コバエの種類別の発生源
台所をウロチョロと飛び回るコバエに悩まされているという人も多いのではないでしょうか?
実は、「コバエ」は虫の名前ではなく小さなハエの総称で、種類によって発生源が異なります。有効的な撃退と対処には種類の断定が欠かせません。ここでは家の中に発生する、4種類のハエについて解説します。
キノコバエ
キノコバエは初夏の早朝に大量発生して、わずか4時間程度で死骸となるコバエの一種です。
発生場所はまだ完全には解明されていませんが、観葉植物のまわりに多く発生することから「腐葉土」が原因とも言われています。屋内に観葉植物を設置している家庭は注意が必要です。
適度な湿気と餌となる有機物が含まれた腐葉土は、キノコバエの幼虫が成長しやすい環境です。気温が30℃近くまで上昇すると成長がさらに促進し、大量に成虫が発生してしまいます。
また、大きさは2mm程で非常に小さく、網戸をしていても侵入してきます。短時間で死ぬため成虫を退治する手間はかかりませんが、大量の死骸を始末するのが大変です。
ショウジョウバエ
ショウジョウバエは、台所やゴミ箱まわりでよく見かけるハエで、生ゴミや腐ったものを餌にしています。
赤い目と黄褐色の体が特徴で、妖怪の猩々(しょうじょう)に似ていることから名づけられました。
窓の隙間から侵入して、餌となるゴミや食べ物に卵を植え付けて繁殖します。常温保存する根菜や果物も発生原因となるので注意しましょう。
寿命は約2カ月間と長く、そのまま放置していると毎日悩まされることになるので退治が必要です。
ノミバエ
ノミバエは生ゴミや植物のほか、ペットの排泄物や虫の死骸を発生源とするハエです。動きが素早く歩行もするため、退治しようとしても捕まえるのがむずかしいでしょう。
肉や魚などの食べ物の中に卵を産み付けて繁殖するため、見つけたら早めに駆除する必要があります。
2~3mmの大きさで、黒褐色の体が特徴です。世界中で生息しているハエで、後ろ脚がノミに似ていることから「ノミバエ」と名づけられました。
チョウバエ
トイレやバスルームなどで見かけるコバエは、チョウバエの可能性が高いでしょう。卵からサナギになるまでの期間は、有機物を多く含んだ汚泥や汚水などで過ごします。
成虫になると、それまで過ごしていた汚泥や汚水を栄養にして繁殖します。ハート型の羽は飛ぶ力が弱く、餌のある場所からあまり離れることはありません。
夜行性なので昼間は壁面や天井などに止まっていますが、暗くなると飛び回り出します。
小さいものは1mm程、大きなものでは4mm程にまで成長し、不衛生な場所で繁殖します。春から秋にかけて発生し、梅雨のじめじめとした季節が発生のピークです。
コバエが発生した際の撃退方法
目の前を飛び回るコバエを見つけたら、すぐに退治しましょう。コバエ専用の撃退アイテムがなくても、自宅にあるもので簡単に退治できます。コバエの撃退方法を2パターン紹介します。
めんつゆ・お酢でトラップを作る
薬剤を使わずに撃退したい人には、めんつゆ・お酢のトラップがおすすめです。
コバエは生ゴミだけでなく、しょうゆやお酢などの発酵食品も好みます。好物を餌としてコバエを引き寄せ、一気に撃退しましょう。必要な材料は以下の4点です。
・使い捨ての容器
・水
・めんつゆ(もしくはお酢)
・台所用洗剤
発酵臭を効率的に広げるために、口が大きな容器を使いましょう。また、台所用洗剤はコバエが好むかんきつ系の香りがおすすめです。トラップの作成手順は以下の通りです。
1.容器に水とめんつゆ、もしくはお酢を同量入れる
2.食器用洗剤を少量入れる
3.コバエをよく見かける場所に設置する
4.1週間ほど放置したら、そのまま捨てる
コバエが産卵してしまう可能性があるので、放置期間は1週間までにしましょう。
また、小さな子どもやペットのいる家庭では、誤って容器をひっくり返してしまう恐れがあります。棚の上など高い位置に設置するようにしましょう。
殺虫剤を使用する
殺虫剤を使用すれば、よりスピーディーに退治できます。ただし、殺虫剤の中には、虫だけでなく人にも強力な成分が含まれている商品もあるため、食品や子ども、ペットにかからないように注意しましょう。
またコバエの種類によって、効果的な殺虫剤が異なります。安全かつ確実に退治するためにも、殺虫成分や記載されている適用害虫も併せてチェックする必要があります。
