地震雲は地震の予兆? 地震の予測方法と災害への備え方を知っておこう

地震雲は、大地震が来る前に現われるといわれます。過去の地震ではいくつもの目撃例がありますが、本当に地震と関係があるのでしょうか?地震雲の概要と専門家の見解、さらには地震の予測方法と来たるべき災害への備え方を紹介します。

地震雲とは

「深海魚が上がってくる」「動物が異常行動を取る」などと同様に、地震の前触れとして知られるのが「地震雲」です。地震雲とは、どのようなものなのか、概要をチェックしてみましょう。

地震の予兆とされる雲

地震雲とは、地震の前に現われるといわれる雲です。一目見て、「おかしい」「不気味だ」と感じるような独特の色・形をしているものが多く、地震の前に見たと証言する人が少なくありません。

地震雲が発生しやすいといわれる期間は、地震の約2週間前から当日までです。地殻の変動で地震が起きる際に電磁波が発生し、それが上空の雲の形状に影響を与えているのでは、という説があります。

どのような種類がある?

地震雲の種類としては、以下のものがよく知られています。

・断層型:雲と青空の境がくっきり分かれている雲
・放射線型:ある一点から放射線状に伸びた雲
・竜巻型:竜巻のような形状をした雲

断層型地震雲?

 

放射線型地震雲?

 

竜巻型地震雲?

 

ただし、見慣れない雲だからといって、必ずしも地震雲とは断言できません。気象上の条件がそろえば、変わった形状の雲が自然発生することは十分にあり得ます。上に挙げた画像も、地震雲であるかどうかは専門家でも意見の分かれるところでしょう。

一般に、地震雲は形状が崩れず、同じところに留まるといわれます。色も白くはなく、グレーだったりオレンジ・赤・黒だったりするケースが多く、時に明るく発光しているように見えることもあるそうです。

地震との関わりは未解明

専門家は、地震雲と地震の関連については否定的です。地震による地震雲が発生するメカニズムは明らかにされておらず、両者の関係性については、科学的な根拠がありません。「過去の例は偶然に過ぎず、地震の前触れと考えるのは早計」とするのが一般的です。

実際のところ、地震雲と呼ばれるもののほとんどは、通常の雲の変異型で、気象学で説明できます。地震雲が発生したからといって、「大地震かも」と怯(おび)える必要はありません。

地震の予測方法とは

地震大国である日本は、他国よりも地震に関する研究が進んでいるといわれています。実際、地震の予測は、どの程度可能なのでしょうか。地震の予測方法や、南海トラフ地震の可能性について見ていきましょう。

予測方法は確立されていない

地震先進国といわれる日本でも、「○月○日、○○でマグニチュード○の地震が起こる」という詳細な予測は不可能です。

現状では、「○年以内に、内陸部のどこかでマグニチュード6以上の地震が起きる」のようなあいまいな予測しかできません。もしも、場所や日時を絞った地震予測を耳にした場合は、根拠のないものと思ってよいでしょう。

現状の地震予測には、政府が公表している「確率論的地震動予測地図」があります。これは、今後30年以内に、震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図です。

参考:地震の将来予測への取組|文部科学省

「南海トラフ地震」は、本当に起こる?

南海トラフ地震とは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートが接している、海底の溝状の区域で発生する地震を指します。静岡県の駿河(するが)湾から四国の土佐(とさ)湾、宮崎県の日向灘(ひゅうがなだ)沖までと範囲が広く、ここを震源地とした地震が、90~150年のサイクルで発生してきました。

前回の南海トラフ地震は1944年と1946年なので、そろそろ次の地震が起きてもおかしくはありません。今後30年以内に、マグニチュード8クラスの地震が発生する確率については、約70%と高い数値が公表されています。

ただし、南海トラフ地震は発生範囲が広いうえ、発生間隔にもバラつきがあります。いつ、どこで、どのくらいの地震が発生するかを予測するのは、現状ではほぼ不可能です。

震生湖(神奈川県秦野市・足柄上郡中井町)。大磯丘陵北部にある堰止湖。1923(大正13)年9月1日の関東大震災の際、付近の丘陵が200mにわたって崩落し、市木沢(いちきさわ)の最上流を堰き止めたため、湖となった。1万3000㎡、周囲約1㎞。流入河川はなく地下水脈で周囲の水系とつながっている。休日はヘラブナ釣りの人たちで賑わっている。

 

参考:巨大地震のリスク|国土交通白書2020

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地震から身を守るための準備

地震大国である日本列島では、いつ、どこで地震が発生してもおかしくはありません。地震による被害を最小限に食い止められるよう、普段から地震に備えておくことが必要です。

地震から身を守るために、やっておきたいことを紹介します。

家や家具の耐震強度の見直し

過去の大地震では、多くの人が家具や家の下敷きとなってケガをしたり亡くなったりしています。家具・テレビや冷蔵庫などの大型家電が転倒しないよう金具で固定し、万一倒れても支障がない位置に移動させましょう。

また、震度6~7の地震に耐えるには、家屋の耐震強度が2以上必要といわれます。居住中の建物に不安がある場合は、耐震診断を受け、耐震強度を補強することも必要です。

消火器具や非常用品を備える

地震発生と同時に、火災が発生する可能性もあります。消火器具を備えたり浴槽に水をためたりしておきましょう。地震が発生したらすぐにブレーカーを落とすのも有益です。

また、大きな地震が発生した場合には、すぐに救援が期待できない可能性もあります。救助・救援が来るまでしのげるよう、各家庭で非常用品を常備しておくことも必要です。

具体的には、以下のものがそろっていると安心でしょう。

・水
・食料
・救急セット
・ラジオ
・ヘルメット
・軍手
・毛布
・ナイフ
・現金
・印鑑、通帳
・保険証
・メガネ等
・モバイルバッテリー
・スマホ

水、食料、ラジオ、懐中電灯などの防災グッズ。

 

なお、水と食料は、家族それぞれ最低3日分は確保しておきたいところです。目安は、大人1人あたり水3リットルです。

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子どもと安全行動や集合場所を確認

子どもがいる場合に、まず教えておきたいのは、地震が起きたら「姿勢を低くする」「頭を守る」「揺れが収まるまで動かない」ことです。

地震が発生すると、パニックになって、適切な行動を取れなくなるかもしれません。普段からシミュレーションをしておくことが非常に重要です。

地震が起きるタイミングは予測不可能のため、親子が一緒にいるとは限りません。地震が起きたら、どこに行けばよいか、どこに集まるか、などを家族で話し合っておきましょう。

このとき、近くの避難所を指定してもよいですが、災害発生時は混雑が予想されます。「南門の前」「入り口横」など、待ち合わせ場所を絞るのがベターです。

予兆に振り回されず、日頃からの地震対策を

地震雲は地震の前触れといわれますが、科学的な根拠はありません。不思議な形状の雲が出たからといって、必要以上に慌(あわ)てたり、不安になったりしないようにしましょう。

しかしながら、地震大国である日本は、いつ地震が起きてもおかしくない状態です。地震雲のある・なしにかかわらず、普段から防災意識を高めておく必要があります。まずは子どもたちと一緒に家の中を点検したり、非常持ち出し袋を確認したりしてみてはいかがでしょうか。

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構成・文/HugKum編集部

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