ひな祭りは、銘酒・獺祭(だっさい)の酒粕から生まれた極上「あま酒」でお祝いを【榮太樓のお菓子歳時記】

和菓子には、季節や行事に合わせて四季を楽しむ日本人の心が表されています。「白い黄金」と称された貴重な砂糖をつかった和菓子は、まず、富裕層向けに京都で発達し、将軍のお膝元である江戸に広まりました。 文政元年に、江戸・九段に出府を果たした榮太樓總本鋪。およそ160年前に、現在の日本橋の地に店を構えて営業を続け、創業200年を迎えました。和菓子を庶民に届け続けてきた榮太樓總本鋪がお届けする「和菓子歳時記」。ふだんの暮らしで親しんできた和菓子にまつわるエピソードをお楽しみください。

白酒は大人のもの。ご家族みんなで楽しめる甘酒で桃の節句のお祝いを

 

3月3日は、女の子の健やかな成長を祈る「ひな祭り」。この時期は桃の季節であり、桃には邪気を払う力があるといわれていたことから「桃の節句」とも呼ばれています。「ひな祭り」を祝う習慣は平安時代からあり、江戸時代には庶民のあいだでも広く行われるようになりました。

ひな祭りでは、ちらし寿司や蛤(はまぐり)のお吸い物を食べてお祝いをするのが一般的です。ちらし寿司は様々な具材を混ぜ合わせて作りますが、これには将来食べるものに困りませんようにという願いが込められています。また、蛤のお吸い物には、蛤の貝殻のようにぴったりと合う相手と巡り会い、一生添い遂げられますようにという願いが込められています。

そして、ひな祭りにつきものの飲み物と言えば「白酒(しろざけ)」です。

室町時代に、桃の花を浮かべた白酒を飲む風習があったとも伝えられており、「♪あかりをつけましょ ぼんぼりに」で始まる、よく知られた童謡『うれしいひなまつり』にも、3番の歌詞に、「♪すこし白酒召されたか あかい お顔の右大臣」とあります。

そもそも「白酒」とは、アルコール分が10%前後含まれている「リキュール類」に分類されるお酒です。桃の節句では、大人がたしなむものになります。それゆえ、いつの間にか、お子さんと囲むひな祭りのお祝いには、アルコール分を含まない「甘酒」も用いられるようになりました。

銘酒「獺祭(だっさい)」の酒粕から作られた、榮太樓の「あま酒」

 

甘酒には、大きく分けて「米麹」を原料とするものと、「酒粕」を原料とするものの2種類があります。米麹から作られるものは、米のデンプンを糖化、発酵させたもの。「酒粕」から作られたものは、酒粕に、水と砂糖を加えたもので、どちらも、アルコール度数は1%前後で、「酒類」には当てはまらないものです。

榮太樓では、3年前から、銘酒として名高い「純米大吟醸 獺祭」の良質な酒粕を使った「あま酒」を作っています。華やかな香りと、すっきりとした口当たりで好評をいただいています。

榮太樓の「あま酒」3つのこだわり

1 良質な酒粕

日本有数の蔵元「旭酒造」の銘酒「獺祭」の酒粕を使用。二割三分磨きという米の風味を生かすギリギリまで磨いた酒粕です。

2 こだわりの製法

酒粕の良さを最大限に生かすため、高圧力で乳化し、「菓子屋がつくる甘酒」としてのこだわりを持って、あま酒全体に華やかな香りと、豊かな甘み、しかも、なめらかなコクが広がる仕立てにしました。

3 無香料・無着色

素材の良さで勝負をしており、砂糖以外の余計なものは入っていません。

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榮太樓の「あま酒」は、米麹と酵母のダブルパワー

酵母菌の発酵によって栄養を豊富に高めた酒粕を原料にした「甘酒」は飲む点滴とも言われ、近年、需要と人気が高まっています。

米麹に酵母菌を加えて発酵させた酒粕は、麹菌と酵母の発酵パワーをダブルで凝縮した栄養成分を持ち、酒粕から作られた「あま酒」は、米麹由来のものよりも発酵の過程が多いため、栄養価も、より高いものになっています。

江戸時代から親しまれてきた、日本ならではの「和の栄養ドリンク」を、ひな祭りのお祝いをきっかけに、日常的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

監修:榮太樓總本鋪(えいたろうそうほんぽ)の歴史は、代々菓子業を営んできた細田家の子孫徳兵衛が文政元年に江戸出府を果たしたことに始まります。最初は九段で「井筒屋」の屋号を掲げ菓子の製造販売をしておりました。が、やがて代が替わり、徳兵衛のひ孫に当たる栄太郎(のちに細田安兵衛を継承)が安政四年に現在の本店の地である日本橋に店舗を構えました。数年後、自身の幼名にちなみ、屋号を「榮太樓」と改号。アイデアマンであった栄太郎は代表菓子である金鍔の製造販売に加え、甘名納糖、梅ぼ志飴、玉だれなど今に続く菓子を創製し、今日の基盤を築きました。

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構成/HugKum編集部 イラスト/小春あや

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