【小学生SDGsサミット2021】2030年の夏に、みんなが快適に暮らすためのアイデア。小学生のプレゼン内容が圧巻!

【小学生SDGsサミット2021】事務局が小学5、6年生を対象に、「SDGsの目標期限となる2030年の夏に、みんなが快適に暮らすためのアイデア」を募集。500件を超える応募の中から優秀賞を受賞した小学生によるプレゼンテーションを行いました。
子どもたちによるアイデアの発表だけでなく、SDGsの第一人者でもある蟹江憲史氏による基調講演や、サミットに協力している企業・団体による環境対策に関する講演などオンラインで開催されたイベントの内容を紹介します。

【小学生SDGsサミット2021】とは?


朝日小学生新聞・読売KODOMO新聞・株式会社伊藤園がタッグを組んで、小学生とともに持続可能な社会の実現にむけて課題に取り組む【小学生SDGsサミット2021】を開催。小学5~6年生を対象に、「SDGsの目標期限となる2030年の夏に、みんなが快適に暮らすためのアイデア」というテーマでアイデアを募集しました。

SDGsって何だろう?


リモートでイベントに参加したSDGsの第一人者でもある蟹江憲史先生は、「SDGsって何だろう?」をテーマに講演。2030年までに目標を達成するために大切なことを教えてくれました。

【SDGsの目標を達成するために大切なこと3つ】

1.目標から考えること

「SDGsには、17の目標があります。状況、地域、世代に合わせてどのように目標を達成するのかみんなで考えることが大切。大人になるといろいろなしがらみがあるけど、子どもならではの素直な発想を聞いて、大人も学ばなくてはいけないと思います」

2.17の視点から考えること

「総合的な視点から考えることが重要。一つのことを達成するために、総合的に考える必要があります」

3.測ること

「目標に向かって確実に進んで行くために、結果を数字やアンケートなどで出して測ることで課題をみつける」

SDGsは解答が書かれた問題集。みんなでどのように解決していくのか、考えていくことが大切なのですね。

慶應義塾大学 蟹江研究会での事例を紹介


慶應義塾大学 蟹江研究会に所属している落合 航一郎さんは、「学生×SDGs」ということでゼミでの取り組みについて講演。

【蟹江研究会で現在進めている2つのプロジェクト】

・学生による企業評価

企業は何のためにSDGs達成を目指しているのか?ということを分析。学生がSDGsを基準に企業を選ぶことで、企業側も必然的にサステナビリティを向上せざるを得ない環境になる。

・オリンピック、パラリンピック×SDGs

オリンピック、パラリンピックが社会にどのような影響を与えるのかSDGsを用いて分析する。良い影響だけでなく悪い影響も含め、どのようにしたらよい社会になるか考える。

「学生だからこそ自由に考えて、自由に行動できる!子どもだけではなく、大人も参加して話し合い、良い社会がつくれればいいなというのが私たちの願いのひとつです」

団体・企業が実施しているSDGs

サミットに協力している、一般社団法人アツいまち、共催の伊藤園「健康ミネラルむぎ茶」が取り組むSDGsの活動についても紹介がありました。


日本の歴代最高気温を記録した5都市である熊谷市(埼玉県)、浜松市(静岡県)、四万十市(高知県)、多治見市(岐阜県)、山形市(山形県)がタッグを組み、暑さ対策先進都市として「住みやすいまちづくり」に取り組んでいる『一般社団法人アツいまち』では、各市共通でスイカのグリーンカーテンを拡める「空中スイカ」などを実施しています。

「健康ミネラルむぎ茶」は、お客様の健康づくりをサポートする飲料として、夏は地域社会の皆様と一緒に暑さ対策に取り組みながら、まちの活性化に貢献しています。また、製造する際に排出された茶殻で緩衝材を作るなど環境に配慮した取り組みも行っています。そして、伊藤園を代表する「お~いお茶」は、「茶畑から茶殻まで」の一貫した 生産体制を構築することで SDGs に貢献しています。 製造する際に排出された茶殻では 名刺や封筒、マスクケースを作るなど有効活用しています。伊藤園は事業活動を通して、SDGs が掲げる持続可能な社会に、これまで以上に貢献していきたいと考えております。

私たちの身近な麦茶に、こんな使い方があるんですね。

優秀賞を受賞した小学生3名によるアイデア発表

500件を超える応募の中から選ばれた、優秀賞3名のプレゼンテーションを紹介します。

黒木 秋聖さん「人工的なクモの糸で世界を救おう」


テレビで人工的なクモの糸を作る日本の会社を特集した番組をみて、とても強くて環境にやさしいクモの糸を使わないのはもったいない!と思い、2つの方法で環境問題に取り込むアイデアを提案。

人工的なクモの糸でポットを作り、ドローンで木の苗を植えることで、人間がなかなか行くことができない砂漠化した地域に緑を取り戻す。プラスチック製品ではなく、紫外線にも強いクモの糸を植物の支柱に使う。また、緑を増やす方法として、植栽をしない家には税金をとるなど人の意識改革を目的とするアイデアを発表。

テレビで見たことを自分なりに考えるという発想力。そして、税金で意識改革をするなど大人では思いつかないような考えを発表してくれました。

小泉 英太郎さん「気候変動への具体的な対策を日本的視野と世界的視野から考える」


釣りが大好きで、自分が大人になったときに世界中で釣りがしたいから、きれいな自然をより良い状態で残して欲しいという想いから、気候変動への具体的な対策を提案。


絵は世界で実践できることの考えをまとめたもの。砂漠地帯に空気から水を作る装置を設置して、みんなで平等に使えるように必要なところに円形に配置。建物をシンプルにかっこよく芸術的な要素を入れることで、みんなが大切に長く使ってくれるようにするなどの工夫も。また、暑さ対策として世界中全ての窓に透明酵母菌熱吸着シートを貼って温度調整、空気の浄化をするというアイデアを発表してくれました。

窓を使って世界中のすべての人が実施できるというアイデアは、夢ではなく実現させたいですね!

山田 悠斗さん「5 rules」


日常的によく使われている5という数字を使って、SDGsに対する取り組みを無理なく実践できるアクションを提案。


日常で簡単に実践できそうな5つのチャレンジを発表。「5人以上の友達と本を交換してみる」、「5(ご)飯を残さない」など、親子ですぐに取り組めそうなルールを5分間のスピーチで、英語も交えながらリズムよくわかりやすく発表してくれました。

SDGs=難しそう。というイメージを覆してくれるような、楽しいチャレンジ。プレゼンを通して、みんなにわかりやすく伝えるということの大切さを教えてくれました。

子どもたちの素直な発想が未来を築く


審査員の前でプレゼンテーションをする子どもたち、最初は緊張した様子でしたが自分たちの考えを発表している姿は堂々としていました。大人では思いつかないような、子どもならではの夢と希望がたくさん詰まったアイデアは、大人たちの刺激にもなります。今回の発表に感心するばかりでしたが、発表して終わりではなくその先の未来へつなげる為にみんなで考えて行動していきたいですね。

【小学生SDGsサミット2021】の記録映像は、YouTubeで見ることもできます。ぜひ、ご覧ください。

取材・文/やまさきけいこ

SDGsとは?

編集部おすすめ

関連記事