意外にシンプル!イライラせずに「子供を寝かしつける」プロの技術

子供の寝かしつけ、うまくいっていますか? お昼寝にせよ、夜の寝かしつけにせよ、子供がなかなか寝てくれないとなると、どうしてもストレスがたまります。そのストレスが子供に伝わるのか、親がイライラするほど子供も寝なくなって、どんどん悪循環にはまり込んでいきます。

そこで今回は助産師として活躍する小林いづみさん、さらには「snow+moon(スノー・ムーン)/こそだてサークル雪月」を主催、「エジリング」の愛称で知られるオリジナルスリングを考案し、赤ちゃんとママの体に優しいスリングとその使い方の普及に努める江尻由紀子さんに、子供の寝かしつけについて聞いてみました。

 

いい加減に寝てくれないかなとイライラ!みんなが子供の寝かしつけにかかっている時間は?

寝かしつけに、どの程度の時間がかかっていますか? 子供といっても乳児と幼児で寝かしつけの意味合いが違ってくるかと思いますが、マイナビニュースが女性151人に対して行った「子どもの寝かしつけにかかる平均・最長時間とその対応方法」の調査によると、最多の回答が、

  • 1位「30分」・・・32.5%
  • 2位「15分」・・・18.5%
  • 3位「10分」・・・14.6%

となっていました。寝かしつけに30分とは長く感じる人もいるかもしれませんが、一方で、寝かしつけに1時間、2時間かかって悩んでいる人の声もインターネット上のQ&Aサイトで散見されます。確かに筆者も、寝ない子供を揺らしているうちに、1時間経っていたなどの経験があります。親自身が寝不足だったり、何かを急いで片付けてしまいたいなどの気持ちがあったりすると、さすがに1時間、2時間はイライラしてしまいます。

 

子供の上手な寝かしつけ方の基本は?

遊び切れていれば、子どもは自然に寝付くもの

親としてイライラを感じずに、子供を上手に寝かしつける方法はあるのでしょうか? その点を助産師の小林さん、江尻さんに聞くと、同じ答えが返ってきました。昼寝にしても、夜の就寝にしても、

「子供は遊び切れていないと寝ませんし、遊び切れていれば勝手に眠ってくれます」

とのこと。実際に江尻さんのスリングサークルでは、子供が出す「一緒に遊ぼうサイン」をキャッチして遊んであげると、4~5カ月の乳児であっても、何の寝かしつけもせずに自然に昼寝に入るそうです。寝かしつけに苦労するお母さんがその様子を見て驚くといった場面もあるのだとか。助産師の小林さんも、しっかり遊んだ子供は、食事をしながらでも時間になれば勝手に「寝落ち」していくといいます。

子どもが寝付かなくなる悪循環とは?

子育てに家事に、場合によっては仕事にと忙しくしていると、子供が「遊ぼうサイン」を出してきても、付き合いきれない瞬間もあるかと思います。しかし、その遊ばないという選択肢が、

子供が寝ない→親も寝不足になる→疲れが取れずに、翌日以降も子供の遊びに親が付き合えない

といった悪循環の始まりになるのですね。子供の年齢に関係なく、体を使って一生懸命遊んであげるだけで、難しいテクニックがなくても子供はスッと眠ってくれるのだとか。言われてみれば、シンプルな話です。さらに、

「男の子、女の子関係なく、とことん体を使って遊んであげる場合、お父さんの役目も重要になってきます」

と小林助産師は話します。「女の子だから、それは危ない……」、「まだ小さいから、それは駄目……」という気持ちばかりで、子供の体を動かす機会を奪ってしまうと、やはり入眠に悪影響が出ると言います。親としては先回りしてリスクを回避した上で、外でも屋内でも、とことん子供が体を動かせる環境を作ってあげられるといいですね。

 

歌や音楽、オルゴールや絵本や動画、アプリを使った子供の上手な寝かしつけ方は?

寝かしつけアイテム、子どもに与える影響は?

