トイレトレーニングを成功に導く3ステップとは?保健師が解説!

失敗してもいい!はじめてのトイレトレーニングのコツとは?

トイレトレーニングを笑顔で進めるコツは、親が「おむつはずし」をがんばるのではなく、子供自身の「おむつはずれ」を手助けするつもりで取り組むこと。パンツになるまでの道のりを、肩の力を抜いて見守っていくヒントをお届けします!

「主役はわが子!」
ペースを大切にしてほめながら進めていきましょう!

子供たちは社会に出れば「おしっこやうんちはトイレでする」というルールの中で暮らしていくことになります。ですが、今、おむつをしている子がある日突然トイレに行けるようになるわけではありません。社会に出るための準備のひとつとして、大人が「こうするんだよ」と教えていく必要があります。

トイレトレーニングで大切なのは、「自分で歩ける」「意思表示ができる」「おしっこをある程度ためられる」といった子供の心身の準備ができているかをよく見極めてから始めること。一般的には、排泄機能が発達して、「自分でやってみたい」という気持ちが芽生える2歳前後の時期に始めるのがよいと言われていますが、わが子のペースを尊重しましょう。

おむつを卒業するのは子供本人であって、おうちの方はいわばそのサポート役です。気負わず、あせらずに、成功したときにたくさんほめることで、子供の「できた!」という喜びに共感しながら進めていけるといいですね。

 

無理なく進めるための5つのポイント

1「した」「見る」「聞く」をセットで

おしっこを「した」ときに、出たおしっこを「見る」こと、そして「おしっこ出たね」といった大人からの声かけを「聞く」ことで、「これがおしっこなんだ」と認識できるようになります。

2トイレに座らせるのは2~3分まで

おしっこが出ないのにずっと座らせていると、子供はプレッシャーを感じてしまいます。2~3分座らせても出ないときは、出るまで待つのではなく、「またあとでね」と切り上げて。

3失敗しても怒らない、あせらない

トイレトレーニングは失敗するのが当たり前。パンツにするのは、おうちの方の心の準備ができてからにしましょう。進むペースはひとりずつ違うので、周りの子と比べないことが大切です。

4トイレトレーニング以外の ことにも目を向ける

遊びに夢中だと、トイレに行きそびれて失敗することも。でも、それほどまでに何かに夢中になるということは成長につながる大切な体験です。「トイレだけがすべてではない」ことを忘れずに。

5「後戻りはよくあること」と考えて

トイレトレーニングは、できたりできなかったりを繰り返しながら、やがてはできるようになっていくもの。後戻りすることがあっても「よくあること」と考え、あせらずに見守りましょう。

マイペースで 大丈夫! おむつ卒業までの基本ステップ

子供の様子をよく観察し、ひとつずつステップを踏みながらトイレトレーニングを進めていきましょう。うまくいかないときは、ひと休みしたり前のステップに戻ったりしながら、無理のないペースを心がけて。

 

トレーニングを始める前に子供の準備ができているかチェック!

トイレでおしっこができるようになるには、下の3つの条件をすべて満たしている必要があります。どれかひとつでも満たしていない場合はトレーニング開始にはまだ早いので、大人がトイレに行くときに一緒に連れて行 ったり、トイレの絵本を読んだりしてイメージをふくらませながら、もう少し待ってみることをおすすめします。

トイレに親しみがもてる工夫を

好きなキャラクターのごほうびシールを用意したり、好きな色の補助便座を選んだりすると、トイレに親しみがもてるように。遊び場にならない程度に、おもちゃを置くのもよいでしょう。

□ひとりで歩ける
□大人の言うことがある程度わかり、「おしっこしたい」という意思表示ができる
□おしっこの間隔が2時間 くらいあく

この3つの条件がそろったらスタート!

トイレトレーニングを成功に導くための3ステップ

ステップ1 出そうなときにトイレに誘う

モジモジするなど、おしっこが出るサインが見られたら、「トイレに行ってみる?」と子供の気持ちを聞くような言い方で誘います。起床後やお昼寝のあと、食事やお出かけ前などのタイミングでの声かけも効果的。トイレでできたときは「おしっこ出たね」と声をかけ、たくさんほめましょう。

 

ステップ2 成功する回数が増えたら日中だけパンツに

2回に1回くらいはトイレでおしっこができるようになったら、日中だけパンツにはき替えます。この時期は「失敗しても当たり前」と考え、おもらしをしても叱らずにササッと後始末を。外出時には「すぐにトイレに行けないかもしれないから、こちらにしてね」とお願いして、おむつやトレーニングパンツを使ってもかまいません。

 

ステップ3 トイレに誘うのをやめて自分から言い出すのを待つ

日中はパンツで過ごせるようになってきたら、声をかけるのをやめて、子供が自分から「おしっこしたい」と意思表示をするのを待ちます。おしっこがたまる感覚を知り、おしっこをしたくなってもトイレまで我慢する練習をすることが大切なので、失敗することがあっても、おうちの方からは声をかけずに見守りましょう。

 

イライラしたら、ママもひと休み

ママだって人間なので、失敗が続くとイライラするのは仕方のないこと。そんなときはパパや友人に気持ちを聞いてもらったり、子供を預けて自分の時間をつくったりしてリフレッシュを。トレーニングもひと休みしましょう。

ゴールはおしっこが出る前に言えるようになること

「おしっこが出そうだ」という感覚がわかり、自分からそのことを言えるようになれば、トイレトレーニング完了です。時には失敗することもあるかもしれませんが、成功したときにたくさんほめることで、自信をつけていきましょう。

夜はまだおむつのままでOK

夜は体に水分をためるホルモンの働きでおしっこがコントロールされていて、子供自身の意思でおしっこを出すことができる昼間とは排泄の仕組みが異なります。そのため、夜は子供がぐっすり眠れることを第一に考え、しばらくはおむつのままにしていてもかまいません。

 

有澤順子先生

お話:有澤順子先生

保健師として、東京都世田谷区の「おでかけひろばSHIP」で10年間にわたり育児相談などを担当。2人の男の子を育てたママでもある。

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