【医師監修】子どもの肺炎の特徴は? 原因や治療法、風邪との見分け方、予防法を解説

お子さんに発熱や咳が続いている場合は、肺炎の可能性も疑われます。子どもがかかる肺炎には、さまざまな種類、原因があります。この記事では、子どもの肺炎の特徴、原因や治療法を解説していきます。また、風邪との見分け方、予防法もご紹介します。

子どもの肺炎の特徴

子どもの肺炎は、大人の肺炎とは違った特徴があります。どのような特徴があるのか、見ていきましょう。

子どもの肺炎の特徴は?  原因や治療法を解説

肺炎とは

肺炎は、肺の中にある細かい気管支のさらに奥にある肺胞という部分が炎症を起こす病気です。肺胞は、小さな袋がたくさん集まったような形状をしており、そこにウイルスや細菌が入り込んで炎症を起こすことを肺炎と言います。

子どもの肺炎の特徴1:子どもにかかりやすい肺炎がある

肺炎には大きく分けて、細菌が原因となる「細菌性肺炎」、ウイルスが原因となる「ウイルス性肺炎」、そして細菌でもウイルスでもない中間的な微生物が原因となる「非定型肺炎」の3タイプがあります。

子どもの肺炎は、そのうちの「ウイルス性肺炎」と「非定型肺炎」が多くなっています。さらにウイルス性肺炎には、インフルエンザウイルスやRSウイルスなどが原因となる肺炎、非定型肺炎には、マイコプラズマやクラミジアなどが原因となる肺炎があります。

子どもの肺炎の特徴2:大人の肺炎と症状が異なる

子どもの肺炎はウイルス性肺炎や非定型肺炎が多いことから、大人の肺炎とは症状が少し異なります。子どもの肺炎でよく見られる症状には、

・咳
・発熱
・身体のだるさ
・頭痛
・鼻水
・のどの痛み
・痰
・胸の痛み
・息苦しさ

などがあります。

子どもの肺炎の特徴3:子どもがかかりやすい肺炎の細菌やウイルスがある

子どもの肺炎の原因となりやすい菌やウイルスには、

・肺炎球菌
・インフルエンザ抗菌
・マイコプラズマ
・RSウイルス

があります。

いずれも、幼児や児童がかかりやすい病気の菌やウイルスが原因となっています。ただし、大人も感染して肺炎になることがあるので注意が必要です。

子どもの肺炎はうつる?

うつるかどうかは、肺炎の原因、個人の免疫力によって違います。

うつる肺炎には、「マイコプラズマ肺炎」や「肺炎クラミジア」「結核」などがあります。

病原体(病気の原因となる微生物)はうつるけれど、必ずしも肺炎になるとは限らないものには、インフルエンザなどの「ウイルス性肺炎」、肺炎球菌などが原因の「細菌性肺炎」があります。

うつらない肺炎は、喉や鼻に食べ物をつまらせてしまい、気管内に細菌が入って感染症を起こす「誤嚥性肺炎」、レジオネラという細菌に汚染された細かい水滴を吸入することで感染する「レジオネラ肺炎」があります。

