玄関は、家に入ってはじめに目に付くことから「家の顔」とも呼ばれる場所です。汚れる原因はさまざまですが、掃除を怠っているとゲストに不潔な印象を与えてしまいかねません。玄関の掃除方法ときれいに保つポイントについて解説します。
玄関掃除をする前に
毎日使う玄関は、汚れがたまりやすい場所の一つです。そのまま放置していると、靴や洋服にも汚れが付着してしまう可能性があり、衛生的にもよくありません。
汚れの原因と、掃除の前に確認しておきたいポイントについて解説します。
汚れの原因を知る
出入りの多い玄関は、靴に付着した砂や泥が落ちたり、ドアの開閉時にホコリが入り込んだりすることから、どうしても汚れやすい場所です。
特に、雨の日は泥や砂に水分が含まれているため、玄関に落ちたまま乾燥すると固まってしまい、簡単な掃除だけでは取りにくくなってしまいます。
また玄関には、自動車の排気ガスや花粉も入ってきます。泥やホコリと比べて粒子が小さいため目立ちませんが、アレルギーの原因になることもあるので、掃除機でしっかり吸い取る必要があります。
ほかにも、人の手が触れるドアノブには、汗や皮脂を含んだ手垢が付着しています。濡れたままの靴を収納してしまうと、靴箱も汚れ、カビや臭いの元となります。
玄関タイルの素材を確認する
玄関は、使っているタイルの素材によって掃除の方法が異なります。
大理石・御影石・ライムストーンなどの天然石を使用している場合には、特に注意が必要です。表面を強くこすると、傷が付いたりひび割れを起こしたりする危険性があります。できるだけやわらかい布で、汚れを拭き取るようにしましょう。
それでも汚れが取り除けないときは、ハウスクリーニング業者などの専門家に掃除を依頼するのがおすすめです。
一方、人工素材を使用している場合は、基本的にデッキブラシでこすり、水で洗い流せます。
玄関タイルの掃除方法
玄関タイルは大きく分けると、表面が「ツルツルしたタイプ」と「ザラザラしたタイプ」の2種類に分けられます。表面の質感によって、汚れの付着具合が変わるので、掃除方法を変える必要があります。
ただし、天然石を使用した玄関タイルは、やわらかい布で水拭きをする程度にとどめておくようにしましょう。玄関タイルの最適な掃除方法を質感別に紹介します。
ツルツルしたタイルの場合
表面がツルツルしたタイルは、汚れを落としやすいため、拭き掃除・掃き掃除できれいにします。掃除に必要な道具は以下の4点です。
・ほうき
・バケツ
・雑巾2枚(乾拭き用・水拭き用)
・メラミンスポンジ
ほうきがない場合は、掃除機を使っても構いません。バケツは汚れを洗い流す際に必要です。集合住宅で水を流せない場合は、湿らせた雑巾を汚れた部分に数分置いて、やわらかくしておきます。
雑巾は、水拭き用・乾拭き用に1枚ずつ用意しておきましょう。掃除の手順は以下のとおりです。
1.玄関にある靴や置物をすべて撤去する
2.ほうきで汚れを掃く
3.玄関全体にバケツで水をまく
4.雑巾で汚れを拭き取る
5.頑固な汚れはメラミンスポンジでこすり落とす
6.バケツで汚れを洗い流す
7.乾いた雑巾で水分をしっかりと拭き取る
掃除が終わったら、風通しをよくするためにドアを開け、きちんと乾燥させれば完了です。
ザラザラしたタイルの場合
表面がザラザラしたタイルは、凹凸に汚れが入り込んでしまうため、拭き掃除・掃き掃除だけではきれいになりません。「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」を活用しましょう。
掃除に必要な道具は、以下の5点です。
・重曹または、セスキ炭酸ソーダ
・ほうき
・バケツ
・雑巾2枚(乾拭き用・水拭き用)
・デッキブラシ
「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」は、凹凸に入り込んだ汚れを落としやすくする効果があります。デッキブラシで汚れをかき出しながら、磨いていくのがポイントです。
以下の手順で掃除を進めていきましょう。
1.玄関にある靴や置物をすべて撤去する
2.ほうきで汚れを掃く
3.濡らしたデッキブラシで磨く
4.バケツで汚れを洗い流す
5.乾いた雑巾で水分をしっかりと拭き取る
