還元水って何? どうやって作るの? 水素水、アルカリイオン水との違い・特徴や注意点を知ろう

水は、私たちが生命を維持するために欠かせない要素の一つです。健康維持やアンチエイジングのために水にこだわる人が増える中、人気が高まりつつあるのが「還元水」です。どのような水なのか、どのように飲めばよいのか、詳しく解説します。

還元水の基礎知識

普通の水と還元水にはどのような違いがあるかご存知でしょうか?  還元水の基礎知識と、還元水と同様に高い人気の水素水について知識を深めましょう。

「電解水素水」「アルカリイオン水」とも

「還元水」とは電解処理によって作られた水の総称で、水素やミネラルが豊富に含まれていることが特徴です。

水の電解処理の際に活性水素が発生するため、弱アルカリ性で「電解水素水」「アルカリイオン水」とも呼ばれます。

活性水素には人間の身体を老化させる原因の一つといわれている「活性酸素」を除去する働きがあり、老化や病気の予防に役立つと考えられています。

医療機器等法(薬機法)で効果が認められているのは、「アルカリ性電解水」のみで、胃腸症状に対して改善効果が認められています。

参考:一般財団法人機能水研究振興財団|機能水とは

「還元水素水」と「水素水」の違い

還元水素水とは「電気分解によって作られたアルカリ性の水」を指しますが、「水素水」には公的な定義がありません。濃度の基準がなく、広義で水素分子の濃度を高めた水とされています。

そのため、電気分解された水以外にも「中性の水に水素ガスを圧力によって入れた水」も水素水に含まれるのです。

この場合、「還元水素水(電解水素水・アルカリイオン水)」とは製造工程が違うだけでなく、水の性質がアルカリ性と中性という点でも異なります。

消化不良や下痢・便秘の改善が認められているのは、電気分解されたアルカリ性の水だけなので、効能を求める際には、注意が必要です。

参考:容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」 |国民生活センター

還元水はどうやってできる?

強力な抗酸化作用を持つ還元水は、一体どのようにして作られるのでしょう。還元水を作るいくつかの方法について説明します。

生成器で作ることが可能

還元水は生成器を使用すれば、簡単に作ることができます。

家族みんなで飲用したい場合や料理にも利用したいのであれば、据え置きタイプの生成器がおすすめです。蛇口と連結することで、水道水を利用して簡単に還元水を作ることができ、一度設置すれば長期間の使用が可能になります。

出先でも気軽に還元水を楽しみたければ、携帯タイプの生成器がおすすめです。充電したタンブラー内に水を入れれば、できたての還元水を手軽に楽しむことができます。

還元水を飲むタイミングや量に合わせて、自分に合った生成器を選ぶとよいでしょう。

電解還元水が作られる仕組み

水道水を利用して電解還元水を作るためには、まずカートリッジを使用して、カルキなどの不純物や有害物質を除去します。ろ過された水は電解層に入り、電気分解がスタートするのです。

電気分解すると、マイナスの電極に水素イオンやナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウムなどの水酸化物イオン・水素が集まり、プラスの電極に水素イオン・水酸化物イオン・塩化物イオン・硝酸イオン・酸素などが集まります。

二つの電極は隔膜で分けられており、マイナス側に弱アルカリ性の還元水が、プラス側に酸性水がそれぞれできる仕組みになっています。

電気分解以外の水素水の作り方

還元水以外の水素水も、家庭で作ることができます。中でも、水に圧力をかけて水素成分を溶け込ませる「気体過飽和式」なら、高濃度の水素水を簡単に作ることができるでしょう。

気体過飽和式で生成する場合、細かい気泡が発生して水が若干白く濁ることがありますが品質に問題はありません。高濃度水素水を飲みたい場合には最適です。

ほかにも、マグネシウム製のフィルターを利用して、マグネシウムと水の化学反応で生成する「化学反応式」や、高純度の水素水が作れる最新型の「量子交換膜式」があります。それぞれにメリット、デメリットがあるので比較検討してみるのも楽しみの一つでしょう。

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還元水を飲む上での注意点

健康やアンチエイジングに良い影響があるとされる還元水ですが、安全性を守るためには注意が必要です。飲み方やタイミングについても、事前にしっかりと確認しておきましょう。

使用方法をきちんと守る

還元水を使用する際には、使用方法を守ることが大切です。以下の点や症状に該当する場合は、安全に注意しながら使用しましょう。

1.医薬品の服用に使用しない
2.腎不全やカリウム排泄障害などの腎疾患がある人・医師の治療を受けている人
3.無酸症・低酸症の人
4.乳幼児

医薬品は普通の水で服用することを想定して作られています。薬の作用に問題が起こらないよう、還元水での服用はしないようにしましょう。

また、還元水には水道水よりも多くのミネラルが含まれています。腎疾患・無酸症・低酸症の人や医師の治療を受けている人は、事前にかかりつけ医に相談しましょう。

胃腸が未発達な乳幼児にも飲ませないように注意が必要です。

このほか、飲用によって体調に異変を感じた場合は直ちに飲用を中止し、医療機関に相談することが大切です。

    飲み方と適量について

    人間が健康を維持するために必要な水分補給量は、1日に約1.5lといわれています。この全てを還元水でとっても問題ありませんが、最初は体調に気を付け、普通の水とバランスを取りながら適量を見つけていくとよいでしょう。

    水分を取る際は、少量をこまめに取ることが基本です。一度に大量の水を飲み過ぎてしまうと、吸収できず身体に負担をかけてしまいます。

    まずは、体内の水分が失われやすい就寝の前、運動や入浴の前後に、コップ1杯程度の還元水を飲むことからスタートしていくとよいでしょう。

    身体に入るものなので下調べはしっかりと

    水は、私たちの人間の体の大部分を占める大切な要素です。水を気にかけ、身体に良いものを取り入れたいと思うのは当然のことでしょう。

    さまざまな効果・効能があるといわれる還元水を生活に取り入れるのであれば、まずはしっかりと下調べを行うことが重用です。成分や生成方法を比較検討し、自分に合うものを見つけていきましょう。

    構成・文/HugKum編集部

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