「馬車馬になるな。勉強して自分で考える人間になれ」。阿部寛演じる規格外教師の“桜木節”が炸裂した「ドラゴン桜」に注目

阿部寛さんが元暴走族のアウトローな教育者・桜木建二を熱演している「ドラゴン桜」(TBS系)。人気コミックのドラマ化第2弾で、16年ぶりの続編となり、桜木が再び、経営破綻寸前の高校を救うため東京大学への合格者を出すというミッションに挑んでいます。続編だけあって展開は予想がつくものの、阿部さんの堂々たる主演ぶりとパワフルな演出で、見る者を飽きさせません。物語が本格始動した第3話を振り返り、5月16日放送の第4話の注目ポイントを解説します。

偏差値40以下の高校から東大へ! 一発逆転の痛快なサクセスドラマとしてヒット

「ドラゴン桜」前作は、東大合格者を出して教育コンサルタントとして有名になることを狙った弁護士・桜木(阿部寛)が、偏差値40以下の高校生6人の中から3人の合格者を出すことに成功。一発逆転の痛快な学園ドラマとしてヒットしました。そのときの生徒役が長澤まさみさん、山下智久さん、新垣結衣さんという現在、主演クラスのスターたちです。今回の続編では、長澤さん演じる水野が東大卒の弁護士となって登場。水野は、教え子が東大不合格になって自殺未遂したというショッキングな事件以来、行方をくらましていた桜木を見つけ出し、2人で千葉の海沿いにある龍海(たつみ)学園高等学校に赴任しました。

生徒の平均偏差値が32という龍海学園。水野と桜木はそこで東大専科というクラスを新設し、東大を目指す生徒を募りました。そこに集まってきたのは、有名進学校に通う弟がいる天野(加藤清史郎)、バドミントンのトップ選手だった岩崎(平手友梨奈)、その友人で飽きっぽい性格の早瀬(南沙良)、姉とともにラーメン屋を切り盛りする瀬戸(髙橋海人/King & Prince)の4人。東大専科の公約は「東大合格者を1年目で5人出す」ということなので、今後も生徒が増えていきそうです。

第3話では東大専科の4人と、理系クラス首位の藤井(鈴鹿央士)が、東大の過去問題を解く勝負をし、基本に忠実に設問を解いた4人の方が高得点に。桜木は藤井に「お前は性格が悪いから(解答も説明不足になり)東大は無理だ」と言い放ち、藤井は勝負を見学していた同級生たちから、ここぞとばかりに笑われてしまいました。

そんな生徒たちに対して桜木が強烈なアドバイスの数々を言い放ちました。

「世の中の実態と仕組みを知らねえってことがバカなんだよ」

「国はお前らにただ働き続け、金を払い続ける国民であってほしい。馬車馬であってほしいんだ」

「自分は関係ねえからなんて言っていたら、一生だまされて高い金払わされ続けるぞ」

「本質を見抜き、自分なりの答えを出す力をつけろ」

「勉強ってのはな、この国で許された唯一の平等なんだ」

 

そして、桜木が「バカとブスこそ東大に行け!」という前作の決めゼリフを口にしたときは、水野も「出た」と感慨深げに。規格外の指導者・桜木が完全復活したシーンでした。

原作者からのメッセージ。勉強の目的は「世の中の仕組みを知って生き抜くこと」

この桜木節は、ドラマ前作でも原作漫画でも一番の見どころ。単純に「東大に入ってサクセスしよう」ということではなく、社会構造を分析した上で格差という現実を突きつけそこでサバイブする方法を示す桜木の三段論法が、子どもだけでなく大人の視聴者の胸にも響きます。これは原作者・三田紀房さんの作品ならではの面白さだと言えるでしょう。

勉強する目的は、学歴で箔をつけるためだけではなく、世の中の仕組みを理解するため。そして、税金を使う権力者に搾取されないようにするため。そうすれば働きづめにならず人間らしい生活を送れる。龍海学園の理事である龍野久美子(江口のりこ)が「生徒達に偏った思考を植えつけないでちょうだい」と反発したように、賛否両論がありそうですが、子どもに「なんのために勉強するのか」と質問されたとき、参考になる理屈ではあります。特に、劇中の生徒と同じ高校生、または中学生なら、学校や塾の先生が言わない本音の言葉に心動かされるのではないでしょうか。

勉強法も2021年版にアップデート。ITツール☓スパルタ方式が必勝法に!?

5月16日放送の第4話からは、本格的な受験勉強がスタートします。16年前とは違い、桜木が今どきの受験事情に合わせ“桜木メソッド”をアップデートしている点も見どころ。前作では生徒たちが学校に泊まり込んで朝から晩まで勉強漬けの日々を送るようなスパルタ方式でしたが、今回は働き方改革ならぬ学び方改革。まず自分の得意科目、苦手科目を知り、スマホアプリの「スタディサプリ」を使って効率的に勉強していくという方法になるようです。まるで「スタディサプリ」の宣伝のようなのですが、これは原作漫画どおりの展開。これまでやってきた「英語力をつけるためにTwitterやYou Tubeの発信者になる」という方法も、原作どおりです。

一方、前作ファンにとってうれしいのは、伝説の数学講師・柳鉄之介(品川徹)が登場すること。“東大数学の鬼”と呼ばれ、竹刀を持ってスパルタ指導をしては「詰め込みこそ真の教育」と言っていた柳ですが、そのスタンスは変化しているのか? 予告編では、前作でも登場した“バカ鉢巻き”を生徒たちがしているので、どうやらスパルタ式も健在のようです。

 

実際の受験シーンでも、スタディサプリやYou Tube動画でカリスマ講師の講義を見るという勉強法が当たり前になってきていますが、子どもたちは一方通行のオンライン授業だけではなかなか勉強を続けてはいけないもの。そういったITなど新しいツールを活用しつつ、身近に桜木や柳のような指導者がいて、対話しながらモチベーションを上げてくれるという環境がベストなのでしょう。

中学受験とちがって高校受験、大学受験ともなれば、親が手取り足取り勉強を教えるということはなくなり、学校や塾などでいかに良い教師と出会えるかということがポイントに。親は学費や塾代の捻出と健康面などのサポートに徹することになります。第4話では、東大専科の生徒の母親たちが桜木と面会し、桜木が「東大合格必勝法 家庭の10か条」というメソッドも伝授するので、子を持つ親にとっては参考になりそうです。

 

日曜劇場「ドラゴン桜」 TBS系列 日曜夜9時から放送

 

文/小田慶子

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