ベテラン元小学校校長が教える【入学準備】“こんな親なら子どもは伸びます”

子どもは親から多大な影響を受けて育ちます。そのため子どもを伸ばすには、親も人として成長していくことが肝心! 子どもを伸ばすために親に心がけて欲しいことを、元・公立小学校校長で、東京未来大学で教員養成カリキュラムに関わる長谷川かほる先生に教えていただきました。

ときには見守ったり、ガマンも必要! 子どもを伸ばすための5ヵ条とは!?

1.子ども同士のケンカは、見守るスタンスをとろう

子ども同士でものの取り合いが始まったり、友だちにおもちゃを横から取られたりすると、「うちの子が先に使ってたのよ!」など子供より先に口を出したり、ケンカの仲裁役をするママやパパもいますが、子ども同士の小さなトラブルは、しばらくの間様子を見るなど温かい目で見守りましょう。

子どもはトラブルを通して「○○ちゃん泣いているから、少し貸してあげようかな?」と考えたり、「僕も遊びたいから”返して“って言おうかな?」と、子供なりに自分で解決策を考えたりします。しかしママやパパが先回りしてケンカの仲裁をすると、自分で解決したり、相手の気持ちを推し量ったりする力が育たなくなります。

ママやパパが間に入った方がいいときは、ケガをしそうなケンカのとき。もし子どもが困って助けを求めてきたときは、「“返して”って言ってごらん」と自分の気持ちを伝えるようにアドバイスしてあげてください。

2.親の価値観を押し付けない

子どもの心の成長を促すには、さまざまな人と出会い、多様な価値観に触れることが大切です。しかし核家族だと多様な価値観に触れる機会が少ないうえ、ママやパパが自分の価値観を押し付けるタイプだと、子どもが親の価値観に染まってしまう危険性も。

とくに気をつけて欲しいのは、「○○くんと付き合うのはやめなさい!」と友だちを否定することです。ママ・パパから、そうした言葉が出るとすごく反発するようになる子もいますし、ママ・パパの言いなりになって、友だちの本質を見抜く目をもてなくなる子もいます。

また親が子どもの前で先生の悪口を言ったり、先生の問題点を指摘したりするのも、子どもの心がすさむ一因です。担任の先生のことは、校長先生や副校長先生に直接、伝えましょう。

3.子どもと気持ちを共有し合う

ママの中には常に上から目線で、子どもに教えてばかりの方もいますが、こうした関係性は子どもにとってはつまらないもの。子どもと同じ目線になって、親子で気持ちを共有する時間を多く作ってください。親子で感動できる映画を一緒に見たり、本を読んだりして感想を話し合うのもいいですね。

子どもから学ぶことの多さに気づくと、親も心が豊かになり、親子関係が良好になります。

4.高学年になってもスキンシップを習慣にする

子どもはママと手を繋いだり、抱っこされたり、背中を摩られたりするスキンシップが大好き。スキンシップをすると、幸せホルモンのオキシトシンが活性化し、脳と心が癒されて、ストレスが軽減したり、信頼感が増すと言われています。そのため子どもが成長しても、スキンシップを習慣にしましょう。

小学校高学年になってスキンシップを恥ずかしがるときは、「いってらっしゃい!」と背中をポンとたたいて送り出すだけでもOK。とくに男の子は、ママとあまり話さなくなる子もいるので、自然なスキンシップでコミュニケーションをとってください。

5.幅広い年齢の人と触れ合い、社会性を育む

社会性を育てると言うと“幼稚園や保育園、小学校に通わせていれば社会性は自然と育つ”と考える方もいるかも知れませんが、子ども同士や先生とのかかわりだけでなく、幅広い年齢の人との交流も積極的にさせましょう。

例えば、親子で銭湯に行くのもおすすめです。銭湯に行けば、隣の人にお湯がかからないように静かに流すなど、周囲への気遣いが求められます。子どもはそうした経験から“自分ひとりで生きている訳ではない”ということを学びます。

 

記事監修

長谷川かほる|東京未来大学特任教授

東京未来大学 こども心理学部 保育・教職センター副センター長 特任教授
東京学芸大学教育学部初等教育社会科専攻を卒業後、東京都内の公立小学校教諭、副校長、校長を経て現職。大学では、管理職歴15年の経験を活かし、教員を目指す学生たちの指導を担当されています。著書に「保護者対応12か月」(小学館)。

 

構成/麻生珠恵

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