赤ちゃんの虫刺されに注意
赤ちゃんの肌が虫に刺されると、赤く腫れて痛々しく見えるものです。大人が刺されても痒くなって、つい掻きむしりたくなってしまいますが、赤ちゃんの場合も、そのまま放置すると掻いて細菌の感染を引き起こす可能性も。赤ちゃんの虫刺されは、適切に対処しなければなりません。
虫刺されの種類
自分で虫をはらったり動いて虫を避けたりできない赤ちゃんは、大人より虫に刺されやすいです。赤ちゃんの虫刺されで最も多いのが、蚊によるもの。蚊に刺されることでさまざまな感染症に感染する可能性があり、決して軽視できることではありません。それ以外には、ハチ、ブヨ、毛虫、ダニ、ムカデなどに刺されることが考えられます。
虫に刺されやすい部位
赤ちゃんが虫に刺されやすいのは、肌が露出している部分。腕や脚、首の後ろ、耳などが代表的です。
赤ちゃん特有の症状が「遅延型反応」
大人なら虫に刺されると、すぐに痒みなどの症状が出てきます。しかし赤ちゃん場合は、刺された後1~2日してから赤みや痒みが出る場合がほとんど。虫に刺された経験値が少ない赤ちゃんや幼児は、このような「遅延型反応」が出るのです。さらに赤ちゃんが生まれて初めて刺されたときは反応が出ず、数回刺されることで反応が出ることもあります。
赤ちゃんに起こる赤みや痒みなどの症状は、大人よりも重くなりやすいことを覚えておきましょう。
赤ちゃんが虫に刺された!まずすべき対処法
もし赤ちゃんが虫に刺されたとき、その場ですぐにできる対処法についてご紹介しましょう。
蚊
蚊に刺されたことがわかったら、刺された部分を水で洗い流して、かゆみ止めの薬を塗りましょう。
毛虫
毛虫に刺されると、細かい針がたくさん皮膚に付いてしまうため、刺された部位に絆創膏やテープを貼って、針を取り除きます。その後、皮膚科を受診して必要な薬をもらいましょう。
ハチ
蚊に刺された場合と同じく、刺された部分を水で洗い流します。皮膚に針が残っていないか確認し、ある場合は毛抜きなどを使って取り除きましょう。その後、皮膚科を受診して適切な薬をもらいます。
ムカデ
ムカデには毒があるため、ムカデが赤ちゃんの皮膚に付いたらすぐに引き離しましょう。患部をお湯で洗い流し、毒素をできるだけ取り除きます。ムカデの毒は熱に弱いため、水で洗い流すのではなく、43度程度のやや熱めのお湯を使うのがポイントです。その後、皮膚科の専門医を受診しましょう。
こんなときは病院へ
かゆみ止めが効かずに痒がる場合や、刺された部分の腫れがおさまらない場合などは、病院へ行きましょう。赤ちゃんはまだ免疫力があまりないため、「たかが虫刺され」と軽視すると悪化する危険もありますから注意してください。
赤ちゃんが虫に刺されたときの症状は?
