布団乾燥機でダニは退治可能?
湿気があり、髪の毛やフケなど養分が豊富な布団は、非常にダニが繁殖しやすい環境です。ダニを退治するために布団乾燥機を活用する方法を見ていきましょう。
50℃以上の熱で死滅
ダニの繁殖した布団を使用していると体がかゆくなったり、アレルギー症状が出たりすることがあります。ダニを撃退する方法は天日干しがよく知られていますが、布団を干すだけではダニを死滅させることは困難です。ダニは熱に弱いという性質があり、一般に50℃以上の高温になると死滅するといわれます。布団乾燥機は熱風を送ることで最高で60~70℃まで布団を温められるため、その熱によってダニを退治するのです。
布団を乾かして湿気を除去するだけでなく、ダニを死滅させるほど高い温度にできるのが布団乾燥機の特長になります。温風を送ることで布団を高温に保つ布団乾燥機なら、季節を問わず1年中ダニに対処できるのもメリットです。
ダニ退治のポイント
ダニ対策のために布団乾燥機をかけたのに、効果が感じられないことも珍しくありません。しっかりと効果を発揮するために、押さえておきたいポイントを解説します。
熱をしっかり行き渡らせる
布団乾燥機でダニ退治をするときは、布団に熱を行き渡らせて全体を高温にすることが重要です。布団をしっかり温めるには、部屋の温度にも気を配りましょう。
室温が低いと布団の温度が上がりにくいため、事前に暖房などで室温を上げておきます。また、布団をより乾燥させるために、部屋の湿度は低い状態が望ましいでしょう。
乾燥機をかけるときにも工夫が必要です。普段通りに使うだけでは温度が上がっていない部分にダニが逃げてしまうため、乾燥機シートで布団をくるみ、その上から掛け布団を乗せて温風を送ることで満遍なく風を当てましょう。ダニ退治用モードがある場合は、それを利用して布団の両面を乾燥させます。
乾燥後に掃除機をかける
単にダニを死滅させただけでは、完璧なダニ対策とはいえません。乾燥機をかけた後にはダニの死骸が布団に残っているため、そのままにしておくとアレルギーの原因物質になり、喘息やアトピーなどを引き起こす危険性もあります。
ダニ退治をした後は、忘れずに掃除機をかけましょう。ダニは温度が低い方へ逃げていくため、まずはそっと布団を裏返して乾燥機をかけていない面から掃除機をかけます。
奥まで吸引できるように、たっぷりと時間を使って少しずつ掃除機を動かすことを意識しましょう。布団が動かないよう、四隅を固定するのも効果的です。
同様に、反対側もゆっくりと掃除機をかけましょう。「布団用のノズル」がある場合は、使用すると吸引力が高まります。掃除機をかけている間はダニの死骸やホコリが舞い上がるため、空気清浄機の利用もおすすめです。
1度のみの使用では不十分
睡眠時には毎日コップ1杯程度の汗をかくといわれており、1度乾燥させても布団は毎日の使用で湿気を帯びていきます。しっかりダニ退治をしても、またダニが発生しやすい環境に戻ってしまうのです。
ダニを完全に死滅させたい場合、朝晩2回、3日間連続で乾燥機をかけてみましょう。布団の両面を乾燥させ、温度の低い裏面に逃げたダニまで退治することができます。
普段からダニの発生を防ぎたい場合は、湿気の多い夏や梅雨の時期であれば1~2週間に1度のペースで乾燥機をかけるとよいでしょう。乾燥している寒い時期なら1カ月に1度でも十分です。
アレルギー症状がある人や部屋の湿度が高いと感じる人は、こまめに布団を乾かすようにしましょう。
布団乾燥機の選び方
布団乾燥機は、メーカーによってさまざまな機能を持った製品があります。ダニ退治に適した乾燥機を選ぶポイントを見ていきましょう。
ダニ対策機能の有無を確認
最初にチェックすべき点は、ダニ対策機能が搭載されているかどうかです。通常の乾燥は30分程度で終わってしまうため、ダニを死滅させるには不十分な場合もあります。短いもので1時間、長いものでは6時間かけて布団の湿気を除去するダニ対策機能は、通常より時間がかかる点がデメリットですが、その分効率よくダニを死滅させることが可能です。ダニ対策機能がある乾燥機の場合、メーカーや商品によって時間は異なりますが50℃以上の高温でしっかりダニを退治します。
対応サイズや素材をチェック
布団乾燥機は機種によって、対応する布団のサイズと素材が異なります。大きなサイズの布団に対応しているものほど乾燥させる力が強力だと考えられるため、普段使っている布団より一回り大きなサイズに対応したものを選ぶとよいでしょう。
最近の布団乾燥機はほとんどの素材に対応していますが、機種によっては羽毛などの繊細な布団を傷めてしまう可能性もあります。熱に弱い素材で作られた布団もあるため、使用する際は注意しましょう。
また、マットタイプの乾燥機の場合は、事前に乾燥マットの長さを把握しておく必要があります。
布団乾燥以外の機能もあると便利
布団の湿気取りやダニ退治といった基本的な機能はもちろん、普段の生活に適した付加機能が備わった布団乾燥機を選びましょう。アタッチメントを利用して布団以外に洋服や靴を乾燥させたり、暑い時期には乾燥後の布団を冷たい風でクールダウンさせたりとさまざまな機能があります。
他にも、嫌な臭いを抑える脱臭機能や冬に嬉しい保温機能など、最近の機種は多彩な機能を備えたものが多くなっています。事前に付加機能も確認しておきましょう。
布団乾燥機の種類
布団乾燥機には、敷き布団と掛け布団の間に専用マットを入れて乾燥させる「マットありタイプ」と、「マットなしタイプ」があります。主な特徴やメリットを見ていきましょう。