肺炎は、飛沫感染や空気感染、接触感染によってうつります。手洗いやうがい、マスクなどをして予防することが大切です。

子どもの肺炎の原因

子どもの肺炎の原因となるのは、細菌やウイルスです。それぞれの細菌やウイルスを解説していきます。

肺炎球菌や黄色ブドウ球菌、百日咳菌などの細菌

肺炎球菌や黄色ブドウ球菌、百日咳菌などの細菌によってかかる肺炎を「細菌性肺炎」といいます。

肺炎球菌は文字どおり、肺炎の原因になる細菌で、もともと子どもの多くが保菌していますが、小さいお子さんは抵抗力がないため、発症することがあります。

黄色ブドウ球菌による肺炎は、頻度は高くありませんが、症状が重くなることがあります。

クラミジアが原因となる肺炎では、しつこい乾いた咳が長く続きます。症状が軽い場合には、自覚症状がないまま治癒することもあります。

コロナやRS、インフルエンザなどのウイルス

コロナやRSウィルス、インフルエンザなどのウイルスが原因の肺炎が「ウィルス性肺炎」です。ウイルスが喉や鼻から入ることで、咳や熱などの症状が出ます。

ウイルス性肺炎にかかるのは、3歳未満の子どもが多くなっています。

マイコプラズマ

マイコプラズマはウイルスと細菌の中間的な微生物で、マイコプラズマによる肺炎を「マイコプラズマ肺炎」といいます。肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)と呼ばれる微生物が原因です。

マイコプラズマ肺炎の特徴は、激しい咳が続くこと。また、5歳以上のお子さんの感染が多くなっています。

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クラミジア

クラミジアが原因となる肺炎では、しつこい乾いた咳が長く続きます。症状が軽い場合には、自覚症状がないまま治癒することもあります。

子どもの肺炎の症状と経過

子どもの肺炎の症状、そしてどのような経過をたどるのかを見ていきましょう。

症状

子どもの肺炎の症状には、

・発熱や鼻水のような風邪の症状が初期にみられる
・痰がからんだような湿った咳が続く
・38度以上の高熱が5日以上続く
・脈が速くなり、息苦しくなる

などがあります。

経過

薬を投与することで多くの場合、症状は改善します。

1歳以上から2歳未満の子どもで、ウイルス性肺炎の場合は、自然経過でよくなることも少なくありません。

ただし、重症化すると、ぐったりする、食欲がなくなる、けいれんを起こす、意識がない、脱水症状を起こすなどの症状が出ることがあります。

子どもの肺炎、風邪との見分け方

肺炎と風邪の症状は非常に似ています。見分け方のポイントをご紹介します。

見分け方1:発熱・咳・痰の症状が出ている

肺炎時に必ず起きる症状には、発熱、痰が絡んだ湿った咳が出ることがあげられます。これら3つの症状があるかどうか確認しましょう。

見分け方2:呼吸しにくい

肩で息をしている、呼吸が浅い、息切れしている、胸の痛みなどの症状があれば、肺炎の可能性があります。

見分け方3:明らかに元気がない

いつもよりも明らかに元気がない様子であれば、風邪ではなく、肺炎かもしれません。元気がないときは、すぐに医療機関を受診してください。

病院に行く目安

3日たっても回復せず、症状が悪化しているように感じられる場合は病院を受診してください。

子どもの肺炎の治療法

子どもの肺炎の治療法は、肺炎の種類によって異なります。どのような治療法があるのか解説します。

子どもの肺炎の治療法や病院にかかるタイミングは?

投薬治療

細菌性肺炎やマイコプラズマ肺炎は、抗菌薬の投薬治療を行います。処方された期間、抗菌薬をしっかり飲むようにします。

対症療法

ウイルス性肺炎には、抗菌薬は効きません。そのため、咳止め薬や去痰薬、気管支拡張薬などによって、肺炎の症状を和らげます。

入院治療をすることも

重症の肺炎になると、入院治療が必要になることもあります。入院が必要になる場合は、

・酸素投与が必要な状態
・脱水症状を起こしている(飲み物が飲めない)
・抗菌薬が飲めない場合
・咳き込んで、夜眠れない場合

などです。
酸素欠乏状態であれば、酸素投与が必要となるため、入院して酸素治療を受けます。
また、よく肉眼使用される抗菌薬が飲めない場合は点滴で入れる必要があるため、入院しなければなりません。

肺炎の子どもを楽にするホームケア

肺炎の子どもをお家でケアするにはどうしたらよいのでしょうか。正しいホームケアの仕方をご紹介します。

お風呂に入ってもいい?