では、歌や音楽、オルゴールや絵本など、いわゆる「寝かしつけアイテム」は意味がないのでしょうか。その点を聞くと、「寝かしつけアイテムを否定する気はない」と江尻さんは語ります。十分に子供が遊び切れているという前提を満たした上で、子供が寝る前に必ず触れる音楽、絵本、子守歌などを作ると、それらの音楽や歌、絵本を見聞きした途端に、条件反射で眠ってくれるようになるのだとか。

スマホを使った寝かしつけはNG!

ただ、「スマホ」を使った動画やアプリの寝かしつけは、ブルーライトが子供を興奮させ、入眠を妨げる恐れがあると小林助産師は言います。

「豆電球、電化製品の待機サインなどでも、子供の睡眠に悪影響を与えるという説があります」

「スマホ」は子供が寝る部屋には持ち込まない方がいいようです。また、アドバイスとして、

「例えば、子供が眠たくなるような昼の時間に友達とのランチを入れないなど、子供の睡眠に合わせた生活パターンを親が送るといった心掛けも大切だと思います」

大前提として体を使って遊ばせ、その上で子供の眠くなる時間を知り、入眠には歌や音楽、オルゴールや絵本をルーティーンで導入すると、子供の寝かしつけはかなり楽になりそうですね。

 

1歳?2歳?子供の寝かしつけはいつまで続く?続けるべき?

独り寝は、その子自身のタイミングを待って

ちなみに、そもそもの疑問ですが、この寝かしつけは一体子供が何歳になるまで必要なのでしょうか? 筆者の友人のオーストラリア人たちは、子供が幼稚園に通うころになると、子供部屋に子供を閉じ込めて、鍵を掛けて夜は1人で眠れるように訓練させると言っていました。しかし、子供が添い寝を求めているのに、「もう赤ちゃんじゃないんだから、1人で寝なさい」と言ってしまうと、何か子供の心の安定にネガティブな影響を与えるような気もしますよね。この点を助産師・小林いづみさんに聞くと、

「自然に自分から「もう1人で寝る」というタイミングが来ます。そのときまでは、無理して寝かしつけをやめる必要はありません」

と教えてくれました。もちろん、子供の成長に合わない形で、赤ちゃんのように扱う必要はないみたいですが、子供が求める限りは、何歳になっても普通に寄り添ってあげて問題ないみたいですね。

 

子供の寝かしつけについて基本的な考え方を紹介しました。江尻さんは「そもそも寝かしつけという言葉が、大人の都合を押し付けたような響きがあるような気もします」と言います。親の都合で、親の寝てほしい時間に寝かせよう、寝かせようとすると、逆に子供は寝ないという話も。

参考にしながら、日々の寝かしつけに役立ててみてください。

 

取材・文/坂本正敬 写真/繁延あづさ

 

【取材協力】

※ 小林いづみ・・・助産師。昭和33年、宮崎県生まれ。3人の子供の母親。まるまる育児を、個別ケアやクラスに来るママ・パパに伝え、一緒に勉強をする。トコ企画の骨盤ケアアドバンスセミナー、新生児ケアセミナー、赤ちゃん発達応援セミナー、トコ・カイロプラクティック学院の基本整体ペルビック、基本整体ベビー、まるまる育児アドバイザー養成セミナー、おとなまきアドバイザー養成セミナーなどを担当。東京都福生市の助産院、東京都品川駅近くのサロンでは、抱っこクラス、スリングレッスンクラス、発達応援クラス、個別ケアを受け持けもつ。

http://coubic.com/majotama

http://coubic.com/maaruikosodate

※ 江尻由紀子・・・全国で認知度を高めるスリング、通称「エジリング」の考案者。「snow+moon/こそだてサークル雪月」代表。2008年からママと赤ちゃんの体に優しいオリジナルスリングとまるまる抱っこの姿勢を崩さない、心地よく安全に抱っこができる「snow+moonオリジナルの使い方」を広げる活動とこそだてサークル雪月を開催する。現在は全国各地に「snow+moonスリングアドバイザー」がおり、連携して活動中。継続して指導が出来るよう、レッスンや子育てサークルを行っている。 富山県出身、富山在住。2児(15歳、12歳)の母。

Facebook:http://m.facebook.com/sizuku.snow.moon/

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