土鍋の魅力
土鍋は火にかけると時間をかけて温度を上昇させます。素材をじっくりと加熱するため、食材の芯まで加熱することができ、やわらかくまろやかな味わいになります。また、保温力に優れているため、一度温まるとじわじわ食材に熱を与えながら旨みを引き出します。火の通りにムラが出来にくいので、硬さが異なる食材を一緒に煮込んでも失敗しにくいという利点も。煮込み料理に最適です。
土鍋を選ぶポイント
土鍋のサイズ
土鍋には1人用の小さなサイズから、3~4人用の大きなサイズまでさまざまなものがあります。
土鍋を選ぶ際は使用する人数を考えてから購入しましょう。鍋のサイズは基本的に「号」で示されます。1号は約3cmなので、3cm×号数によって口径の大きさを計算できますよ。5号なら口径15cm、6号なら口径18cmとなります。使用する人数の目安ですが、1~2人用なら5~6号、2~3人用なら7号、3〜4人用なら8号、4~5人用なら9号となります。
友人や家族が複数人集まって鍋を囲む機会が多い場合、6〜7人用の10号や11号も検討すると良いでしょう。3・4号などのサイズを展開しているメーカーもあります。注意が必要なのは口径と直径の違い。取っ手部分を含む直径サイズを表記している場合もあるので、購入前には必ず確認しましょう。
土鍋の種類
土鍋を選ぶ際は、どのような料理で使いたいか用途を考えておくことも重要です。家族や友人と鍋を囲む機会が多ければ口径の広い浅型タイプがおすすめ。具材の取り分けがしやすく、途中で具材を投入しても火が通りやすいというメリットがあります。
土鍋の特性を活かし、本格的な煮込み料理を作りたい方は深型タイプがおすすめ。浅型のものより蓄熱性が高く、じっくりと食材を煮込むことができますよ。火を消した後も保温効果が高いため、余熱調理も可能。
IHへ対応しているかどうか
自宅がオール電化の場合、IH方式が採用されていることが多いです。せっかくお気に入りの土鍋を購入してもガス火専用で使えなかったなんてことがないよう、IHへの対応可否は必ず確認しておきましょう。
土鍋でお米を炊いてみよう!
美味しいご飯を食べたい方には、土鍋調理に挑戦してみてはいかがでしょうか。
炊飯器で炊いたご飯とは違った美味しさを味わうことができますよ。土鍋でお米を調理すると、遠赤外線効果でお米を格段に美味しくしてくれます。土鍋は沸騰までに時間がかかりますが、一度温まるとじわじわと包み込むように熱を与え、米の旨みや甘みを引き出します。
土鍋でご飯を炊くのは時間がかかるとお考えの方が多いかもしれませんが、実は炊飯器で炊くよりも時短になります。あらかじめ水に浸しておいた米を中火にかけ、蓋の穴から勢いよく蒸気が出て沸騰したことを確認したら、弱火にして15分。あとは10分ほど蒸らせば炊き上がりです。
土鍋を使ったレシピをご紹介
寄せ鍋
ウィンナーやチーズ入りはんぺんなど子どもの好きな具をたくさん入れたら、この一品で心もお腹も満たされます!
