「大腸内視鏡検査」はどんな時に行うの?
「大腸内視鏡検査(≒大腸カメラ)」は、胃カメラより認知度が低いですよね。大腸内視鏡検査は大腸内病変が疑われる時に行われます。
知っていても痛い、苦しい、恥ずかしいというイメージを持っていたり、自分には関係ないと思っていたりする方も多いかもしれませんが、20代のプロ野球選手である、阪神タイガースの原口文仁選手が大腸がんにかかったことを2019年に公表して話題になりました。この話を聞いて、若くても大腸がんに注意しなければと思ったママ・パパもいるのではないでしょうか?
「大腸がん」って?
大腸は、盲腸と結腸と直腸からできており、これらの部位にがんが発生したものを大腸がんと言います。
2019年のがんの種類別死亡数のデータでは、大腸がんで死亡する人は、男性で第3位、女性では第1位となっています。
大腸がんは初期のうちにはほとんど自覚症状がないため、自分で気づくことは難しいとされています。しかし、大腸がんは、がんの中でも早期発見・早期治療よって治りやすいがんの一つ。がんが広がっていない初期の段階で見つかれば、治る確率は95%以上ということもわかっています。ゆえに、大腸内視鏡検査はとても大切なのです。
「大腸内視鏡検査」って、どんな感じ?
筆者の会社の定期健診には便潜血検査があります。便潜血検査は、大腸がん検診の1次検査として一般的で広く実施されています。
大腸がんでは、大腸粘膜にできたがんが排便時に便と擦れて出血し、便に血液が付着することがあります。便潜血検査では、便の表面を採便棒でこすり採り、便に混じった血を検出します。
私の健診結果は便潜血反応が陽性でした!!
あまりに驚いたので、結果を見たときに、人目をはばからず
「なんで!」
と声が出てしましました。どうせ痔だよと思いつつも、自己判断は禁物なので、精密検査である大腸内視鏡検査を医療機関で受けることにしました。
当日まで憂鬱でした。
検査前の食事は?
検査2、3日前からキノコ類や野菜等を避けるように言われ、大好きなネギを入れるのを我慢して素うどんを食べたのを覚えています。
検査を受ける際には、検査前に食べてよいもの、避けるべきものは医療機関によく確認して、是非順守してください。正確な診断をするためには、検査を受ける側の協力が必要不可欠です。
検査当日の朝のタスクが最もハード!
私の場合は、検査が午後でした。
午前中は自宅で、ひたすら2ℓの水に溶かした下剤を数回に分けて飲み、何度もトイレに駆け込みました。便がほぼ透明になるまで出し続けるのです。
最初は、便って透明になるの?と疑問でしたが、段々なっていくのがわかり、安心しました。今思うと、このタスクが一番きつかったです。
検査直前の心境は
今回は、健診で引っかかたのと、未知の体験をするので、過去に受けたことがある胃カメラよりはるかに緊張しました。
大腸に何もなければいいなぁという願望と、痛くないかなぁという不安が入り混じりました。検査を受ける病院までの道のりがとても長く感じたり……。病院に入るときの足取りは本当に重かったです。
特別な検査着(!)を着て、検査スタート
検査着に着替えた後、検査台に横になりました。
検査着は…
内視鏡を肛門にいれるため、検査用パンツのお尻の部分にスレッドが入っていますが、お尻は見えないようになっているので、恥ずかしくはありませんでした。というか、恥ずかしさを感じる余裕もありませんでした……。
鎮静剤投与から始まる
まず、点滴から鎮静剤を投与。意識はぼんやりある感じです。
医師と看護師が優しく声をかけてくれ、心強かったです。検査の不安をやわらげるコツは医療者との会話を楽しむことですね。不安な気持ちがありましたら、素直に伝えてみてください。話すことで気がラクになることもあるかと思います。
準備が整い、いよいよ検査が始まります。
内視鏡が大腸の中
内視鏡が肛門に入る瞬間、ドキドキしましたが、すんなり入り何ともなかったです。この後、内視鏡が大腸の中を進んでいくのですが、痛いとか、苦しいというのは自分が思っていたよりは感じなかったです。
それより、観察しやすくするために、空気*を大腸に送って膨らませるのですが、そのときに、おならを我慢しているかのような感覚になりお腹が張って少し苦しかった方が印象深いです。
*…空気ではなく炭酸ガスを送気して検査した場合は楽になるとのこと。
検査時間は?
およそ20分! あっという間に終わりました。
私の検査の結果は?
検査が終わった後に、内視鏡の検査をしてくださった医師から
「特に問題ありません」
と言われました。看護師からは
「きれいな腸ですね。」
と言われ、何か嬉しかったです。
私の場合は、検査後、異常がなく、いつも通りの生活に戻りました。検査後、おならがたくさん出たくらいです(笑)
後日、改めて診察
「軽度の痔であるものの、大腸には異常がない」
と告げられ、ホッとしました。
診察が終わるときに、
「便潜血検査で引っかかっても、次は内視鏡検査しなくてもいいですかね?」
と医師に質問したら、
「引っかかったら、しなきゃダメだよ。」
と強い口調で言われました。
「大腸内視鏡検査」後の新習慣
この検査を行ってからは、毎回自分の健診の結果を見るときに、真っ先に便潜血検査の結果を見るようになりました。
食生活の見直し
今回の大腸内視鏡検査を通じて、食生活の見直しを真剣に考えました。大腸がんは食事の欧米化が一因と言われているので、和食を増やすことを心がけており、食物繊維が多い野菜を積極的に食べています。
また、自分の便も日ごろから観察するようになり、第2の脳と言われる腸をいたわる気持ちが強くなりました。
過信せず、定期的に健康診断を
40歳以上の方は、厚生労働省が推奨する「大腸がん検診」の対象となる年齢です。大腸がん検診は下記動画を参考にしてみてください。
また、私の先輩であるパイロットは健康に非常に気を遣っており、大腸内視鏡検査を自主的に受けているとのこと! さすがです。私も見習って、便潜血反応検査が陰性でも定期的に受けてみようと思います。
大腸がんの1次検査である便潜血検査は、自治体でも実施しています。もし、少しでも気になる方はお住いの地域のがん検診について調べてみてくださいね。
記事監修・素材提供:オリンパス(※提供素材は、YouTube動画、内視鏡システムの写真、内視鏡の検査のイラスト)
引用:内視鏡で見つける!健康応援サイト|オリンパス おなかの健康ドットコム (onaka-kenko.com)
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取材・文/峯 あきら