入院中の子どもと家族を支える「ドナルド・マクドナルド・ハウス」に、私たちができること

もし、子どもが病気になったら?そして、自宅から離れた病院に入院しなければならなくなったら? 子どもに付き添う家族は、どこで、どのように生活すればよいのでしょう。

小児病棟を備えた病院の近くに設置された滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」

幼い子どもの場合、入院中は家族の付き添いが必要です。でも病院には、家族が宿泊するための場所や設備は用意されていないことがほとんどです。子どもと一緒に過ごすため、病室に簡易ベッドを置いて寝泊まりし、食事は冷たいお弁当……。こんな形で付き添いを続けている家族も多いのです。

「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は、自宅から離れて入院治療を受けている子どもと、その家族が利用できる滞在施設です。1974年にアメリカで誕生し、現在では43の国と地域に365のハウスがつくられています。

▲2018年10月現在、日本には12のハウスがあります。写真の「東大ハウス」は8番目に設立されたもの。東京大学医学部付属病院に隣接しています。

親が安定していることが、子供の治療によい効果をもたらします

「治療は医師や看護師だけで行うものではありません。とくに子どもの場合、欠かせないのがファミリーサポート。家族の近くで子どもが安心して過ごせることは、治療の効果を高めるのに役立ちます」(東京大学医学部付属病院 看護部長 小見山智恵子さん)

子どもは、親の気持ちを敏感に察するものです。言葉に出さなくても、不安やイライラはそのまま子どもに伝わってしまいます。親ができる何よりの手助けは、子どもにとって「安心できる存在」であり続けること。そのためには、親自身のケアも必要なのです。

▲共用スペースは、利用者の交流の場でもあります。悩みを共有したり、情報交換をしたり……。何気ないおしゃべりに励まされることもあると言います。

「第2の我が家」でリラックスできる時間を

「ドナルド・マクドナルド・ハウス」のコンセプトは、「我が家のようにくつろげる第2の家」。子どもとその家族が、リラックスして「普段どおり」の時間を過ごせる場になっています。ベッドルームは個室で、バス・トイレ付き。共用スペースには、自由に利用できるキッチンやダイニングスペース、子どものためのプレイルームなどが備えられています。

いつでも病室に駆けつけられる距離にいられる安心感に加え、温かい食事やゆっくり休める環境は、病気と向き合う緊張感をほぐすのに役立ちます。そして、心と体を癒すことによって、翌日も笑顔で子どもと過ごすパワーがチャージされるのです。

▲「東大ハウス」は、12家族の利用が可能。ベッドやソファのカバーやラグなど、あちこちに置かれた手づくりのアイテムで、ハウスが家庭的な雰囲気に。

ハウスを支えるために、私たちにできること

「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の利用料金は、ひとり一日1000円。

すべてのハウスは、地域のボランティアと寄付によって運営されています。クローク業務や清掃、イベントサポートなどのボランティアは、2週間に1回、3時間の活動から参加が可能。募金や物品の寄付も随時受け付けています。

「ハッピーセット」一つにつき50円が家族の支援に

また、2018年10月28日(日)には、全国のマクドナルドで「マックハッピーデー」が実施されます。「ハッピーセット」を購入すると、1セットにつき50円が「ドナルド・マクドナルド・ハウス」へ寄付されます。

さらに、10月15日(月)からは「マックハッピーデー チャリティオークション」がスタートしています。専用サイトに、芸能人やスポーツ選手の愛用品やサイン入りアイテムが出品され、落札総額が「ドナルド・マクドナルド・ハウス」に贈られます。

病気と闘う子どもと、その家族のために。小さな支援も、積み重なれば大きなパワーになります。「私にもできること」から始めてみませんか?

▲マックハッピーデー限定でハッピーセットについてくる「パタパタハンドビル」。順序通りに開いていくと、「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の役割がわかります。

 

公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン

※物品の寄付は、上記サイトで各ハウスのWish Listを参照。ハウスに連絡し、配送方法などを事前に確認してください。

取材・文/野口久美子

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