目次
ローストビーフの保存期間は?
そもそもローストビーフはどのくらい日持ちするのでしょうか。それは、手作りのものか、市販のものかによって変わります。
市販のものは真空パックにしてあることが多く、未開封であれば保存期間は約3週間。しかし、一度開封してしまうと、酸化が進むので3日以内で食べ切るのがベスト。一方で、自家製のローストビーフの保存期間は、2~3日とさらに短くなります。
常温保存はおすすめできない
ローストビーフの常温保存はおすすめできません。常温で保存すると、風味が落ちるのはもちろん、雑菌が繁殖しローストビーフが傷んでしまうことも。食中毒の原因にもなりかねません。
どうしても、常温で置いておかないといけない場合は、ローストビーフが乾燥しないようにラップで覆い、できるだけ涼しい場所に置くか保冷剤を添えて置いておきましょう。
ローストビーフを長持ちさせる保存のコツ
・ブロックのまま保存する
空気に触れる面積が広いほど早く劣化していきます。ローストビーフは全て切り分けずに、1回で食べ切る分だけ切り分けましょう。なるべくブロック状で保存すると長持ちしやすくなります。
・肉の水分を拭き取ってから保存する
肉の表面に水分が残っていると、臭みの原因や解凍時に肉の旨味を逃す原因になります。保存する前にキッチンペパーなどで水分を摂っておくのがポイントです。
・なるべく空気に触れささない
空気に触れると酸化が進みます。肉はなるべく空気に触れさせないようにラップで包み、密閉できる保存容器に入れて保存しましょう。
ローストビーフの中身が赤いのは生焼け?
ローストビーフを切って、中身が赤く、血のようなドリップが出てくると「本当に火が通っているの? 」と不安になりますよね。ローストビーフの断面が赤いわけ。生焼けなのか、火が通っているのかを見分ける方法をみていきましょう。
ローストビーフの中身が赤いわけ
ローストビーフの断面が赤いわけは、生焼けだからではありません。焼肉など、肉を焼くと茶色く変色しますよね。これは熱による肉のタンパク質の変性なんです。しかし、ローストビーフは低温調理。内側まで熱変性が起こらないくらいの低温でゆっくりと火を通していきます。ですから、「肉が赤い=生」というわけではないのです。
生焼けかどうか見分ける方法
ローストビーフを作る際、加熱時間が十分なのか心配になることがあると思います。もし温度計があれば、肉に刺して温度を測るのがベスト。肉の中心部が52~63℃であれば火は通っています。温度計がない場合は、竹串を使って確かめましょう。竹串を中までしっかり刺します。そして、竹串を抜き、下唇に当ててみてください。暖かく感じたら火は通っていますが、冷たく感じた場合は生焼けの可能性があります。
もし生焼けだったら食べないほうが良い?
牛肉は表面が焼けていれば、中が生焼けでも食べることができます。それは、豚肉などと違い、牛肉は肉の中まで細菌がいることがないからです。しかし、生焼けが気になる場合は、肉をアルミホイルに包み、余熱で温める。または、ラップをし、保存袋に入れて湯煎すると良いでしょう。
ローストビーフの保存方法・冷蔵編
すぐに食べる予定があるローストビーフは冷蔵保存が可能です。
スライスしたものを冷蔵保存する方法
手順
1、キッチンペーパーで余分な肉の水分を取ります。
2、ラップで1枚ずつ包む。もしくは、肉同士が重ならないように並べ、隙間なくラップで包みましょう。
3、密封できる保存袋に入れ、きちんと封をして冷蔵庫で保存します。
保存期間
2~3日間、保存が可能です。
ブロックで冷蔵保存する方法
手順
1、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取ります。
2、空気に触れないようにピタッとラップで包みます。
3、ラップで包んだ肉を保存袋に入れ、保存袋内の空気を抜き保存します。
保存期間
3~4日間、保存することができます。
ローストビーフの保存方法・冷凍編
長期間なら冷凍がおすすめ
長期間ローストビーフを保存したい場合は、冷凍保存がおすすめ。美味しさをキープする冷凍保存のポイントは、素早く冷凍し、ゆっくり解凍することです。冷凍保存方法や保存期間、解凍方法をチェックしていきましょう。
手順
1、ローストビーフの表面についている水分をキッチンペーパーで拭きます。
2、肉が乾燥しないように、ぴったりとラップで包みます(スライスしてあるものは一枚ずつラップしましょう)。
3、さらに保存袋に入れて、なるべく空気を抜きます。
4、しっかり密封したら、金属製のトレーにのせて冷凍庫で保存しましょう。
解凍方法
食べる前日にローストビーフを保存袋のまま冷蔵庫に移し、冷蔵解凍します。急ぎの場合は保存袋のまま、氷水につけて解凍すると約1〜2時間ほどで解凍することができます。
保存期間
ブロックで冷凍した場合は約1か月間。スライスしたものを冷凍した場合は、約2~3週間と保存期間が短くなります。
保存袋内の空気を抜く方法
保存時には保存袋内の空気を抜くことだ大事なポイントですが、水圧を利用して袋内の空気を抜くことができますよ。
1、大きめの鍋またはボウルに水を入れます。
2、肉を入れた保存袋の口を1割開けて、水が入らないように気をつけて水に沈めます。
3、水圧で保存袋内の空気が抜けたら、封をしてボウルの中から出しましょう。
簡単ローストビーフの作り方
炊飯器で作る「ローストビーフ」の作り方をご紹介します。炊飯器の保温機能を使えば、簡単に美味しいローストビーフを作ることができますよ。
作り方
<下準備>
牛肉は常温に戻して、塩こしょうや、にんにくなどで味付けしておく。
炊飯器の釜に入れるお湯を沸かしておきます。
<作り方>
1、フライパンに油をひき、肉を焼きます。全面に焼き色がついたらOK。
2、焼いた肉をラップできっちり包みます。二重にしておくと安心です。
3、ラップに包んだ肉を、耐熱の保存袋に入れます。
4、保存袋内の空気は抜いておきましょう。
5、炊飯器の釜に約90℃のお湯を入れ、その中に保存袋に入れた肉を入れます。
6、炊飯器を保温モードにして40分間、熱を加えていきます。この時、炊飯モードにしないように注意してください。
7、40分経ったら、保存袋を取り出し、余熱で火が通り過ぎないように氷水につけます。
8、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、冷えたら取り出して薄く切って出来上がりです。お好みのタレをつけて召し上がってください。
ローストビーフは余っても大丈夫! 正しく保存して美味しさ長持ち
ローストビーフの保存方法についてご紹介してきました。すぐに食べ切れる場合は冷蔵保存、長期間保存したい場合は冷凍保存しましょう。また、保存期間が長くなると、どうしても風味が落ちてしまいます。なるべく早く食べるのがベストですが、風味が落ちてしまったローストビーフは、カレーやスープ、チャーハンに入れるなどして食べるのもおすすめです。
構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)