食欲があったり、機嫌がよければ、お風呂に入ってもかまいません。ただし、咳がひどい、高熱が出ている場合は体を拭いてあげる程度にしましょう。

部屋を加湿する

空気が乾燥していると、咳が出やすくなります。加湿器を使ったり、お部屋に濡れたタオルをかけたりして、60%前後の湿度を保つようにしてください。

上半身を起こした体勢で呼吸を楽に

仰向けや横向きで寝ると咳がひどくなる場合があります。そのような場合には、背中に枕やクッションをあてて、上半身を起こした体勢にしてあげると、呼吸が楽になります。

水分をとる

水分をしっかりとり、喉を湿らせましょう。喉を湿らせることで、痰の切れもよくなり、汗となって失われた水分を補うことができます。いつもより多めにお水やお茶を飲ませるようにします。脱水症状を起こしているようなら経口補水液を使ってください。

子どもの肺炎を予防するには?

肺炎には有効な予防策があります。日常からできることばかりですので、しっかり対策をして、肺炎を予防しましょう。

うがい・手洗いの徹底

多くの細菌やウイルスは、手や口、鼻から侵入してきます。ですので、うがい・手洗いを徹底することで、手や口の中についたウイルスを減らることが効果的です。

うがい・手洗いをするタイミングは、外から帰ってきたとき、トイレのあと、ご飯を食べる前などです。また、タオルは1人に1枚用意し、清潔なものを使うこともポイントです。

免疫力を高める

日頃から免疫力を高めることを意識すると、細菌やウイルスに負けない体になります。免疫力を高めるには、しっかりと睡眠をとり、バランスのよい食事を心がけ、規則正しい生活を送るようにしましょう。

食事時の姿勢に注意

食べ物を食べているときに、誤って喉頭と気管に食べ物が入ってしまう状態を「誤嚥」といいます。1歳ころのお子さんは、誤嚥性肺炎を起こしやすいので気をつけましょう。

口の中を清潔に

口の中の機能が低下していると、誤嚥をする可能性が高くなります。口腔内を清潔に保つことも、機能の低下を防ぎ、肺炎予防につながりますので、歯みがきをしっかり行いましょう。

ワクチンを接種

ワクチンを接種することで肺炎を予防できます。肺炎予防につながるワクチンには、小児の肺炎球菌感染症を予防する「小児用肺炎球菌ワクチン」や、インフルエンザ菌b型による感染症を予防する「ヒブワクチン」、インフルエンザウイルスを予防する「インフルエンザワクチン」などがあります。

年齢によって回数などが異なりますので、ワクチン接種のスケジュールなどをかかりつけの小児科で相談するとよいでしょう。

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日頃から肺炎予防を心がける

子どもが元気そうであっても、3日ほど経過しても症状がよくならない場合は病院を受診してください。肺炎の原因となる細菌やウイルスはたくさんあるので、治療にはそれぞれに合った抗菌薬や肉眼薬を服用することが必要になります。
咳が長引き、呼吸がしにくくなることもある肺炎は、小さな子どもにとっては、とてもつらく、体力を消耗します。肺炎は毎日の生活習慣で予防できます。日頃から肺炎予防を心がけましょう。

記事監修

院長 塚田 佳子
けいこ豊洲こどもクリニック院長
塚田 佳子

けいこ豊洲こどもクリニック院長。小児科専門医、子どもの心相談医であり、年子二児の母親でもある。
略歴│獨協医科大学医学部卒業 獨協医科大学附属病院勤務 那須赤十字病院勤務(小児神経外来) 獨協医科大学医学部 小児科学教室 非常勤助教(小児神経)
資格・所属学会│小児科専門医 子どもの心相談医 身体障害者福祉法指定医 医学博士 日本小児科学会 日本小児科医会 日本アレルギー学会 日本小児神経学会 日本てんかん学会

けいこ豊洲こどもクリニック

文・構成/HugKum編集部

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