【子どもの新型コロナ】第6波で重症化を避けるために。肺に基礎疾患がある子などは要注意!

新型コロナ流行の第5波では、感染力が非常に強いデルタ株が猛威を振るい、子どもにも感染者が増えました。なかには呼吸状態が悪くなったり、発熱が続いたりして入院した子もいます。 大人で新型コロナの重症化リスクが高いのは「基礎疾患がある」「肥満」「喫煙習慣」「妊娠後期」などと言われていますが、小児の場合は、どのような子が重症化しやすいのでしょうか。第6波に備えて知っておきたい、新型コロナの小児の重症化リスクなどについて、国立成育医療研究センター感染症科 船木孝則先生に、2021年10月22日現在でわかっていることを教えてもらいました。

新型コロナ流行の第5波では、子どもの感染増に伴い、入院が必要な子も増加傾向に

これまで子どもは「新型コロナウイルスに感染しても無症状の子が多く、症状があっても風邪程度。重症化はまれ」と言われていました。

国立成育医療研究センター感染症科および国立国際医療研究センターの研究チームでは、20201月から20212月までの間に登録された小児(18歳未満)の新型コロナウイルス感染症入院例1,038名を対象に合同で調査を実施。それによると新型コロナに感染した1,038名のうち、無症状は308名(約30%)、何らかの症状があったのは730名(約70%)でした。

また「小児新型コロナ患者における各症状の頻度」(下段・表)では、酸素投与をしたのは3カ月未満で4名、3カ月以上2歳未満で2名、2歳以上6歳未満で4名、6歳以上13歳未満で2名、13歳以上で3名でした。

同調査は、第5波流行前に行われたものですが、小児でも新型コロナに感染すると呼吸状態が悪くなり、酸素投与が必要になる子もいます。子どもの感染者が増えた第5波のときは、感染者数自体が増加したので、入院や酸素投与が必要な子も増えました。

小児で注意が必要な新型コロナの重症化リスクとは?

小児で新型コロナの重症化リスクが高いのは、次の項目に該当する場合です。

1)小児がんなどが理由で、治療として免疫抑制剤を使っている

2)「染色体異常(ダウン症候群など)がある

3)心臓の慢性疾患がある

4)呼吸器(肺など)の慢性疾患がある

5)神経の病気(脳性まひを含む)がある

6)高度の肥満である

参考:厚生労働省新型コロナワクチンQ&A

 

一般的に基礎疾患を持っている子どもの呼吸器感染症は重症化する可能性があります。

小児ぜんそくをお持ちの方では、風邪などを契機にぜんそく発作をきたすことがあります。そのため発作の頻度によって重症化のリスクが異なるので、主治医に確認してください。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー疾患がある子は、ぜんそくを伴わなければ、新型コロナの重症化リスクはありません。

重症化リスクがある子は、園や学校の感染状況をよく見て対策を

新型コロナの予防は、重症化リスクがある子も、ない子も不織布マスクをして、食事前や帰宅後などに、ハンドソープを使ってこまめに手洗いをすることが基本です。布やウレタンマスクよりも、不織布マスクのほうが飛沫を防ぎ、ウイルスを吸い込まない効果が高いです。ただし2歳未満の子は、マスクは不要です。

また子どもに重症化リスクがある場合は、子どもが通う園や学校、塾などの感染状況をよく見て休ませたほうがいいか判断しましょう。心配なときは、主治医に相談してください。

コロナ禍においても、感染対策をしたうえで幼稚園や学校に通って、友達や先生とかかわることは、子どもの健やかな成長に欠かせません。

また子どもは、大人(特に家庭内での感染)から感染するケースが大半です。そのため新型コロナウイルスのワクチンが受けられるならば、ママやパパは接種したほうがいいでしょう。

新型コロナに感染したとき至急、受診が必要なサイン

重症化リスクがある子も、ない子も、新型コロナに感染して自宅療養となった場合は、子どもの様子をよく見てください。【受診が必要なサイン】に1つでも該当したら、すぐに保健所に電話をしましょう。その際、重症化リスクがある場合は、必ずその旨、伝えてください。保健所に電話がつながらないときは、かかりつけの小児科・病院に電話をして指示を仰ぎましょう。 

【受診が必要なサイン】

1.38度以上の熱が23日続く

小児は、発熱を伴う病気が多くあります。そのため38度以上の熱が23日続いたときは、新型コロナ以外に、インフルエンザや尿路感染症など、ほかの病気を併発している可能性が考えられます。

2.呼吸が苦しそう・顔色が悪い

いつもより呼吸が早いと感じたり、肩を上下させて息をしていたり、呼吸するたびに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」するときは、すぐに連絡をしましょう。顔色が悪いときも同様です。

3.食欲がない・水分が摂れない

食欲がない、ミルク・母乳を飲まない、水分を受けつけないときは脱水が心配です。とくに乳児は、注意してください。

4.元気がない・ぐったりしている

元気がない、ぐったりしている、ボ~っとしているとき。また逆に、機嫌が悪くて泣き止まないなど、いつもと様子が明らかに違うときも受診したほうがいいです。

 

小児の新型コロナは、ごくまれに「小児多系統炎症性症候群」といって下痢、発熱、発疹などがあり、心臓の動きが悪くなることもあります。主に小学生以上に見られ、感染後(26週間後)に症状が出ます。適切な治療が必要なため、新型コロナの療養期間が終わっても経過観察を続けてください。

 

記事監修

国立成育医療研究センター 感染症科医長
船木孝則先生

2006年関西医科大学医学部卒。専門分野は、小児科学、小児感染症学。

取材・構成/麻生珠恵

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