ママやパパが気づかないうちに赤ちゃんが虫に刺され、肌に異変が起きていると後から気づくこともあるでしょう。赤ちゃんが虫に刺されたときに起こる症状について、チェックしてみてください。
痒み
よくあるのが、患部に痒みが生じる症状。蚊やブヨに刺されたときは、痒みが生じやすくなります。温度が上がるとよけいに痒みが増すため、冷たいタオルなどで患部を冷やすようにしましょう。
痛み・熱感
刺された部位に激しい痛みが出て、赤みが出てくる場合は、ハチに刺された可能性が高いと判断できます。
腫れ・しこり
免疫力の低い赤ちゃんは、蚊に刺されただけで大きく腫れることがあります。ひどい場合は、腫れた部分にしこりができて、強い痒みが伴うことも。またハチに刺された場合も、腫れることがあります。腫れは清潔なタオルを水で濡らして絞り、患部を冷やすことで落ち着くこともあります。
水ぶくれ・汁が出る
蚊に刺されただけで、水ぶくれができることもあります。掻いて水ぶくれが破れると、そこから細菌が侵入して感染を起こすことがあります。また水ぶくれに触った手で体のあちこちを触ると、水ぶくれがあちこちに広がってしまう「とびひ」が起こりやすいため、注意が必要です。掻きむしってしまわないように、ガーゼなどを貼って患部を保護しましょう。
泣く
赤ちゃんが泣いているのは、なんらかの不快感を覚えている証拠。虫刺されによって強いアレルギー反応が起きて発熱している可能性や、痒みや痛みを感じている可能性があります。なかなか泣き止まず、症状がおさまらないときは、病院で診てもらいましょう。
また赤ちゃんの泣いている原因が、虫刺され以外の病気などにあるかもしれませんので、赤ちゃんの様子を注意深く観察してみましょう。
虫刺されの薬・治療法
赤ちゃんが虫に刺されたとき、塗り薬を使うのが基本の治療法です。痒みなどの症状がひどい場合は、外用薬に加えて内服薬が処方されることもあります。
外用薬
市販薬は、炎症をしずめるステロイド剤入りのもの、痒みを抑える抗ヒスタミン剤入りのもの、化膿を抑える抗生物質入りのものなどがあります。
たいていの場合は、生後6か月が過ぎればほとんどの市販薬を使っても大丈夫ですが、使用開始可能な目安の年齢が明記されていますので、赤ちゃんの月齢に合っているか確認してから使いましょう。
病院で処方される薬には、ロコイド軟膏、リンデロンなどが含まれています。
内服薬
虫に刺された箇所の赤み、かゆみが激しいときは、皮膚科専門医や小児科の受診をおすすめします。その際に、内服薬として抗ヒスタミン薬やステロイドが処方される場合があります。しかし、それらの内服薬は症状を抑えることが主な働きとなります。よって、虫刺されの原因である虫の駆除を行う必要があるでしょう。布団や服のダニによる虫刺されがあるときは、それらが発生しないよう、布団や服を清潔に保つようにしてください。
記事監修 上野皮フ科・婦人科クリニック院長 西郡克之
2001年日本医科大学卒業 亀田総合病院研修医 東京医科歯科大学附属病院皮膚科・形成外科及び関連病院勤務 上野皮フ科・婦人科クリニック開設 日本皮膚科学会専門医
http://www.uenoderma.jp
虫刺されの予防法やケアアイテムのおすすめ
赤ちゃんの外出時などに使える虫よけグッズや市販薬をご紹介します。
虫よけ「babybuba 虫よけスプレー」
ローズマリーやユーカリ、セイヨウハッカなどの天然由来成分100%を使用した赤ちゃん用ボディスプレー。アルコール不使用で、デリケートな赤ちゃんのお肌にも使えます。
市販薬「ムヒ・ベビー」
しみなくて、使い心地のよいベビー向けムヒ。スーッとする成分やステロイド成分は使われていません。
市販薬「佐藤製薬 ポリベビー」
赤ちゃんの虫刺され、おむつかぶれなどの皮膚炎に使える市販薬。ステロイド剤を配合していません。
虫刺されの予防対策をしっかり
大人でも虫よけの対策を行うように、赤ちゃんだって予防対策が大切です。自宅で過ごすときは、ドアや窓を開けたままにせず、いつも網戸をつけておくこと。虫が侵入しやすい自宅環境の方なら、赤ちゃんが寝て過ごすスペースに蚊帳を張って守ることも有効です。
また外出時や虫が多くいる公園などに出かけるときは、肌の露出を少なめにして、虫よけスプレーやジェルなどを用意しましょう。蚊は黒色を好み、白色を嫌う傾向があるので、赤ちゃんには白っぽい色の洋服を着せることをおすすめします。
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文・構成/HugKum編集部