モヤモヤの原因は家事・育児に非協力的な夫!ライフオーガナイザーが教える家族のトリセツ【ライフオーガナイザー鈴木尚子が斬る!】 vol.15

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思考の整理を促す片付けのスペシャリスト、鈴木尚子さん(ライフオーガナイザー)に夫の家事、育児の協力についてを伺いました。今回は、連載 vol.15になります。

鈴木さんは、収納のスペシャリストですが、断捨離や収納グッズをメインに紹介するのではなく「ライフオーガナイズ」という手法。そのため、夫が家事・育児に非協力的なご家庭への解決方法もあなたが探していた答えを教えてくれるはず! 夫に言いづらい、面倒と思っていたら、あなたのそのモヤモヤはずっと続いてしまいます。最後まで読んでぜひ参考にしてみてください。

「ライフオーガナイズ」とは?

筆者が提案したいのは、アメリカ発祥の片付け術である「ライフオーガナイズ」です。ライフオーガナイズとは、“もの“だけではなく、あなた自身と家族を主役にして、生活や人生、空間やもの、「暮らしを最適化」する片付け術です。

ライフオーガナイズの手法

単にものを捨てたり、収納グッズを揃えたりするのではなく、思考や、行動の傾向、時間の使い方や家族との関係性など多方面から整える手法です。

パパの家事・育児への変化

片付けの仕事をしていると、30代から50代の女性と関わることが多いのですが、ここ最近明らかに変わったなぁと思うのが男性の家事、育児の協力です。

50代の男性は抱っこ紐をして出歩くことは珍しいことでしたし、40代も後半と前半では明らかな差があります。30代はパパが抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこしていることが多いですよね!

結婚&産後も働く、妻vs夫

とはいえ、まだまだ社会全般では男性の方が家事時間育児時間が短く、内閣府男女共同参画調査課の発表によると、共働き夫婦の「仕事のある日」の育児時間は女性が男性の2〜2.7倍だそうです。

現状は、家事育児時間で言うと、女性が4時間38分に対して、男性が1時間57分とありました。

もちろん仕事量とのバランスによるので、仕事をしている時間と比べるとトントンになるかもしれません。

片付けの現場で一番問題になるのは?

キャリアアップや将来的な職業上の展望をもち、男性同様にバリバリに働きたい女性には、この4時間38分はなかなか作るのが難しい時間かもしれません。

「時間管理」

そもそも時間が足りていない状態の中で、「片付けの時間を作っていく」というのは至難の技!

モヤモヤしないためには

夫とよく話し合って、やるべきこと、やりたいこと、やめたいことをしっかり話し合う。

どこに協力してもらうのか、できなければどうしていくかの解決策を出さない限り、女性がモヤモヤした状態で、この子育てと仕事の最も大変な両立時間を過ごすことになります。(もしかすると今は男女の逆転もありますが、今回は、内閣府男女共同参画調査課の発表を元に、このように書かせていただきます)

見えない家事を伝えよう

夫に見えている時間は目の前に出てきた食事や、散らかった部屋、もしくは綺麗に片付けられた部屋など見える範囲。しかし、いわゆる「見えない家事」と言うのは、実際に作業をしている女性が見えるようにしない限り見えるようにはなりません。

「名もなき家事」まで可視化が重要

少ない時間で、片付けるのに有効な方法は、3つあります!

【その1】全ての業務の可視化

洗濯物ひとつとっても、洗濯機に入れて終わりではなく、広げて干して、畳んでしまってとさまざまなな工程がありますよね。

夫婦で1日の行動を書いてみる

まず、朝起きてから寝るまで、どんなことをしているのか、お互いに書いてみましょう。

妻時間割を書いてみて!その時間に、夫が何をやっているのかを並べてみてください。

このような「視覚化した表」を壁に貼ってプレゼンを行い、具体案をしっかり話し合うこと!

エビデンスがあると話しやすい!

表を作ることで、証拠やデータとなり、話すきっかけにもなります。

話し合いの論点がずれぬよう会議のゴールを共有して行いましょう。「仕事みたい!」と思われるかもしれませんが、仕事より、厄介なのが家庭なんですよ(笑)!

【その2】何が問題になっているか?

先ほど、論点がずれないようにと申し上げましたが、ただの愚痴にならず、何をして欲しいのかを具体的に示すことが重要です。

たいていの女性は不機嫌な毎日の中で、子どもを寝かしつけた後の食器洗いだったり大量の洗濯の山にいらついたりして、大きな音を立てながら

「不愉快で不機嫌なんだから手を貸してよ!」

というオーラを出しているのではないでしょうか?

これ、ほとんどの男性は気付きません。そんなことをしても無意味なのです。

紙に書いて、話し合おう

「具体的に何をして欲しいのか? 何をどのようにして欲しいのか」を口だけではなく紙に書いて話し合いましょう。

例えば、「買い物に行って終わり!ではなく、

 

それをしまうところまでして欲しい」といった具合です。

 

【その3】気長な教育期間を持つこと

家事分担の行方は下記の3パターンになりやすいと思います。

1 やらないと決める
2 誰かに頼む
3 夫が代わって行う

我が家は、1→2→3とどれも体験済みです。

例えば、1の場合、私が掃除機をかけるのをやめ、ルンバを購入しました。2として、家事代行に集中掃除(エアコンなど)をお願いしました。しかし、3がなかなかうまくいきませんでした!

「夫が代わって行う」ときは

夫に頼むときには、目的、どのような状態がゴールなのかを共有しましょう。夫が代わって行うときのポイントは、細かいことには目をつむることです。

しばらく様子を見て「あれ? これなかなか良い出来栄え!」と言うときにはしっかり言葉で伝えましょう!

男性だってできることが増えてくれば、その仕事にやりがいを持ったり、主体的に動いてくれたりするようになります。

そう、後輩の育成と同じなんです!

子育て期間より長いのが夫婦の時間

実際のところ、家事をしない男性に対する世の中の女性はなかなか手厳しいですよね。

「もう! そんなんじゃない!」

と横から手を出し、夫の心に傷をつけていませんか(苦笑)。

「洗濯物の畳み方が汚い」、「買い物の仕方が悪い」など、いちいち言われたら、誰だって気分は下がるはず。

我が家は現在50代の夫の教育に8年ほどかかりました。しかし、今では私よりも上手に洗濯し、休日の料理はシェフ気分でやってくれています!

子ども以上に手がかかるのが、夫の教育かもしれません。

「備えあれば憂いなし」

気長に少しづつ進めていきませんか。最後に、夫婦円満に家事シェアをするコツをまとめた本があります。よろしければこちらの本もご覧ください。

私が変わる、家族が変わる時間術 ~時間を味方につければ、人生が変わる!

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記事執筆

鈴木尚子|SMART STORAGE!代表 ライフオーガナイザー®

片付けに悩む中、独学で生活を改善し、片づけとパーソナルスタイリングの仕事を開始。
メソッドを公開したブログが人気を呼びパワーブロガーに。2011年にSMART STORAGE!を創業し、現在は株式会社となる。日本初のクローゼットオーガナイザー認定講師として人材育成にも携わっている。
また、義母を看取った経験をもとに、人生折り返し地点からのライフマネジメント術AgeWellLiving を立ち上げ、活動の場を広げている

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