立春とは
立春にはどんな意味があるのか、また、いつからいつまでなのか、春分との違いを説明していきます。
立春の意味
「立春」とは、二十四節気のひとつです。「立」という漢字は中国語で「はじまる」ことを指しますので、立春は「春のはじまり」という意味があります。二十四節気には、立春のほかにも「立」という漢字が使われるものがあります。それは、「立夏」「立秋」「立冬」です。これらを立春も含めて、「四立(しりゅう)」といい、それぞれの季節がはじまることを意味します。
立春には春のはじまりという意味がありますが、「立春とは名ばかりで」という言葉もあるように、まだまだ寒い時期です。
2024年の立春はいつからいつまで?
立春には期間があります。これは、「立春」のはじまりから、次の節気である「雨水」の前日までの期間です。2024年の立春は2月4日ですから、期間は2月4日から2月18日までとなります。
旧正月と立春の違い
旧正月と立春は時期が似ていて混同しがちですが、同じものではありません。
旧正月は、月の満ち欠けに基づいた暦「太陰太陽暦」において、1月1日のことを指します。一方立春は、太陽の運行によって決められた二十四節気においての春のはじまりの日のことです。
ちなみに2024年の旧正月は2月10日です。
立春と春分の違い
旧正月とともに、混同しがちなのが「春分」です。「春」という共通する文字を使いますが、立春と春分は別物です。
春分も二十四節気のひとつで、太陽が春分点に到達した日のことをいいます。この日は1年に2回ある昼と夜がほぼ同じ時間になる日です。時期は3月20日頃となります。
立春は「春のはじまり」を意味しますが、春分は「昼と夜の長さがほぼ等しくなる日」で、時期も異なるという違いがあるのです。
立春の行事
立春にはさまざまな行事があります。どんなものがあるのかチェックしましょう。
節分
立春の前の日が「節分」です。節分とは、季節がはじまる前の日のことを指していましたが、現在では立春の前日だけを「節分」と呼んでいます。節分の日には、豆まきを行って邪気や厄を払い、年の数だけ豆を食べて1年の無病息災を願います。恵方巻きも欠かせない存在ですね。
立春大吉
立春の日にお寺や民家の軒先で見られる「立春大吉」と書かれた紙。これは禅寺の習慣で、魔除けのために貼られたお札です。なぜ魔除けになるのかというと、表から見ても、裏から見ても「立春大吉」と読めることから、鬼が門から入って振り返ったときに、同じお札の文字が見えるため、「まだ入っていない家があっちにある!」と勘違いし、入ってきた門から出て行ってしまうためだといわれています。
このお札には「立春大吉日急急如律令※」と書かれているものもあります。その意味は、「季節の変わり目で、一年のはじまりであるおめでたい日の立春に、厄災は立ち去り、願いが早急に叶いますように」というものなのだそうです。
※はじめの「急」は口編のつく「急」
「立春大吉」のお札は禅寺でいただくことができますが、自分で書いても問題ありません。玄関の外側から見て向かって右側や、神棚、大切な部屋の入り口など、外に向けて、目線よりも高い位置に、一年間貼り続けましょう。
立春大吉のはがきを出す
はがきに「立春大吉」と書いて大切な人へ送るのも、立春の習慣です。このはがきには、「立春の日に幸せを願う」という意味が込められています。喪中で新年の挨拶をしていない方や、寒中見舞いを送り忘れた方は立春大吉はがきを送るといいですね。なお、出すときには、立春の日に相手に届くように出しましょう。
「立春の候」の使い方
「立春の候」は、立春の時期につかう時候の挨拶です。ここでは、読み方や「立春の候」を使うことができる期間をご紹介します。
読み方
「立春の候」の読み方は「りっしゅんのこう」です。時候の挨拶として、手紙や挨拶状の冒頭に使います。立春の候には、「立春になりましたね」「春がはじまりましたね」といった意味があります。
いつからいつまで使う?
「立春の候」を時候の挨拶として使える期間は、節分の翌日である「立春」になった日から、次の節気の「雨水」の前日までです。年によって日にちが変わりますが、おおよそ2月4日ごろから2月18日ごろまでとなります。
例文
ビジネスシーンで使用するときは、以下のような例文を参考にしてみてください。
「拝啓 立春の候、貴社ますますのご清栄のほど、お慶び申し上げます。」
「拝啓 立春の候、平素より大変お世話になっており、誠にありがとうございます。」
また、お世話になった方や親しい目上の方などへの挨拶では、以下のようにするといいでしょう。
「立春の候 ●●様のご活躍をいつも拝見させていただいております。立春とは名ばかりで、まだまだ寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。」
立春に食べるもの
立春には縁起物をいただく風習があります。どんなものを食べるといいのでしょうか。ご紹介していきます。
朝生菓子
立春の日には、多くの和菓子店で「立春朝生菓子」が販売されます。立春朝生菓子とは、立春の朝に作られた生菓子のことで、その日に食べると縁起がいいとされています。立春朝生菓子には、桜餅やうぐいす餅、椿餅、大福などがあります。
立春朝絞り
「立春朝絞り」は、立春の日の朝一番に搾り上がった日本酒のこと。1998年から日本名門酒会によって始められた、比較的新しい風習です。「立春朝搾りに関わるすべての人の今年一年の幸運と繁栄を招く」とされています。お酒のラベルには立春の日の日付が大きく書かれたものが多いです。
立春大吉餅
三重県・伊勢にある「赤福」本店。ここでは、「立春大吉餅」が販売されます。そもそも伊勢には、毎月一日の早朝に神宮へ参拝する「朔日(ついたち)参り」という風習があり、それにちなんで、赤福本店では「朔日餅」を販売しているのです。
2月に販売される朔日餅が「立春大吉餅」で、黒大豆と大豆を使った二種類の豆大福となっています。この立春大吉餅には、「まめに過ごし、ますますの繁栄を願って」という意味が込められているのだそうです。
立春大吉豆腐
立春とその前日の節分に食べる豆腐のことを「立春大吉豆腐」といいます。立春の日に食べる理由は、古くから豆腐には、邪気を払うたべものとされており、体を清める力があるとされていたからです。
食べるときにはできれば白いままの豆腐がよいとされているので、湯豆腐や冷奴などがおすすめです。
立春のスピリチュアルな意味
スピリチュアルな世界で立春は、「一年のはじまり」を意味し、運気の流れが変わる日なのだそうです。新しい年への切り替わりの時期ですから、以下のようなことをするのに適しているといわれています。
邪気払い・開運
立春に運気の流れが変わりますから、その前の日である節分に邪気払いを行いましょう。邪気払いといっても難しいことではなく、お風呂に浸かって体をきれいにする、ストレッチをして体のメンテナンスをする、家の掃除をするなどです。体もお家も浄化、デトックスすれば、翌日の立春からの気の流れがよくなり、開運につながるかもしれません。
新しいことをスタート
立春は「一年のはじまり」ですから、新しいことをはじめるには絶好のチャンスです。今までやってこなかったことに挑戦するのもいいですし、お財布や下着、タオルなどを新調し、使いはじめるのにもおすすめの時期といわれています。
立春には春のはじまりを祝い、幸せを願いましょう
立春は、暦の上で春のはじまりを意味します。季節の移り変わりを感じながら、立春の行事を行ったり、立春にまつわる食べ物をいただいて、一年の幸せを願ってみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部