殺虫剤にはスプレータイプのほか、吊り下げタイプ・置くタイプなど、さまざまな種類が販売されているので、用途に合わせて選びましょう。
おすすめのコバエ撃退アイテム
より効率的かつ確実にコバエを退治したい人には、市販のコバエ専用撃退アイテムが最適です。スプレータイプ・ゲルタイプ・粘着タイプ別に、おすすめアイテムを紹介します。
アース製薬「コバエがホイホイ」
コバエの習性を利用して、置くだけで誘引して駆除できる殺虫剤です。殺虫成分のジノテフランを有効成分とし、ショウジョウバエやノミバエを退治します。
先端に止まるコバエの習性を考慮して、容器の上部は止まり木をイメージしたデザインになっています。
内部にはコバエが好む色と香りの角切りゼリーを置き、誘引されたコバエが奥にもぐり込むうちに、有効成分が浸透して退治できる仕組みです。
使用環境にもよりますが、効果は1カ月ほど持続するので、発生し始める時期に設置しておくとよいでしょう。スプレータイプではないので、食品を扱う台所でも安心して使用できます。
キンチョー「コバエがいなくなるスプレー」
殺虫成分に、速効性のあるピレスロイド系トランスフルトリンを使用した、スプレー式殺虫剤です。コバエが飛んでいるゴミ箱まわりや排水口に、1プッシュするだけで簡単に駆除できます。
ゴミ箱・三角コーナー・排水口のほか、観葉植物まわりや浴室などの発生しやすい場所にスプレーしておけば、コバエの発生を予防できることもポイントです。効果は1週間程度になります。
適用害虫は、ショウジョウバエ・ノミバエ・チョウバエ・キノコバエで、家の中で見かけるほとんどのコバエに効果が期待できます。駆除も予防もできるので、1本持っていて損はないでしょう。
カモ井「カモ井の吊るすだけ」
コバエがよってきやすい黄色い粘着テープを採用し、その名の通り吊るすだけで空中を飛んでいる虫全般を退治できる商品です。
強力な粘着力によって、一度張り付いた虫は逃がしません。万が一粘着テープから虫が落下しても、下部に受け皿があるため床を汚さずに済みます。
殺虫成分を使わないため、台所、リビング、トイレなどのあらゆる場所に設置できます。サイズは横幅5.5×長さ55cmです。
コバエを発生させないための対策
コバエを1匹残らず撃退したら、発生を予防するためにきれいな空間をキープしましょう。予防のポイントは、発生源となる場所を作らないことです。
コバエを発生させない、具体的な対策を2パターン紹介します。
水回りを清潔に保つ
家中の水回りを定期的に掃除して、清潔に保つようにしましょう。台所の三角コーナーや排水口は、食べ物のカスや汚れがたまりやすいので、季節によってはあっという間にコバエが繁殖してしまいます。
また、洗濯機やバスルーム、洗面台などの排水口まわりも要チェックです。皮脂汚れや髪の毛などの有機物が含まれた汚水を餌として、コバエが発生してしまいます。
コバエは夜中や早朝に動きが活発になるので、夜のうちに三角コーナーや排水口に塩素系漂白剤をまいておきましょう。規定の時間放置したら洗い流せば、コバエの卵や雑菌の除去が可能です。
ゴミの管理を徹底する
コバエの餌となる生ゴミには、卵を産み付ける種類もいます。腐敗臭や発酵臭によってコバエが誘引されるので、水気をしっかり切ってから密閉し、臭いがもれないようにしてからゴミ箱に捨てましょう。
梅雨や夏場などで気温が高くなると、すぐに臭いが発生してしまうことがあります。ふた付きで密閉できるタイプのゴミ箱を使用するのも一つの方法です。
また、ゴミ箱は外側も内側も汚れが付着しています。ゴミ捨てだけでなくゴミ箱自体も掃除をして、徹底的な衛生管理を心掛けましょう。
コバエは増殖する前に撃退しよう
コバエを放置したままにしていると、あっという間に増殖してしまう危険性があります。見つけたらすぐに退治しましょう。効率的に退治するためには、どの種類が発生しているかをチェックして、種類に合ったグッズを使う必要があります。
駆除後は、コバエの発生場所となる水回りやゴミ箱を清潔に保って、快適に過ごしましょう。
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構成・文/HugKum編集部