重曹やセスキ炭酸ソーダがタイルに残っていると、乾いたときに白くなってしまいます。水でよく洗い流したあとは、乾拭きをしてきれいに拭き取りましょう。
玄関ドアや靴箱も掃除しよう
玄関の床汚れを取り除いただけでは、きれいな玄関とはいえません。手垢が付きやすい玄関ドアや、臭いの元となる靴箱も一緒に掃除して、玄関全体をきれいにしましょう。
玄関ドアは重曹水で拭き掃除
手垢は開閉時に手が触れるドアノブだけでなく、玄関ドア自体にも付着しています。外のホコリや花粉なども付いているので、「重曹水」を使って拭き掃除をしましょう。
必要な道具は以下の5点です。
・バケツ
・重曹小さじ1杯
・ぬるま湯100ml
・ハンディーモップ
・雑巾3枚(重曹水用・乾拭き用・水拭き用)
バケツに、ぬるま湯100mlと重曹小さじ1杯を入れてよく混ぜておきます。ハンディーモップがない場合は、ブラシでも代用可能です。
以下の手順で掃除を行いましょう。
1.玄関ドアのホコリをハンディーモップで取り除く
2.雑巾に重曹水を付けてドアノブやドアを拭く
3.水拭きをする
4.乾拭きをして完了
重曹がドアに残らないように、水拭き・乾拭きでしっかり拭き取りましょう。
靴箱はアルコールでカビ予防
靴箱は汚れと臭いがたまりやすい場所です。靴には泥や砂のほかに、汗もしみ込んでいるため、脱いでからすぐに靴箱へ片づけるとカビが発生してしまうことがあります。
玄関の臭いが気になるときは、靴箱を掃除して、汚れを落としてから靴を入れるようにしましょう。必要な道具は以下の5点です。
・アルコールスプレー
・小さなほうき
・雑巾
・歯ブラシ
・新聞紙
臭いの元となる雑菌は、「アルコールスプレー」を使って除菌します。また、靴箱の奥の汚れを掃くために、小さめのほうきを用意しておくと便利です。
掃除機に細長いノズルを付けて、ほうきの代わりにしてもよいでしょう。掃除の手順は以下のとおりです。
1.靴箱の靴をすべて取り出し、新聞紙の上に並べる
2.靴箱のホコリやゴミをほうきで掃き出す
3.アルコールスプレーを靴箱全体に吹きかける
4.雑巾で汚れを拭き取る
5.靴箱の扉を開けて、30分ほど乾燥させる
6.乾燥中に靴の汚れを歯ブラシで落とす
せっかく靴箱をきれいにしても、靴自体が汚れていては収納した際に再び汚れてしまいます。乾燥中の時間を使って汚れを取り除き、臭いが気になる場合は消臭スプレーをかけて清潔にしておきましょう。
玄関の汚れを予防する方法
掃除をしてきれいになった玄関をキープするためには、日々のお手入れが肝心です。では、どうすれば汚れを予防できるのでしょうか?
玄関の汚れを予防する方法を二つ紹介します。
こまめに掃除をする
汚れを放置していると、固まって簡単に取り除けなくなってしまいます。こまめに掃除をして、汚れをためないようにしましょう。
掃き掃除の目安は週に1回です。掃き掃除では取りきれないタイルの目地に詰まった汚れは、月に1回の拭き掃除で徹底的にきれいにしておきましょう。
また、回数に関係なく、子どもが公園で遊んだあとや、雨で靴の汚れがひどい日には、早めに掃除をするのがポイントです。玄関の外の掃き掃除も同時に行えば、ホコリが侵入しにくくなるでしょう。
泥除けマットを敷く
そもそも汚れを持ち込まなければ、玄関は汚れません。玄関汚れの主な原因は、靴に付着した泥や砂です。
完全に汚れを取り除くことはできませんが「泥除けマット」を活用することで、大きな汚れを予防することが可能です。
泥除けマットとは、玄関の外に敷いて、靴に付着した汚れを取り除くアイテムです。靴の汚れを落とすことで、靴箱の汚れも軽減できます。
雨の日はもちろん、小さい子どもがいる家庭では、泥除けマットを踏むだけである程度の汚れが落ちるため、玄関汚れの予防に役立つでしょう。
きれいな玄関をキープしよう
毎日使う玄関には、靴に付着した砂や泥のほか、外から入り込む排気ガス・花粉・手垢などの汚れがたまっています。そのまま放置していると、不衛生なだけでなく、臭いの元にもなるので注意が必要です。
こまめな履き掃除や拭き掃除で、きれいな玄関をキープして、毎日気持ちよく外出できるようにしましょう。
構成・文/HugKum編集部