材料(4人分)
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏もも肉 1枚
たら(または鮭) 2切れ
ウィンナー 3本
チーズ入りはんぺん 3~4個
白菜 1/4個
水菜 1/2袋
にんじん 1/2本
【A】
昆布だし 3~4カップ
みりん 小さじ2
ゆでうどん 3玉
◆作り方
【1】白菜はざく切りにし、水菜は5cm長さに切る。にんじんは5mmの輪切りにする(一部を型で抜いても)。鶏肉とたらは食べやすい大きさに切り、ウィンナーは半分に切る。
【2】鍋に【A】を煮立て、白菜とにんじんを入れて煮、しんなりしたら、鶏肉、たら、ウィンナー、はんぺんを入れて煮、最後に水菜を入れる。
【3】大人はポン酢やごまだれなどをつけて食べ、最後にうどんを入れて煮る。
※子ども用
「シチュー味」子ども茶碗に汁をお玉1~1と1/2杯取り、シチュールウ1/2かけを混ぜ(溶けにくい場合は、軽く電子レンジで温める)具やうどんをのせる。
「みそバター味」子ども茶碗に汁をお玉1~1と1/2杯取り、みそ小さじ1/2とバター1gを溶き、具やうどんをのせる。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
料理研究家、栄養士。二人の女の子のママ。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。
『ベビーブック』2014年12月号
鶏手羽とえびのちゃんこ鍋
鶏手羽とえびの出汁が絶品! しょうがの風味をほんのり効かせて。リーズナブルなのに味わい深く、ワンタンも喉ごしつるりと、あと引くおいしさ!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
手羽先 10本
えび 1パック(6尾)
チンゲン菜 1束
長ねぎ 1本
大根 1/5本
しょうが(薄切り) 4枚
塩 小さじ1/4
【A】
水 800cc
酒 50cc
しょうゆ 少々
ワンタンの皮 13枚
◆作り方
【1】手羽先に塩をまぶす。チンゲン菜と長ねぎはざく切りにする。大根は半月切りにする。
【2】鍋に手羽先と【A】、長ねぎの青い部分、大根を入れ、ふたをして中弱火で20分煮る。えび、チンゲン菜、長ねぎの白い部分、しょうがを加えて煮、しょうゆで味つけする。
※子ども用の主食は、ワンタンの皮を加えるのが◎。
教えてくれたのは
井澤由美子さん
旬の食材の効能と素材の味を生かしたシンプルな料理が人気。食育にも力を注いでいる。一女の母。
『めばえ』2016年2月号
IH対応のおすすめ土鍋5選
IH調理器(電磁)対応土鍋サーマテックブラック9号 – MIYAO(ミヤオ)
100V・200V電磁調理器はもちろん、ガスコンロやハロゲンヒーターなどさまざまな熱源に対応している土鍋。吸収率が非常に低く、カビ・ニオイが付きにくいのでお手入れがとても簡単です。鍋料理以外にも煮込み料理や汁物などいろいろなお料理に使えますよ。
KAKOMI IH土鍋 2.5L – KINTO
IH調理器や直火調理はもちろん、ハロゲンヒーター、ラジエントヒーター、電子レンジ、オーブンでも使えます。熱源を選ばないマルチ対応の土鍋です。
KAKOMIは吸水率が極めて低いため、料理の匂いが鍋に移りにくく、カビなどの心配も不要。いつまでも清潔に使うことができますよ。カレーなど匂いがきつい煮込み料理の翌日に、あっさりとした味付けの料理をしても問題なし! 付属のすのこをセットすればヘルシーな蒸し料理も作ることができます。ブラックとホワイトの2色展開です。
IH対応土鍋6号 L-1844 – パール金属
鍋底が深く、吹きこぼれしにくい構造になっています。蓋が白色、本体が黒色という土鍋には珍しい色合い。スタイリッシュなデザインがお好みの方におすすめです。6号・8号・9号の3サイズ展開です。
都三島 – 内山製陶所
萬古焼メーカー内山製陶所が手掛ける都三島土鍋。内山製陶所は日本で唯一JAS認定を受けています。自社開発のIHプレート取り付け型。IHに反応しやすくするために平面加工が施されています。伝統や歴史を感じる萬古焼で、土鍋らしさを感じることができます。とことん料理にこだわりたい方におすすめ。三島柄がほっこりした気持ちにさせてくれますよ。
do-nabe(S) IH – セラミックジャパン
グッドデザイン賞などを多数受賞しているデザイナーの秋田道夫氏が手掛けたセラミック製の土鍋です。持ち手が内側に凹ませてあるので、土鍋とは思えないスタイリッシュなデザイン。食卓などに置いてもおしゃれですよ。蓋をひっくり返すとフラットになるため、収納時も便利です。IHだけではなくオーブンや電子レンジなどにも対応。
1~2人用に最適なSサイズ(直径19cm)と3~4人用に最適なLサイズ(直径24cm)の2種類展開。カラーはブラックとホワイトから選べます。
お気に入りの土鍋を見つけよう
IH対応の土鍋は商品によって特性やデザインが異なります。お気に入りのものを見つけて、さまざまな料理にチャレンジしてみてくださいね。
文・構成/HugKum編集部