1969年より小学館の学年誌にて連載開始、1970年代にはアニメとなって登場し、国民的人気キャラクターとして半世紀もの間親しまれてきた『ドラえもん』。原典ともいえる「てんとう虫コミックス」は0(ゼロ)巻を含む46巻という圧倒的ボリュームで、スピンオフ作品や映画原作なども含めると、膨大な話数を有する一大コンテンツになっています。
そのドラえもんから、テーマ別に珠玉の「とっておき」ストーリーを抜き出して再編集した「とっておきドラえもん」シリーズが話題です。
『とっておきドラえもん わきあいあい家族編』が出た!
昨年末刊行された同シリーズの第一弾「むねいっぱい感動編」に続き、『とっておきドラえもん わきあいあい家族編』が出ました。
コロナ禍のステイホームで、家族や家庭といったテーマに向き合うことの多い風潮のなか、クスっと笑いながらもほんわか暖かくなる「家族ネタ」のドラえもんアンソロジーは、まさに今読みたい本。
第一話の冒頭をちょっとのぞいてみましょう。
絵/藤子・F・不二雄 ⓒ藤子プロ
「この話、覚えてる!」「なつかしい!」という反応をされたパパ・ママもいるかもしれませんね。
のび太は両親とドラえもんとの4人暮らしですが、そこはタイムマシンやどこでもドアを操るドラえもんのこと、過去や未来にも自由に行き来して、両親の子ども時代、若い頃の祖父母、はたまたのび太の子どもやその次世代まで、時空を超えた「家族」のドラマがどっさり。
選び抜かれた17作品の中には、のび太の野比家に限らず、ジャイアンやしずかちゃんなどの家族愛やきょうだい愛が描かれた回も登場します。
昭和時代の家族の話が令和の今でもすんなり入ってくるあたりに、ドラえもんワールドの普遍的な魅力がうかがえますね。
【特別版】はマグネット2枚セットの特典つき
実はこの『とっておきドラえもん わきあいあい家族編』には【特別版】が。通常版とはタイトルロゴの金箔カラーが違うんです。
そして何より注目は特別版だけの特典ふろく。
「いってらっしゃい&おかえりなさいマグネット」2枚セット!
家族のコミュニケーションに使えば、さらに「わきあいあい」に。
『とっておきドラえもん むねいっぱい感動編』もお忘れなく!
さて、「わきあいあい家族編」に先駆けて刊行されたシリーズ第一弾の『とっておきドラえもん むねいっぱい感動編』もお忘れなく。
映画「STAND BY ME ドラえもん」のモチーフともなった「さようなら、ドラえもん」や、同じく映画「STAND BY ME ドラえもん2」の1シーンとも重なる「おばあちゃんのおもいで」など、<ドラ泣き>の原点となる名作16選が収められています。
この「むねいっぱい感動編」も家族編と同様、特別版と通常版の2バージョン。
特別版の特典付録は「特製お祝袋&一筆箋&紙ケース」。コミックスで「むねいっぱい」になったあとは、ドラえもんの一筆箋で、大切な誰かにあたたかいメッセージを伝えてみませんか。
家族みんなで共有できる物語を
最後に「わきあいあい家族編」のカバー袖にも引用された、『ドラえもん』原作者、藤子・F・不二雄先生の言葉をご紹介します。
子どもに身に着けてほしいのは、硬直しない柔軟な考え方です。
そのためのひとつの方法として、乱読させています。
いわゆる良書に限りません。
世の中には、さまざまな世界があり、いろいろな人たちがいて、それぞれ違った考え方、生き方をしているのだということ。
それをわかってほしいと思うのです。<1978年『小学三年生』9月号より>
小説・実用本・まんがといったジャンルに限らず、さまざまな本に触れることによって視野を広げてほしいという願いは、いつの時代の親も同じですね。
そんな多様な世界への旅立ちの前に、親子で共有できる物語があってもいいかもしれません。世代によって隔てられることのない物語の普遍性が、これから出会う多くのドラマから掬い取るべき「大切なもの」を心に刻んでくれることでしょう。
「家族」をテーマとした笑えて泣ける名作を収録。通常のコミックスよりも大きいB6判サイズで作品を味わうことができます。お笑いコンビ麒麟の川島明さんによるドラえもん愛溢れる解説も収録。
<収録作品>
ママをとりかえっこ/弟をつくろう/夢まくらのおじいさん/ドラえもんとドラミちゃん/ママのダイヤを盗み出せ/ソノウソホント/スネ夫は理想のお兄さん/ふんわりズッシリメーター/人間カメラはそれなりに写る/くろうみそ/しんじゅ製造アコヤケース/のび太のなが~い家出/のび太の息子が家出した/地下鉄をつくっちゃえ/のび太が消えちゃう?/ジャイ子の新作まんが/パパもあまえんぼ
『ドラえもん』のジ~ンとくる感動作をたっぷり収録。『ドラえもん好き』の方はもちろん、まんが『ドラえもん』の入門編/ベスト盤として大人にもオススメのコミックスです。『STAND BY ME ドラえもん』シリーズの映画監督・山崎貴さんによる解説も収録。
<収録作品>
ぼくの生まれた日/台風のフー子/おばあちゃんのおもいで/ぼくをタスケロン/しずちゃんさようなら/森は生きている/雪山のロマンス/のび太の結婚前夜/ジ~ンと感動する話/さようなら、ドラえもん/帰ってきたドラえもん/ぞうとおじさん/思いだせ! あの日の感動/チョーダイハンド/ドラえもんが重病に?/45年後……
構成・文/HugKum編集部