小学一年生のお子さんをもつご家庭では、小学生になって初めての夏休みをどう過ごしていますか? その夏休みも後半になると、こんなお悩みも。「小一 相談室」の先生にお話をうかがいました。
Q:不規則になってしまった生活を戻したいです!
夏休みに入ってすぐは、規則正しい生活をしようと心がけていたのですが、だんだん寝る時間が遅くなり、最近は毎朝寝坊しています。子どもが学校に行っているときは、同じ時間に起きればよかったのですが、一日をだらだらと過ごしてしまいます。宿題のドリルも終わってしまい、子どもに何をさせたらいいのかわかりません。このまま2学期を迎えてしまうのが怖いです。(Y・Kさん)
A:起きたらすぐに体を動かして、脳を覚醒させましょう。
夜更かしや寝坊、日中をダラダラ過ごしたりといった不規則な生活を送っていると、脳の働きを悪くしてしまいます。とくに子どもの場合、こうした影響を受けやすいのです。
新学期に学校へ行けなくなる子どもの大半は、夏休みの間に睡眠のリズムがくるってしまったことが原因です。遅い時間に起きる習慣がついてしまったことで、学校へ行く時間になっても脳が覚醒しないのです。脳が覚醒していないから、眠い。眠いから、学校に行きたくなくなるのです。
対策としては、学校が始まる2週間前くらいから、学校へ行く日と同じ時間に起きること。そして、起きたらまず外へ出て、体を動かすことが重要です。ラジオ体操でも、散歩でもかまいません。体を動かせば、脳はしっかりと目覚めます。午後に眠くなってもOK。とにかく朝起きることが重要です。
そして、40分間の授業で、先生の話を聞けるように、集中する時間をつくること。例えば、子どもの好きなアニメや映画を見せたり、工作や読書でもかまいません。集中して耳を傾ける、集中して何かをするといった時間を親御さんが作ってあげましょう。
とはいえ、不規則な生活は経験しておくのも大事。この先、ずっと規則正しい生活を送り続けることはできませんからね。不規則になってしまったときに、戻せる力、適応力をつけておくことも大切なのです。
\私がお答えしました/
加藤 俊徳 先生
脳を8つの系統に分けて育てる「脳番地トレーニング」を提唱。昭和大学客員教授。加藤プラチナクリニック院長。著書に、『すごい左利き』(ダイアモンド社)、 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)など多数。 InterFM 897 「脳活性ラジオ Dr. 加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2021年9月号別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 撮影/黒石あみ(小学館写真部) 構成/天辰陽子