小3の娘。父親とおふろに入るのは、いつまでOK?【アクロストン式おうち性教育Q&A】

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性教育に詳しい医師夫婦のユニット「アクロストン」が、ママ&パパのお悩みに答える連載7回目。今回は人に話せそうで、なかなか話せないおふろについて。異性の親子で入るのはいつまでOKか、おふろに入ったときに子どもに教えておきたいことなど、アクロストンさんに聞きました。

小3の娘。父親とおふろに入るのは、いつまでOK?

小学校3年生の娘と年少の息子がいます。小さいころから娘はパパ、息子は私とおふろに入っていますが、娘は成長してだんだんと体つきが変わっているので、そろそろパパとおふろに入るのはどうかなと思っています。また息子も私といつまでいっしょに入っていいものやら。最近おふろに入るたびに、考えてしまいます。(9歳娘、4歳息子の母)

やめる時期は親子で話し合って決めて

異性の親といつまでいっしょに入っていいのか……、ひそかに悩んでいる人の多いおふろ問題ですが「親子でおふろに入るのは〇才まで」と、明確に線引きできるものではありませんので、親と子ども、お互いに話し合って決めるのがいちばんです。

 

子どもがいっしょに入りたがっても、親が「大きくなってきたからやめよう」と言ってもいいし、子どもが「もうお父さんやお母さんと入るのはちょっと……」と言えば、「じゃあ、やめようか」という感じで話し合うといいと思います。

家族の中に、いやな気持ちを感じる人がいたら止め時

そもそも世界的に見ると、日本のようにある程度、大きくなってからも異性の親とおふろに入るほうが珍しいようです。アメリカなどは親子でも裸を見せ合うのはNGとされていますから。

 

この方のように、父と娘がいつまでもいっしょに入っていて、「さすがに体も成長したし、そろそろやめたら」と、お母さんが心配するというパターンもあります。こういったお母さんのように当事者でなくても、家族のなかにいやな気持ちを感じる人がいたら、やめたほうがよいでしょうね。

おふろは性教育のよいチャンスです!

ただし、親子でおふろにいっしょに入っている時期は、性教育のよい機会です。おふろに入るときは「自分で洋服を脱いでね」と声をかけたり、自分で脱げなければ「おふろに入るときは洋服を脱ごうね」と脱ぐのを手伝ったりしましょう。大人が勝手に子どもの洋服を脱がさないように気をつけて。

プライベートゾーンについて

おっぱい、おまた、おちんちん、おしりなど、水着で隠れる体の部分=プライベートゾーンについても教える絶好のチャンスです。「大切な部分だから、他の人に見せたりさわらせたりしたらいけないんだよ」と子どもに伝えましょう。

 

また水着で隠れる部分以外についても、見られたりさわられたりしたくないところは、その人にとってのプライベートゾーンです。ですから、どんなに仲のいい人でも、たとえ親であっても、自分がさわってほしくないところをさわられそうになったら、「イヤ」と言ってよいことを伝えましょう。

 

合わせて他の人に「いや」と言われたら、絶対にさわってはいけないことも教えます。そうすると、子どもは「ここは勝手にさわったり、さわらせたりしてはいけない大事な場所なんだ」ということを、だんだんと理解できるようになります。

 

おふろで親が子どものプライベートゾーンを洗うときは、「おちんちん(おまた)を洗ってもいい?」と必ず子どもの同意をとりましょう。「イヤ」と言われたら、自分で洗う方法や洗わないといけない理由をしっかりと教えてあげましょう。

正しい性器の洗い方を教えます

性器は大切な場所ですから、子ども自身も小さいころから正しい洗い方を知っておくことが大切です。子どもの性器の正しい洗い方を、ご説明します。

女の子の場合

まず女の子の場合、大陰唇はせっけんで洗います。大陰唇と小陰唇の間はあかがたまりやすいので、よく洗います。割れ目部分の小陰唇は、そっと開き、せっけんを使わずシャワーをかけながら、指でやさしくこすり洗いをしましょう。

 

合わせてトイレでは、前(おしっこの出口)から後ろ(うんちの出口)にふくように教えてあげましょう。うんちの出る肛門側には大腸菌などの菌が多く、後ろからふくと膀胱炎や膣炎の原因になってしまうからです。

 

男の子の場合

男の子の場合、自分で体を洗えるようになるまでは、わざわざおちんちんの皮をむいて洗う必要はありません。おしっこの出口をシャワーで洗い流せばOK。

 

皮がむけてからは、無理のない範囲でむいたあと、やさしく洗います。2歳ぐらいになれば、自分で洗えるようになります。そのときは皮をやさしく根元のほうに引っ張り、亀頭や尿道口など先っぽが出てきたら、せっけんやボディソープでやさしく洗って、お湯で流すことを教えてあげましょう。

おちんちんを洗ったあとは、皮を戻すことも忘れずに伝えて。そのまま皮が戻らないと、そこでおちんちんをしめつけてしまうことがあるからです。これを陥頓(かんとん)包茎といい、最悪の場合、亀頭が壊死してしまいます。もしそうなってしまったら、すぐに泌尿器科に診てもらいましょう。

女の子にしても、男の子にしても、なるべく自分で洗えるように繰り返し教えてあげるといいですね。

 

*イラスト/『いま、子どもに伝えたい性のQ&A』より

教えてくれたのは

アクロストン|性教育 医師夫婦ユニット

妻のみさとは産業医、夫のたかおは病理医をしながら、2018年に「アクロストン」としての活動をスタート。公立の小学校の授業や企業主催のイベントなど、日本各地で性にまつわるワークショップを行う。『3~9歳ではじめるアクロストン式「赤ちゃんってどうやってできるの?」いま、子どもに伝えたい性のQ&A』(主婦の友社)、『思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになっているなんて!』(主婦の友社)、『10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック(ほるぷ出版)』が発売中。

いま、子どもに伝えたい性のQ&A』主婦の友社/刊

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構成/池田純子

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