる」とはよく聞く言い回し。どうせ変わるなら、すでに家事・育児分業が進んでいる他国や文化を見習って、「コロナの今だけ」の緊急シフトではない、根本的な転換が求められるべきですね。
そんなあり方のヒントも「ぎゅってWeb」の記事にみつけました。
育児分業は台湾に学べ!
台湾在住3歳と0歳女の子のママ、nimo*さんによると、台湾では平日の幼稚園の行事や予防接種などで、「仕事先から抜けてきた」というスーツ姿のパパを多く見かけるそう。
自営業が多い台湾の就労事情も関係していると言えますが、nimo*さんによれば、台湾パパの子育てに対する当事者意識が日本のそれとはずいぶん違っている様子。家事の分担云々というドライな話以前に、「子どもは夫婦ふたりで育てるもの」という意識がしっかり根本にあるようなのです。
詳しくは「ぎゅってWeb」のこちら↓
台湾の幼稚園で平日よく見かけるスーツ姿のパパ。勤務中のはずなのになぜ?
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いつかは変えないといつまでも変わらない
ここまで「ぎゅってWeb」の記事から、コロナ時代の家事分業の様子を見てきました。
人と人との関わり方から働き方まで、さまざまな変化を求められたコロナ元年の2020年。望まない変化も多くありましたが、どうせ変化するなら、今までモヤッとしてきたことを「俎上にのせる・話し合う・解決へと動く」といった好機にできるといいですね。
筆者は、コロナによるディスタンシングを理由に、これまでいくぶん義理でつきあってきた社交や気の重かった活動を整理して、自分にとって本当に大事な時間や関係だけに立ち戻ることができたように思います。家庭生活や育児に関することも、今年を「振り返ればあれがきっかけだった」と思えるような、よい転換期にできたらいいですね。
◆この記事を書いたのは
HugKum編集部 HM子
ティーンエイジャーの長女とパパと三人暮らしのLGBTエディター。「親」「会社員」の二足のわらじの十数年を経ても、いまだに「両立」という言葉が苦手。そもそもどっちかに絞ったところで、どっちも完璧にこなせなかった自信があるので、もう何事もひと口ずつの「アレコレつまみ食い人生」を送ると開き直って現在に至る。