「寝る子は育つ」と言います。子どもにとって睡眠は言うまでもなく大切ですが、一方でタフな子育てを心身ともに健全にこなすにはパパ・ママの睡眠も大切です。
授乳期となると子どもの夜泣きでさすがに睡眠が断続的になりますが、その時期を乗り越えたパパ・ママであれば自分たちの心掛け次第で理想的な寝つきと快眠は実現できるはず。
そこで今回は健やかでストレスの少ない子育てを実現するべく、全国に暮らす121人のパパ・ママに快眠と寝つきについてのアンケート調査を行いました。似た境遇の保護者が実践している寝つきと快眠のテクニック。ぜひ参考にしてくださいね。
寝つきが悪くなるのはなぜ?
そもそも寝つきが悪くなる理由には何があるのでしょうか?
『ホーム・メディカ 家庭医学館』(小学館)によれば大まかに言って、
(1)原因がはっきりしている不眠(二次性不眠症)
(2)原因がはっきりしていない不眠(一次性不眠症)
があると言います。不眠とは入眠障害(なかなか眠れない)、途中覚醒(早朝のまだ暗いうちに起きてしまう)、熟眠障害(眠りが浅く熟睡感がない)に分類できて、寝つきの悪さは入眠障害に当たります。
入眠障害は原因がはっきりしている場合(1)とはっきりしていない場合(2)があり、はっきりしているケース(1)では、
●環境が悪い(騒音・高温多湿・高所・明るさ・質の悪い寝床など)
●眠れなくなる物質を摂取している(アルコール・カフェイン・薬剤・覚せい剤など)
●心・体の病気(うつ・睡眠時無呼吸症候群・神経症性障害など)
が引き金になっていると言います。このあたりの話はHugKumの過去記事に詳しいので、そちらを先にチェックしてみてください。
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寝つきを良くするために必要なこと
寝つきを良くするためには、自分の寝つきの悪さ(入眠障害)が何によって起きているのかを確かめる必要があります。
眠る環境を整える
寝つきの悪さの原因が仮に環境の悪さだとすれば、環境を整える必要があります。
『ホーム・メディカ 家庭医学館』(小学館)には睡眠と寝具の関係が語られていて、たくさんの注意点があると分かります。
●マットレスや敷ぶとんはやや硬めの耐久性に優れたタイプを選ぶ(腰が沈まない)
●掛けぶとんは軽くて柔らかいタイプを選ぶ(寝返りが十分に打てる)
●寝具は吸湿性と吸水性に優れたタイプを選ぶ(寝床内環境が33℃前後、湿度が50%前後になるようにする)
寝室の快適な環境づくりについては厚生労働省のホームページ『e-ヘルスネット』にも情報が掲載されています。そこでは音と光のシャットアウトも快眠に重要だとされています。
●遮光カーテンや睡眠専用の耳栓の活用
も仕事の関係で昼間に寝ている人は視野に入れたいですね。
寝る前のアルコールやカフェインを就寝の5~6時間前から控える
厚生労働省のホームページ『e-ヘルスネット』によれば、コーヒー・緑茶・チョコレートなどのカフェインが含まれる飲食物は快適な寝つきをさまたげる作用があるとの話です。
個人差はあるみたいですが、カフェインに敏感だと自覚する人の場合は就寝の5~6時間前から控えたほうがいいみたいですね。仮に就寝が夜の10時だとすれば、夕食前からはカフェインを口にしないイメージです。
1日の生活サイクルを丸ごと見直す
厚生労働省の『e-ヘルスネット』によれば規則正しい生活サイクルも寝つきと深く関係しているとの話です。
●起床時刻を一定にして朝日を浴びる
●朝食を欠かさない
●日光を浴びる
●昼寝はしても短時間
●夕方には軽く運動する
●お風呂は就寝の2~3時間前に済ませる
●お風呂上りは明るい光を浴びない(照明は暖色系に)
思い当たる部分があれば早速改めてみてください。
子どもと一緒に規則正しいルーティーンを確立する
HugKumの過去記事でも紹介したとおり、子どもは保護者の生活サイクルに大きな影響を受けます。親の入浴が遅ければ子どもも遅くなり、親が夜更かしすれば子どもの寝る時間も遅くなります。
子どもがなかなか寝なくて困っている場合は、まず保護者の生活サイクルを見直して、子どもと一緒に規則正しい生活のリズムを確立したいですね。
寝つきを良くする習慣アイディア集
医学書や厚生労働省の公式ホームページなど信ぴょう性の高い情報源を基に、ここまで寝つきの工夫を紹介してきました。
一方で子育て中のパパ・ママたちは、実際にどのように工夫して寝つきを改善しているのでしょうか?
全国に暮らす121人のパパ・ママにHugKumが行ったアンケート調査から幾つかの実例を紹介します。
大人編
楽しいことを考える
心の病気が不眠症の引き金になるように、悩み事は不眠症「状」の原因になります。子育て中は住宅ローンや子どもの学費・受験など悩みが尽きません。それでも眠れない夜は子育てのプラスの面に目を向けて、温かい思い出やエピソードを想像しながら寝床で口角を上げてみるといいかもしれませんね。
温かい飲み物を飲む
アロマをたく
足を温める
眠ろうと焦らない
子ども編
ここまで大人の寝つき対策を見てきましたが、世のパパ・ママは子どもの寝かしつけの際にどのような工夫をしているのでしょうか。
絵本の読み聞かせ
オルゴールのBGMを流す
寝る時間を決めて親も一緒に寝る
手をつないであげる
日中に体を動かす
HugKumの過去記事でも語られているとおり、昼間にたっぷりと遊びきれば子どもは夜にぐっすり眠ると言います。子どもが夜更かし型になる理由は日中の体を動かした遊び(太陽を浴びる時間)が少ないのかもしれません。
都市部に暮らしていると、どうしても子どもも運動不足になりがちです。放課後に親子で公園へ出掛ける時間や習い事(運動系)の機会を設けて、子どもが体を動かしきれるように工夫したいですね。
親子の寝つきを良くする習慣まとめ
全国のパパ・ママが親子で実践する寝つき習慣を紹介しましたが、いかがでしたか? 上述した対策や注意点を意識しても問題がなかなか解決しない場合は、心や体の病気が隠れている心配もあります。どうしても改善できない場合は一度かかりつけの医師に相談してみてもいいかもしれませんね。
文/坂本正敬
【アンケート詳細】
回答者数:121人
年齢層:20代~50代
子育て中の人数:1人~5人
回答者の職業:主夫・主婦、会社員、公務員、会社役員、派遣・契約社員、パート・アルバイトなど
【参考】
※ 『ホーム・メディカ 家庭医学館』(小学館)
※ 『キッズ・メディカ安心百科 子どもの医学館』(小学館)