手軽に使えるマットなしタイプ
近年主流になっているのが、布団の間に直接ノズルを差し込んで温風を送るマットなしタイプの乾燥機です。小型で軽く収納しやすい点や、準備に手間がかからず片付けるのも簡単であるため、マットありタイプよりも需要があるといえます。
デメリットは、ノズルの送風口から温風を送るため、布団全体に熱を行き渡らせるのに時間がかかる点です。そのままでは温まりにくい箇所もできてしまい、全体を一定の温度にするために送風口を移動させるなどの工夫が必要で、ダニ退治には長い時間がかかる場合もあります。
ムラなく熱が伝わるマットありタイプ
専用マットを布団の間に入れて使用し、マットなしタイプに比べてリーズナブルに購入できるのがメリットの一つです。乾燥マットに温風が送られ、マット全体が高温になるため、1度に広い範囲へ熱を伝えることができます。
隅々まで等しく高温になりやすくダニ対策には有効です。丈の長い布団も乾燥させられるよう、乾燥マットが長めのものを選ぶのがよいでしょう。
マットありタイプは、マットがある分収納にもスペースを要し、使用するたびにマットの準備や片付けに時間がかかる点がデメリットとなります。
マットなし布団乾燥機のおすすめ
ダニ対策に役立つ、マットなしタイプのおすすめ布団乾燥機を紹介します。
アイリスオーヤマ「ふとん乾燥機 ハイパワーシングルノズル FK-H1」
「カラリエ」シリーズのハイパワーモデルは立体ノズルが特徴で、短時間で布団全体に熱を伝えることが可能です。立体ノズルが布団の間に空間を生み出すため、布団の端まで風が行き渡りやすく、ダニ退治にも効果を発揮します。
コンパクトなデザインながら、ターボモードなら乾燥は30分、温めは5分と短時間で完了するパワフルさが魅力です。長いホースによりダブルサイズの布団の足元まで温風が届くため、大きな布団でも安心して使用できます。9段階のタイマー機能や、操作性が高く見やすい液晶画面も嬉しいポイントです。運転終了後も最大2時間まで温かさをキープできる「保温モード」が搭載されているので、寒い時期は助かるでしょう。
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シャープ「ふとん乾燥機 UD-DF1」
最大110cmまで伸びるホースを本体内部に収納でき、コンパクトな見た目が特徴で、狭いスペースに置くことができる使い勝手のよさが魅力です。プラズマクラスターが搭載されており、乾燥だけでなく汗や臭いが染みこんだ、布団や枕を消臭する機能を備えています。プラズマクラスターはダニ対策にも活躍し、ダニのふんや死骸などアレルギー原因物質の影響を軽減する効果も期待できるでしょう。
ノズルには胞子を飛ばすきのこの形状を応用した独自の「きのこアタッチメント」を採用しており、大きなサイズの布団でも温風とイオンが隅々まで届きます。室内の小空間を消臭する空気浄化運転機能は、臭いがこもりやすい部屋干しにも利用可能です。
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マットあり布団乾燥機のおすすめ
次に、マットありタイプのおすすめの布団乾燥機を紹介します。
パナソニック「ふとん乾燥機 マットタイプ FD-F06J7」
117×180cmと大きなサイズの乾燥マットは、一度で広い範囲に満遍なく熱を伝えることができるためダニ対策にも適しています。
衣類用のカバーが付属しており、布団以外にも広く利用できます。専用のアタッチメントで濡れた靴や小物も素早く乾かすことができるので、梅雨や台風時期には便利でしょう。
使用後はマットをホースにつないだまま本体内部に収納可能となっており、マットありタイプでもそれほど場所を取りません。電源コードも同様に収納できるため、狭いスペースでも置いておけるのがメリットです。
三菱電機「フトンクリニック AD-X80」
ダークブラウンの丸みのあるフォルムが特徴です。ダブルサイズの布団も隅々まで温めることができ、布団とマットの間に枕を入れれば、枕もまとめて乾燥できる便利な商品です。
ダニ退治に使用できる「ヒートパンチマット」が付属しており、布団をマットで包み込んで乾燥させることで中綿までしっかりと温風が行き渡ります。布団全体が60℃に保たれるため、より効果的なダニ対策を行うことが可能です。
枕用の乾燥マットも付属しており、枕のダニ対策やぬいぐるみなどの小物を乾燥させたいときに役立ちます。室温に合わせて布団の温度を調整する「快適温度コントロール」機能が搭載されており、季節に応じてちょうどいい温度で眠ることができるでしょう。
ママパパの口コミ
布団乾燥機があればダニ退治も簡単
布団にダニが繁殖すると、寝ている間に体を刺されるだけでなく、アレルギー症状などの被害を引き起こすことも考えられます。家で簡単にダニ退治をするには、布団乾燥機を利用するのがおすすめです。布団を50℃以上に保つことができる布団乾燥機は、熱に弱いダニを死滅させるだけでなく、湿気を取り除いてダニの発生を抑える効果も期待できます。
さまざまな機能を備えた乾燥機は、布団を乾かす以外にも多くの場面で役立つアイテムです。ライフスタイルに合った布団乾燥機を見つけて、より快適な睡眠を取れるようにしましょう。
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文・構成/HugKum編集部